株式会社エアネットは、1996年に開始したISP(インターネット接続サービス)事業を皮切りとして、データセンターを利用したサーバーシステムの構築・運用サービス、グループウェアをはじめとしたASPサービスなどの領域において事業を展開しています。
お客様にサービスを提供するデータセンター内のDNSサーバーの負荷分散のために、ロードバランサー「Netwiser SX-3820」を採用いただいたエアネットのIPサービスグループ 取締役 田中 政裕 氏(写真中央)に、「SX-3820」の導入の経緯と導入後の評価についてのお話を伺いました。

エアネットについて

— 御社の概要についてお聞かせください。

エアネットは、ビジネスクラウド事業、マネージドホスティング事業、ISP事業を柱として、お客様にサービス提供しています。

エアネット様「現在はASPサービスを含むビジネスクラウドが中心です」
「現在はASPサービスを含むビジネスクラウドが中心です」

マネージドホスティング事業では、お客様の独自アプリケーションにあわせたサーバーシステムの構築・運用・監視など、かゆいところに手が届くサービス提供を目指しています。また、近年は企業向けメールサービス「ALL in Oneメール」や飲食店向け予約管理サービス「リザーブキーパー」等のビジネスクラウド事業に注力しています。

 

Netwiser導入の目的と経緯

— ロードバランサーを採用された目的をお聞かせください

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「フェイルスルーでお客様への提案がしやすくなったと営業担当 者に評判です」

エアネットでは、以前よりフルマネージドサービス利用中のお客様からサーバーの冗長化の要望がある場合は、ロードバランサーを使用してきました。これまで使用していたメーカーでは、ロードバランサーの冗長化までを考えると非常に高価なシステムになってしまっていましたが、「Netwiser SX-3640」のフェイルスルー機能を使用することで1台のロードバランサーで信頼性の高いシステムを構築することができることを知り、営業担当者がお客様に低コストでのシステムの提案がしやすくなりました。また実際に「SX-3640」で多くのお客様のシステムを運用し、使いやすい製品だということもわかっていました。

フルマネージドサービスを提供しているデータセンター全体のDNSサービス用サーバーは、従来より冗長化はされていましたが、お客様のシステムにDNSサーバーの片系ダウンを意識させない構成とするため、L4での負荷分散をする必要がでてきたことから、新たにロードバランサーを検討することになりました。

— Netwiser を検討された経緯をお聞かせください。

データセンター内のDNSサーバー用のロードバランサーを検討し始めた時は、オープンソースのソフトウェアロードバランサーをメインに考えていました。ただ、今回は自社データセンター全体のDNSサービス用での導入となるため、導入後のメンテナンスの負荷を考えて、ソフトウェアロードバランサーではなく、アプライアンス製品を採用することにしました。アプライアンスのロードバランサーとしては、フェイルスルー機能に対応している「SX-3820」が用途に合い、価格も魅力的だったため、他社をほとんど検討することなく導入することに決めました。

障害発生時:Netwiser SX-3820

— 他社のロードバランサーと比較して、Netwiser が優れていた点をお聞かせください。

①フェイルスルー機能

「評価機での検証が十分にでき、本番稼働もスムーズでした」
「評価機での検証が十分にでき、本番稼働もスムーズでした」

今回の用途は、DNSのリクエスト振り分けに特化しているため、トラフィック量は多くありませんが、DNSサーバーへの通信ができなくなるとサービスの遅延につながってしまいます。また、近年お客様のサービス遅延への要求が厳しくなってきていますので、確実な負荷分散は当然のこと、ロードバランサーに障害が発生した場合も冗長構成を取ることなく、1台でサービス継続ができるフェイルスルー機能は非常に有用であると考えています。

②簡単な導入作業

「SX-3820」を導入する前に評価機を借りたところ、問題なく想定していた動作をさせることができました。また、テスト環境でDNSの振り分け検証なども実施できたため、本番では評価機で作成した設定をインポートし、すぐに稼働させることができて助かりました。今回は通常の貸出期間内で十分なテストができましたが、構築に時間がかかるようなシステムの場合は、もう少し期間が長いとよいと思いました。

 

Netwiser導入後の評価

— Netwiser 導入後の評価をお聞かせください。

現在、稼働中のSX-3820
現在、稼働中のSX-3820

導入後は「SX-3820」の存在を忘れてしまうくらい問題なく稼働しています。DNSサーバーはセキュリティホールへの対応などメンテナンスが避けられないので、「SX-3820」の稼働後も何度かメンテナンスを実施していますが、メンテナンスタイムを設定することなく運用の継続ができ、助かっています。

他社ロードバランサーではバージョンアップの際に設定ファイルの書式が大きく変わることがあり、バージョンアップ前後で設定の移行に失敗する事象を経験したことが度々あったのですが、このようなことがないよう「SX-3820」では、引き続き、バージョンアップ時などの互換性を確実に保っていってもらいたいと思っています。

今後の期待

— 今後の期待をお聞かせください。

Netwiserの特長は、低価格でスペック通りの性能がでる安定性の高さであると考えていますので、他社の上位機種のように高度なスクリプト処理や膨大なトラフィックの処理に対応していくよりは、安定性や堅牢性の維持・向上をお願いしたいと思います。ご存知のように、ロードバランサーは外部(WAN側)にさらされている機器になるため、新たなセキュリティホールを狙った攻撃が多い中で、信頼性が高く、安心して使用できるコストパフォーマンスの高い製品の提供を今後も期待しています。

本日はお忙しい中、貴重なお話をありがとうございました。

株式会社エアネット IPサービスグループ 取締役 田中 政裕 氏
株式会社エアネット IPサービスグループ 取締役 田中 政裕 氏

お客様プロフィール

株式会社エアネット
URL http://www.airnet.jp/

※ 取材日時 2017年2月