第2回 インターネットを利用した新しいビジネスを考える
[1] インターネットを利用したUberやAirbnb
インターネット上では、Uber や Airbnb などの既存のサービスの領域を侵食するサービスが拡大しています。これらのサービスも、日本においてはあまり普及していませんが、なぜ数年というレベルで、世界の多くの国に広がったのかを、私なりに探ってみたいと思います。まず、Uber や Airbnb について簡単に説明します。ご存知の方は、読み飛ばしてください。インターネットを検索してもいろいろ解説があります。
- Uber(ウーバー)
2009年に創業した、タクシー・ハイヤーのオンライン配車ビジネス。世界数十か国に拡大し、年間数兆円の売り上げと推定されている。単なる配車サービスから、一般人が自家用車を使ったサービスをUberXとして展開している。(数字は、ウィキぺディアより) - Airbnb(エアビーアンドビー)
2008年に創業した宿泊施設貸出ビジネス。世界190か国以上に展開している。ホテルに変わる宿泊施設。
個人宅、アパート、お城、クルーザ、果てはテントまで持ち主が宿泊施設として貸し出している。
(数字は、同じくウィキペディアより)
[2] UberとAirbnbの現状
このようなビジネスが成立し急拡大したのは、利用者側の現状に対する不満があるといわれていますが、単純にはそうではないでしょう。すぐに想像がつくように、Uber にしろ Airbnb にしろ、多くのトラブルも発生していますし、当然それぞれの国においても違法と判断される場合もあります。
UberXは、日本で言えば白タクそのものですからね。では、なぜ法律や規制にも関わらすビジネスが継続するだけでなく、拡大できるのでしょうか。
それは、一度利用するとまた使いたくなるサービスを提供しているからです。行政や業界が中止させようとしても、利用者の継続を求める意見に抵抗できないのです。たとえば、Uberでは、利用者の声がフィードバックとして集まり、利用者はそのデータやスコアをWEB上で参照して、リクエストができます。そうすると車の提供者側は、リピートのためにいろいろと工夫をすることになります。
法律による規制で得られる安心ではなく、実際の利用者のフィードバックサイクルによる、安全で安心で、安いサービスが便利に提供されている環境を利用者が失いたくないというのが、規制を超えて利用される、大きなうねりになっているのでしょう。
Airbnbも同様です。今まで家は資産として購入して使うか、賃貸を利用するか、の選択のみでした。それが、個人が資産をオープンにして、移動手段や宿泊施設として提供し、利益を得るというビジネスが存在するということです。いずれ、個人では家などを買わないで、すべてAirbnbを使って、世界中を渡り歩くボヘミアンのような生活形態も普通になってくるかもしれませんね。
※本コラムは、平成27年9月頃に社内コラムとして連載したものに加筆・修正し、掲載させていただいています。
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著者プロフィール
奥ノ坊 彰
セイコーソリューションズ株式会社 戦略ビジネス本部 エバンジェリスト
ネットワーク ・ セキュリティー「一筋」?十年。社内外のネットワークインフラ構築を担当する。社内の新人向けから技術者向けまでネットワークやインターネットの講座を幅広く開催している。
講習実績
- 「デジタルでイノベーションを起こす」
第4次産業革命への取り組み
-セイコーソリューションズが進めるデジタルトランスフォーメーション支援戦略-