QT-netロゴQTnet は、お客さまや地域の皆さま、ビジネスパートナーの皆さま、従業員からの信頼を事業の基盤、成長の源泉として、電気通信事業を通じ、快適で豊かな社会の創造に貢献し、地域・社会とともに発展することを目指しています。
九州エリアでサービス提供されている各システムでの時刻同期のために「Time Server TS-2550」を採用いただいた株式会社 QTnetの通信サービス設備部 システム工事2グループ長 森 憲治 氏と同部の池﨑 徹 氏、浦口 拓也 氏、矢島 和男 氏に、「TS-2550」の導入の経緯と導入後の評価についてお話を伺いました。

1.QTnetについて

ー 御社の概要についてお聞かせください。

BBIQキャラクター「コネクトくん」
BBIQキャラクター「コネクトくん」

QTnet社屋 コンソールサーバー SmartCSシリーズ 事例

QTnet は 1987年に九州電力グループの情報通信会社として創立して以来、時代の移り変わりとともに常に変化するお客さまのご要望にお応えするため、様々なサービスを提供し続けています。
自治体・企業向けサービス「QT PRO(キューティープロ)」では、通信回線サービスや ICTに関する課題を解決するソリューションサービスなど、お客さまの事業活動に欠かせないサービスを提供しております。また、ご家庭向けには、インターネット接続サービス「BBIQ(ビビック)」やスマホサービス「QTmobile」など、お客さまの生活に密着したサービスを提供しております。

2.タイムサーバー導入の目的と経緯

— タイムサーバーを導入された目的をお聞かせください。

これまでは、サービス毎に独自にStratum1のタイムサーバーを構築し、サービス内のシステムが時刻を参照するサーバーを Stratum2 として複数設置している状態でした。また、Stratum1 のタイムサーバーの時刻ソースも GPS があったり、インターネット経由で NICT(国立研究開発法人 情報通信研究機構 ) を参照しているものがあったりしました。このように、サービス毎に、どのタイムサーバーを参照しているのかがわかりづらい構成を解消するために、時刻同期システムの再構築が必要であると考えていました。

QTnet コンソールサーバー SmartCSシリーズ 事例 構成図
構成図

 

— タイムサーバーを導入された経緯をお聞かせください。

QTnet 矢島氏 コンソールサーバー SmartCSシリーズ 事例
「シンプルな構成で安定稼働してくれることが一番です」 矢島氏

新しい SOC(サービスオペレーションセンター)ビルを建設することが決まり、新たにタイムサーバーを導入する必要がありました。また、このタイミングで前述の複雑な構成を解決するために、既存局と新 SOC ビルでタイムサーバーを 1 台ずつ配置し冗長性を確保する構成検討を始めました。

半年近くかけて機種選定を行い、数社の評価試験を行った結果、GPS 衛星の捕捉感度の良さと、これまで使用していたTS-2540が障害などなく安定稼働していた運用実績から「Time ServerTS-2550」を採用しました。

 

 

 

 

 

— 他社製品と比較して、タイムサーバー が優れている点をお聞かせください。

[1]うるう秒対策(アジャスト調整機能)

QTnet 池崎氏 コンソールサーバー SmartCSシリーズ 事例
「最大400分のアジャスト調整時間が重要です」 池崎氏

TS-2540 でもアジャスト調整機能を利用していましたが、アジャストするための時間が 120 分の固定設定だったため、NTP のポーリング間隔によっては128 ミリ秒以上の時刻差が生じて、下位の Linux サーバーでステップ動作が発生してしまうことがありました。

今回導入した「TS-2550」ではアジャスト調整の時間が最大 400 分まで設定可能なため、下位のサーバーでもステップ動作をすることがなくなりました。

設定された時間をかけて一定の割合で時間をずらし、うるう秒実施時に1秒の調整を行う機能

 

 

 

 

 

[2]使いやすい設定画面

QTnet 浦口氏 コンソールサーバー SmartCSシリーズ 事例
「アプライアンスならではの操作感にも満足です」浦口氏

製品選定において、セキュリティー面も重視しておりました。TS-2540 では脆弱性対応がほぼ不要でしたので、今回も同社製品「TS-2550」を採用しました。

しかも「TS-2550」は、構築・導入が容易で、評価試験を実施している時も設定項目がシンプルで大変わかりやすかったですね。 Linux などの OS に関する知識が無くても導入しやすい製品だと思います。

 

3.タイムサーバー導入後の評価

— タイムサーバー導入後の評価をお聞かせください。

QTnet 森氏 コンソールサーバー SmartCSシリーズ 事例
「うるう秒対応でも運用負荷低減が実感できています」森氏

「TS-2550」の導入で一番大変だったのは、GPS アンテナケーブルの敷設工事でした ( 笑 ) 。アンテナ設置場所が何度も変更になり、その都度手厚いサポートをしてもらい助かりました。

また、2017 年 1 月のうるう秒挿入時には、これまでのような特別な事前準備や緊急体制の構築もせず問題なく過ごすことができましたし、通常運用についても全く問題は発生していない状態で、運用負荷を低減できています。

タイムサーバーの冗長性を確保しつつ、シンプルな時刻同期環境の構築ができましたので、これからのシステム拡張にも柔軟に対応していくことができます。

 

4.今後の期待

— 今後の期待をお聞かせください。

時刻同期において、うるう秒は一大イベントですので、今後のうるう秒を想定した試験機能があると、いろいろな検証が実施しやすくなります。

また、「TS-2550」を 2 拠点に導入することで機器の冗長性確保はできましたが、ネットワークや電源の二重化(冗長化)という社内ポリシーもあります。オプション設定でも良いので、今後の製品ではネットワークや電源の冗長化を是非サポートしてもらいたいですね。

今回、時刻同期環境を再構築して、システムにおけるタイムサーバーのセキュリティー面や重要度のランクを 1 つ上げた状態になっているため、引き続き手厚いサポートと着実に安定稼働する製品作りに期待しています。

QTnet コンソールサーバー SmartCSシリーズ 事例
インタビューの様子(右から 株式会社QTnetの通信サービス設備部 システム工事2グループ長 森 憲治 氏、池﨑 徹 氏、 矢島 和男 氏、浦口 拓也 氏)

 

 

本日はお忙しい中、貴重なお話をありがとうございました。

お客様プロフィール

株式会社QTnet
URL: http://www.qtnet.co.jp/

※ 取材日時 2017年5月