右から 豊橋技術科学大学情報メディア基盤センター 准教授 土屋雅稔先生、助教 中村純哉先生、日立製作所 北村安之氏、日立ソリューションズ・クリエイト 西田瑞子氏

豊橋技術科学大学は、技術を支える科学の探究によって新たな技術を開発する学問、技術科学の教育・研究を使命とし、世界に開かれたトップクラスの工科系大学を目指しています。大学のアクセスの認証基盤システムの更改に伴い、ソフトウエアロードバランサー「Netwiser Virtual Edition SX-3990」の導入を担当された豊橋技術科学大学情報メディア基盤センター准教授 土屋雅稔 先生と助教 中村純哉先生、システム導入を担当された日立製作所 北村安之氏と日立ソリューションズ・クリエイト 西田瑞子氏に、導入の経緯と導入後の評価についてお話を伺いました。

  • 認証基盤システムでの利用のため、単一障害点を作らないシステム構築が必須だった。
  • 仮想基盤と親和性が高い仮想アプライアンスを選定する必要があった。
  • ソフトウエアロードバランサーの導入により、仮想基盤をベースに冗長構成を構築できた。
  • ハードウエア版と同等の機能を有するソフトウエアロードバランサーを選定することで、トータルコストダウンを実現できた。

1.【導入背景】認証基盤の可用性を重視して、システム設計を行うことになりました

豊橋技術科学大学 准教授 土屋 雅稔先生
安定・安心して使えるロードバランサーが必要で、国産メーカーという安心感もポイントでした。

ー ロードバランサーを導入した背景をお聞かせください。

これまでは認証基盤システムに加えて、メールシステムも同じシステムの中に置いていたため、可用性とパフォーマンス確保のため、ハードウエアアプライアンスのロードバランサーを利用していました。

今回のシステム更改に伴い、メールシステムをクラウド化することになったため、認証基盤としての可用性に重点を置いて、仮想アプライアンスも視野に入れてシステムを検討することになりました。

2.【経緯】コストダウンのためにソフトウエア版を検討

— ロードバランサーの導入を検討された目的をお聞かせください。

気象庁内見学施設
豊橋技術科学大学 助教 中村 純哉先生
ハードウエア版と同等のことができるソフトウエア版でコストメリットがありました。

認証基盤システムは重要なシステムなので、基本的に単一障害点を作らないポリシーで設計します。認証基盤システムではWebサーバーが2台必要で、さらに冗長化するためにはロードバランサーが必要になるのですが、ロードバランサーが単一障害点にならないようにロードバランサー自体を冗長化して、アクティブ/スタンバイ構成を取ろうとすると、高価になってしまう状況でした。

 

— Netwiserを検討された経緯をお聞かせください。

今回のシステム更改で冗長化対象のサービスはWebサーバーに限定され、パフォーマンスの重要度が下がったことで、これまでのようなハードウェアアプライアンスでの導入に限る必要がないのではと考えていたところに、ソフトウエアロードバランサーの「Netwiser Virtual Edition SX-3990」を紹介され、コストダウンも図れることがわかり、仕様の中に入れることになりました。

3.【決め手】仮想基盤への親和性と国産の安心感

気象庁_杉山氏-2
日立製作所 北村 安之 氏
仕様制限になっていた部分が半年くらいで対応されたことに驚きました。

— Netwiserの機能で良かった点をお聞かせください。

[1] ソフトウエアロードバランサー
ソフトウエア版のロードバランサーであることも決め手の一つでした。仮想基盤とその上で動作するシステムを別に調達していて、ライフサイクルがそれぞれ違うため、簡単に仮想基盤を移行できる仮想アプライアンスがよいと考えて、Netwiser Virtual Edition に たどりつきました。

[2] 国産ロードバランサー
以前、海外メーカー製のロードバランサーを使用していた時は、負荷分散処理のために若干スクリプトを書いていた部分がありました。
Netwiserシリーズはスクリプトを書く機能は持っていませんが、特定のURLだけ負荷分散対象に制限したり、https接続をhttp通信に変換したりする機能は実装されているため、よりシンプルな構成で要件を満たすことができています。また、何らかのトラブルが発生したとしても、日本国内でサポートを受けられるのは心強いという点も選定の一因となりました。

 

4.【導入効果】必要な機能を持ち、迅速に対応

— Netwiser導入後の評価をお聞かせください。

気象庁_杉山氏-2
日立ソリューションズ・クリエイト
西田 瑞子 氏
お客さまのニーズに機能追加で対応してもらえるので、助かっています

今回のシステムの中でNetwiser Virtual Editionは縁の下の力持ちという位置づけです。システム全体を支える土台として、これからもきちんと動いてくれればと思っています。
また、日立ソリューションズ・クリエイトはNetwiserシリーズのパートナー(代理店)として、「純国産ロードバランサー」を前面に押し出してプロモーションを行っているのですが、アプライアンス版でもやはり壊れにくくトラブルが少ないです。しかも、何か問題があっても応答が速く、真摯に対応してもらえます。他メーカーの製品ですと、ちょっとした修正に1年くらいかかることもあるので、Netwiserシリーズは迅速な対応をしてもらっていると感じています。

 

5.【今後の期待】きめの細かいアップデートに期待

— 今後の期待をお聞かせください。

別のロードバランサーでは、TLSの脆弱性に対応するためにはファームウエアのアップデートしかないということがありました。Netwiser
Virtual Editionでも保守的に避けられない問題になるので、対応待ちになるのかなと思います。
Netwiser Virtual Editionにはファームウエアを2つ持てるので、新しいファームウエアを導入して、そのまま再起動をかければ、30秒くらいで新しいシステムで立ち上げることができますので、きめの細かいファームウエアのアップデートをお願いします。

豊橋技術科学大学情報メディア基盤センター 准教授 土屋雅稔先生、助教 中村純哉先生、日立製作所 北村安之氏、日立ソリューションズ・クリエイト 西田瑞子氏

本日はお忙しい中、貴重なお話をありがとうございました。

お客様プロフィール

豊橋技術科学大学
URL https://www.tut.ac.jp/

※ 取材日時 2019年11月