新出光にとってのセイコープレシジョンの「SI会社としての価値」について、情報システム課の東原洋一氏(写真右から二番目)、福澤彰男氏(写真右端)、岩本恭次氏(写真左から二番目)に詳しく聞いた。(写真左端は、セイコープレシジョン西日本営業部 中迫秀夫)

なぜセイコープレシジョンを選んだか

— 今回のプロジェクト担当会社として、セイコープレシジョンをお選びいただいた理由は。

 j_idex_01第一に、弊社と同じようなディーラー向けに自社パッケージを使ってシステムを組み上げた実績があったこと。第二に、クレジットカード、POS、データ集配信などガソリンスタンド業務への十分な理解力、十分な提案力があったこと。第三に、拠点が九州にあったので、サポートややりとりの手厚さが期待できたこと。それらが理由です。

特に第二点「こちら側業務への深い理解」については、セイコープレシジョンは非常に優れています。いちいち全てを説明せずとも、こちらの意図を読んで、的確なシステムを組んでくれました。

良くないSI会社の場合、いくら説明しても的確なシステムを提案してくれないことがあります。そういう会社の営業マンは、自社製品の知識、自社製品を売りたいという熱意ばかりが先行し、肝心のガソリン販売業務の知識が不足していることがあります。

そういう会社の営業マンやSEと打ち合わせをしても、こちらの言うことが分かっているのかいないのか不明のまま、とにかく自社製品を売り込んで来ようとすることがあり、困ります。弊社の目的は、システムの購入ではなく、自社が抱える問題の解決ですから。

セイコープレシジョンの営業マンとSEは、経験と実績に裏付けられた業務知識を持っており、話の受け答えひとつとっても的確でした。また新出光の業務を改善しようという熱意も言葉の端々から感じられました。

今回プロジェクトの最大の成果は何か

— 今回のプロジェクトにおける最も目立った成果は。

数値で表せる成果としては、ROS3(EDIサーバ構築パッケージ)の導入による通信コスト削減が最も大きいでしょう。月間約70万円、年間で840万円のコスト削減を果たしました。ガソリン業界は、価格競争が起きやすく、利益が出しにくい業種なので、840万円のコスト削減の意義は大きいと言えます。

誤解なきよう言いそえると、840万円のコスト削減をもたらしたのは、「ROS3(EDIサーバ)という機械そのもの」ではなく「ROS3を一部とする、システム全体」です。そういうシステムを作り上げたセイコープレシジョンのシステム構築力、提案力は評価に値します。

 

新出光とはどんな会社か

— 新出光の業態につきお聞かせください。

一言で言えば、石油販売業。ガソリンのディーラーです。ガソリンスタンド数は、直営店、特約店あわせて約500店。いわゆるスーパーディーラーと呼ばれる規模です。

今回プロジェクトの内容

— 今回のプロジェクトはどのような内容ですか。

セイコープレシジョンには「SS-POS統合」と「EDIシステム構築」という二つのプロジェクトをお手伝いいただきました。

SS-POS統合プロジェクトでは、全国600ヶ所のガソリンスタンドからのPOS売上データを自動的に収集するシステム、POSのクレジット決済に関する与信業務を自動化、集中処理化するシステムを作りました。

EDIシステム構築プロジェクトでは、取引先(元売など)や銀行とのEDIを構築しました。また通信手段として、商用VANへの委託から、自社集配信に切り替えて、コストダウンを図りました。

これら二つのプロジェクトは別個のものですが、今回は、説明の便宜を図り、「新出光基幹業務改善プロジェクト」という一つの取り組みとしてお話しいたします。なお、各プロジェクトで活用したセイコープレシジョン製品は以下の通りです。

製品名 何の製品か 説明
ROS3 データ集配信パッケージ 各スタンドからのPOSデータの加工、集配信。全銀、JCA伝送、EDIサーバ構築
CAPS カード自動決済パッケージ クレジットカードの与信業務
UST プロトコルコンバータ 全銀、JCA, CAFISなど各種プロトコルをTCP/IPに翻訳
ロードバランサー 負荷分散装置 同左

今回プロジェクトにおける課題、要件は何だったか

 — 今回のプロジェクトにおける課題や問題はどのようなものが。

j_idex_02セイコープレシジョンには「SS-POS統合」と「EDIシステム構築」という二つのプロジェクトをお手伝いいただきました。

以下のとおりです。

  1. 【 データ通信のコストを下げる 】

  2. 【 絶対止まらない、安定稼働性が必要 】
  3. 【 クレジットカード与信機能を強化する 】

これらの課題の背景には「関係各社とのデータ通信の量が増えるばかりであること、重要性も増すばかりであること」という現象が共通してあります。この現象が生じた理由の一つが、ガソリンをクレジットカードで買うお客様が増えてきたことです。クレジット決済が増えれば、当然、データ通信量は増えます。

今後セルフサービスのガソリンスタンドが増えることも通信量の増加に拍車をかけるでしょう。

かつては商用VANを使っていたが。

— 最初のポイント「データ通信のコストを下げる」という点は。

これが冒頭で述べた840万円のコストダウンの部分になります。EDI更改プロジェクト以前は、外部との通信は、ある会社が運営する商用VANにアウトソースしていました。

 

— その商用VAN(Value Added Network:付加価値ネットワーク)の「付加価値」は何ですか。

ガソリン業界が外部と通信するにあたり、全銀やJCAなどさまざまなプロトコルを使わねばなりません。この場合、ガソリンスタンドの内部システムがすべての言葉(プロトコル)を話せるようにシステムを作り込むのは合理的でない。それよりは、間にひとり通訳をおいて、こちらが話す一種類のプロトコルを、全銀やJCAなどさまざまなプロトコルに変換してくれれば便利です。この「通訳としての機能」が商用VANの付加価値です。

しかし、このVANには、いくつかの懸念がありました。

VANの諸問題をどう解決したか

— どんな懸念があったのですか。

以下の二つです。

  1. 料金体系が従量制だった。データ通信量が増えていくと、つられてコストも上がる。

  2. VANの運営元の会社が、そのVANをいつまで存続させるのか不透明だった。

こうした懸念を解決する方策として、セイコープレシジョンより、ROS3(EDIサーバ構築パッケージ)の活用が提案されました。これにより以下のような変化が起きます。

  1. 対外通信は今までは従量制でアウトソースしていた。しかし今後は自前設備を使って行う。

  2. VANの付加価値であったプロトコル翻訳については、今後はUSTというハードウエアがとりおこなう。

単純化して言えば、これまではVANという大がかりなシステムに委託していた仕事を、今後はROS3を搭載した小さなEDIサーバがとりおこなうイメージです。
この変更により、年間840万円のランニングコスト削減が実現しました。

840万円コスト削減の計算式

— コスト削減効果の詳細は?

j_idex_03かつてはVANの使用料、通信料など諸経費が、月平均で約100万円でした。現在のコストは、ROS3のリース料、保守料、通信料などコミコミで月平均30万円です。ということは月間でさしひき70万円、年間では840万円のコストダウンになっています。これは先にも述べたとおり、粗利がとりにくいガソリン業界では、たいへん価値あるコストダウンです。

 

— 通信を外部委託から自前に切り替えたことで、安定性、堅牢性の不安が出る可能性は?

EDI通信サーバには、LoadBalancerを加えて、負荷軽減と冗長化の二つを施しています。機器面で二重化が果たせており、加えてセイコープレシジョンが責任を持ってサポートしてくれることを考えれば、安定性の面でも問題はないでしょう。

クレジット、POS、EDIは「基幹システム」

— 次のポイント「絶対止まらない、安定稼働性が必要」とは、具体的には。

クレジット与信システムやPOS、EDIは基幹システムです。それらシステムが止まったら、販売が滞ります。特にセルフサービスのスタンドでは、決済ができなくなり、売上げに打撃があります。堅牢性、安定性は重要です。この点についても、セイコープレシジョンには、予算その他の制約の中で、バックアップ構成など、さまざまな対策を講じていただきました。

コスト削減の他に何が改善されたか

— 今回のプロジェクトでの、840万円のコスト削減以外の成果としてはどのようなものが。

列挙して述べれば以下のようになります。

  1. システムの二重投資を回避したこと。

    POSまわりの4種類のEDIについては、最初は旧システムが3種類、セイコープレシジョンが1種類という状態でした。その後、セイコープレシジョンで大丈夫なのかどうか見極めながら、徐々にセイコープレシジョンの割合を増やしていきました。最終的に無事セイコープレシジョンに統一でき、システムの二重投資を防げたのは良いことでした。

  2. ホストとのデータ交換経路が一本化されたこと。

    以前は、ホストにデータを送るのに、FDやメールなど多くの経路があったのが、今回EDIに一本化され、全体の構造がシンプルになり、運用が改善されました。

  3. サポート系の諸経費・雑費がコストダウンできたこと。

    以前のシステムにおいては、担当のSEの方が大阪におられたため、訪問頻度が少なくなり、また、こちらで現地対応していただく時に交通費などの負担が発生することもありました。そういう負担額が頭にあると、相談もしにくくなり、そうしてシステム問題の解決が少しずつ先送りになる。そういう悪循環が起きていました。

    しかし、セイコープレシジョンは、九州営業所に技術者を擁しているので、気軽に相談できます。気軽な相談を通じて、システムの問題も先手先手で解決できる。そのような善循環がもたらされました。

今後の期待

— 今後のセイコープレシジョンへの期待をお聞かせください。

ガソリン販売を取り巻く環境は、日々変化し続けています。そうした変化に対応するには、情報システムに「堅牢さと柔軟さ」を同時に求めざるをえません。新出光は、セイコープレシジョンを、そうした厳しい要求に応えられる優れたソリューション会社だと考えています。今後とも、優れた技術と提案とを継続提供していただけるよう、宜しくお願いいたします。

 

今日は貴重なお話を有り難うございました。

お客様プロフィール

株式会社新出光
※ 取材日時 2006年7月