セイコーソリューションズは、一般社団法人スカイラボによる、女子中高生向けデザイン思考ワークショップ「日本にいながら、シリコンバレー留学STEAM*1 教育」に社員を講師として派遣し、生徒たちにデザイン思考を用いたソリューション開発について講義を行いました。
*1: STEM /ステムとは、”Science, Technology, Engineering and Mathematics” の頭文字からなる科学・技術・工学・数学の教育分野の総称
このワークショップは、d-school*2 があるスタンフォード大学教育学部教授のシェリー・ゴールドマン博士をはじめ、スタンフォード大学で研究を行う講師陣とスタッフが、女子中高生向けに、最先端の世界を経験し将来を考える機会として開催しているプログラムです。英語によるプログラムを通して、生徒たちは失敗を恐れずに自由に発想することを学び、企業の開発担当者の声を実際に聴きながら、人の役に立つものづくりの楽しさを体験しました。
夏のワークショップは、2016 年から開催され、今年は、スカイラボのパートナーである慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科（KMD）にて８月に行われました。
*2: d-school（デザインスクール）は、スタンフォード大学の在籍学生や教職員がデザイン思考を学びながら、分野を越えてソリューションやイノベーションを発想する力を習得する大学内の学科横断型プログラム。
デザイン思考の活用例「回転寿司用自動精算システム」ソリューション
セイコーソリューションズは、外食産業向けのオーダリングシステムを開発・販売しています。今回の講義では、そのラインアップとして提供している回転寿司向けの自動精算システムを題材として取り上げ、開発に携わったモバイルIoT 企画部 相原 正仁が、企画・エンジニアとしての苦労や発想について講義を行いました。セイコーソリューションズでは、新たなソリューションを開発する際に、デザイン思考*3（デザインシンキング）を取り入れています。「回転寿司用自動精算システム」ソリューションは、開発者が回転寿司の店舗で実際に勤務することで共感し見えてきた課題点を解決するために、問題定義、アイデア創出を繰り返し、100 回以上の実験・検証を経て開発されました。デザイン思考を用い、IT の力で「お皿を早く正確にカウントする」ソリューションを開発したことで、従業員の笑顔を創ることができた事例です。
*3: 問題発見から問題解決までのステップを「Empathize（共感）」「Define（問題定義）」「Ideate（アイデア創出）」「Prototype（プロトタイピング）」「Test（検証）」のステップに体系化し、イノベーションや解決策へ至るためのアプローチ手法。
各企業の開発担当者の話を聞いて考える、生徒たちの新たな企画発表
女子中高生の真剣なまなざし、そして笑顔が印象的
ワークショップに参加した生徒たちは、企業に勤務するそれぞれの開発者の講義を聴き、開発にかける思いや人となりをチームごとに深掘りし、ものづくりの志や楽しさについて考えました。
開発者へのインタビューから、「エンパシー」「デザイン」「ブレインストーム」「プロトタイプ」「フィードバック」の要素を考え、デザイン思考の基本を体験し、自分たちで考えた新たなソリューションを発表しました。
【生徒の皆さんのアイデア】
- リピーターの顔と注文履歴をデータベース化して、来店したら、過去の注文履歴に沿ってお寿司を製造し、早く提供できるようにする。
- お寿司をレーンに出してから、時間がたってしまったものを、廃棄ではなく自動的にディスカウントする。
- 鮮度を保つため、レーンの上に冷気がでる機械を設置する。
…ほかにも、大人では考えつかないアイデアがたくさん出てきました。
参加した生徒たちにプレゼンの感想を聞いてみると「エンジニアって眉間にシワを寄せて難しいことを考える堅い職業だと思っていましたが、少年のように目をキラキラとさせて開発したソリューションについて話してくれた相原さんを見て、エンジニアに対する考え方が変わりました」と話をしてくれました。
講師陣とインターン生からは、「相原さんの熱意のこもったプレゼンを聴いて、ものづくりは本当に楽しそうだと感じました。素晴らしいお話をありがとうございました。」とお礼の言葉をいただきました。
ご協力：株式会社 石野製作所、北日本カコー株式会社、回し寿司 活
