浜松信用金庫浜松信用金庫は、1950年に中小企業を支える地域の金融機関として設立されました。浜松市、磐田市など静岡県西部を営業エリアに、現在58店舗(うち出張所1)を展開しています。2017年度より中期経営計画「活力共創Bank“はましん”」をスタートさせ、お客さま本位の新たなビジネスモデルを構築し、その機能を十分に発揮することで、お客さまとの共通価値を創造し、お客さまの喜びを通じた地域活力の創出の実現を目指しています。
電子稟議システムの導入にともない審査体制を刷新すべく、セイコーソリューションズの「個人信用情報照会システム L-CRIP」を導入しました。導入の経緯と効果について、浜松信用金庫 審査部 個人審査課 課長 野田芳弘氏、同課 池上太亮氏、個人営業部ローンセンター 副調査役 伊藤敏昭氏にお話を伺いました。

  • 個人信用情報に基づく審査精度の平準化を進めていきたい
  • 別々に行っていた2つの個人信用情報機関に対する照会を効率化したい
  • 住宅関連ローン手続きの電子化を推し進めていきたい
  • 審査精度の平準化が図られるとともに、情報を読み取る時間が短縮された
  • 入力、照会を専門に行う部署を作ったことにより業務の効率化が図れた
  • 取引のないお客さまに対する事前審査に要する時間が大幅に短縮された

1. 導入の背景 電子稟議システム導入に伴い審査体制を刷新

— 「個人信用情報照会システム L-CRIP」を導入した背景をお教えください。

浜松信用金庫のホームページ
浜松信用金庫のホームページ

「L-CRIP」の導入に関しては、従来行っていた審査体制の見直しという側面があります。しかし、前提となっているのは2012年度から2016年度の中期経営計画に盛り込まれている「経営基盤の再構築」達成に向けて、業務フローの抜本的な改革の実現がありました。そのためにさまざまな業務システムの構築を進めており、住宅関連ローン商品を対象とした電子稟議システム(パーソナルローン稟議システム)の導入もその一貫となります。

パーソナルローン稟議システムの導入にあたり、ひとつの課題として浮上してきたのが、住宅ローン融資に関する審査体制でした。 当金庫での審査は、お客さまからの住宅ローンのお申込みに対し、各営業店またはローンセンターで審査を行い、部店長専決権限内であれば営業店決裁、それ以外であれば本部決裁扱いとして稟議を回付します。個人信用情報については、全国銀行個人信用情報センター(KSC)は各営業店、日本信用情報機構(JICC)は審査部にて取得し、申込情報と合せて審査を行います。これらの一連の業務はすべて紙ベースで進められており、営業店と審査部間は急ぐものはFAX、通常は専用便で送られていました。

その後、部店長専決貸出規程の改定により、住宅関連ローン新規貸出の9割が営業店決裁によるものになりました。また、以前は必要に応じて照会していたJICC情報についても、すべての審査において照会することとしました。ただ、KSCヘの照会は営業店で、JICCヘの照会は審査部で別々に行う状況であり、担当者の業務が立て込んでいる場合などは、スムーズな照会ができないこともありました。

2. 経緯 他地域の信用金庫への視察でL-CRIPを知る

— パーソナルローン稟議システムの導入と、審査体制の刷新が課題となったわけですね。

「パーソナルローン稟議システムの導入とともに、審査体制の刷新を検討しました」と、野田芳弘氏
「パーソナルローン稟議システムの導入とともに、審査体制の刷新を検討しました」と、野田芳弘氏

そうですね。特に審査体制は、KSC、JICCの個人信用情報を読み解くことが難しく、どの情報が重複しているのかなどを判断する必要がありました。また、グループ会社である はましん信用保証など保証会社に保証の依頼をする際、個人信用情報をそのまま書類に残しての依頼はできないため、書類一式から個人信用情報のみ取り外して依頼をしていました。保証会社から書類が戻ってくると、外した個人信用情報を書類に戻すという作業もあり、とても業務が煩雑になっていました。

当金庫としては、審査にあたってのチェック機能の自動化、効率化、精緻化、ならびに事務作業の定型化、標準化、効率化を図りたいと考えていました。また、顧客データの蓄積という意味においては、登録した顧客データを十分に活用できていませんでした。

こうした審査に対するいくつかの課題がある中、パーソナルローン稟議システムの導入を迎え、審査体制の刷新を行うことにしたのです。

— セイコーソリューションズの「L-CRIP」はどのようにしてお知りになりましたか。

当金庫が導入を進めていたパーソナルローン稟議システムと同様のシステムを京都信用金庫が導入しており、視察をさせていただく機会がありました。そこで拝見したのが個人信用情報照会システムとして導入されていた「L-CRIP」です。実際の照会画面なども拝見し、こういう風にできるといいと思い、直接セイコーソリューションズに連絡を取り、「L-CRIP」をご紹介いただきました。

同時期に、ある会社からも個人信用情報照会システムについてのご提案がありました。実際に提案されたシステムが導入されている信用金庫の視察にも行っています。

3. 決め手 判定資料を一目見るだけで概略の把握ができる

— 個人信用情報照会システムとして「L-CRIP」を導入された理由をお聞かせください。

「「L-CRIP」の導入にあたり、審査フロー、審査基準を大幅に変更しました」と、伊藤敏昭氏
「「L-CRIP」の導入にあたり、審査フロー、審査基準を大幅に変更しました」と、伊藤敏昭氏

個人信用情報照会システムの導入要件としては次の点を比較・検討しました。

  1. KSCとJICCの両方に照会できること
  2. KSCとJICCの情報の重複判定ができること
  3. 判定資料を一目見るだけで概略の把握ができること
  4. パーソナルローン稟議システムとの連携実績があること

これらの要件に合致していること、そして視察やデモで拝見した使い勝手などを総合的に判断して、セイコーソリューションズの「L-CRIP」の導入を決めました。

— 「L-CRIP」の導入にあたり工夫されたことはありますか。

パーソナルローン稟議システムと「L-CRIP」の導入にあたり、審査フロー、審査基準を大幅に変更しました。
そして、今まで、営業店やローンセンターと審査部の両方で行っていた個人信用情報の照会をローンセンターに一元化するとともに、顧客データの入力を行う集中部署を新設しました。
「L-CRIP」を操作して、KSCとJICCへの個人信用情報の照会はローンセンター内の部署で集中して行います。しかし、実際の審査を行うのは営業店やローンセンターになりますので、照会結果を閲覧できるよう支店マスター、担当者マスターを設定したこと、ならびグループ会社である はましん信用保証ともシステムの連携を行い、パーソナルローン稟議システムを通じて「L-CRIP」でJICCの個人信用情報が照会できるようにしました。

「L-CRIP」とパーソナルローン稟議システムや当金庫内システムとの連携に関しては、パーソナルローン稟議システムでの実績があったこともあり、スムーズに構築できました。また、KSCとJICCへの申請や接続テストなどもセイコーソリューションズの協力のもと、スムーズに行うことができました。
また、今まで紙ベースで行っていた業務がシステム上で行われることになりますから、その業務フローの変更に関しての業務研修を実施しました。

4. 効果 審査精度の平準化を実現し、業務効率化にもつながる

— 「L-CRIP」の導入効果をお教えください。

「審査制度の標準化、業務効率化が図れました」と、池上太亮氏
「審査精度の平準化、業務効率化が図れました」と、池上太亮氏

①審査精度の平準化
以前は審査担当者の熟練度に頼っていた審査精度が、平準化できるようになりました。L-CRIPの場合、個人信用情報が独自の審査ロジックに基づいた簡易審査機能とともにコメント付で表示されますから、情報の読み込みに係わる時間がかなり短縮されました。KSCとJICCの情報の重複判定もされていますから、見誤りなどヒューマンエラーの防止にもつながっています。

②業務の効率化につながる
個人信用情報を照会するために、以前は専用端末を使用していましたので、そこで入力されたお客さまのデータを活かすことができず、当金庫内のシステムで再度入力する必要がありました。現在は、専門部署で入力したデータをそのままパーソナルローン稟議システム、L-CRIPで使用することができるようになり、業務の効率化につながっています。また、個人信用情報を含むすべての資料が電子化されましたので、ペーパーレス化が実現できただけでなく、コピー費用の削減にもつながっています。

③審査回答のスピード化
L-CRIPの導入により、必要な情報を的確に参照できるようになり、取引のないお客さまに対する事前審査に要する時間が大幅に短縮されました。特に住宅事業者経由でのお申込みに対する審査回答のスピード化が図られました。
本審査につきましては、情報の読み込みに関する時間が短縮された分、実際の審査にきちんと時間を割くようにしています。

5. 今後の期待 合併に伴う対応、新年号への対応などに期待

— 「L-CRIP」の今後の展開予定、また、「L-CRIP」、セイコーソリューションズに対してのリクエスト、期待などありましたらお聞かせください。

現在、パーソナルローン稟議システムは。住宅ローンに限った取り扱いとしていますが、今後、同システムで取り扱う商品範囲の拡大を検討して行く中で、L-CRIPの利用範囲も拡大して行くものと考えています。

また、当金庫は関係当局の許可が前提となりますが、2019年1月21日に磐田信用金庫と合併する方向で準備を進めております。合併に伴う対応、そして新年号への対応など多くの課題があります。それらに対して業務支援やアドバイスをいただければ幸いです。

野田様(中右)、伊藤様(中左)、池上様(右)と弊社・中居(左)
野田様(中右)、伊藤様(中左)、池上様(右)と弊社・中居(左)

浜松信用金庫様、本日はお忙しい中、貴重なお話をありがとうございました。

お客様プロフィール

浜松信用金庫
URL http://www.hamamatsu-shinkin.jp

※ 取材日時 2018年6月