愛知産業大学工業高等学校は昭和36年に創設され、「豊かな知性と誠実な心を持ち 社会に貢献できる人材を育成する」という建学の精神のもと日本の工業技術を支える専門教育を実施しています。2015年には中区伊勢山町に近代的なデザインの新校舎が完成し、ここで約950名の学生が電気・電子・機械の3科において知識の習得や資格習得を通して日々研鑽を行っています。
卒業生が贈呈する記念品としてNTPクロックを選ばれた理由や設置後の感想などをお聞きしました。

  • 教室や職員室などの時計の時刻が統一されず授業の準備や進行にストレスがあったほか教員が行う入試前の時刻補正も大きな負担だったが電波時計や設備時計は容易に導入できない。
  • チャイム用の親時計と同期できるNTPクロックを導入。既存Wi-Fi環境の活用により、卒業記念品予算内で速やかに46台の時計を校内に設置。学校生活の時刻系を統一し正確な時刻を維持できるように。

1.【導入背景】卒業記念品枠を活用してクオーツ時計の運用負荷を軽減することができないか検討を始めました

- NTPクロックを導入した背景をお聞かせください。

新校舎竣工時に校内に電波が入らない場所が存在しうると判断し、電波時計ではなくクオーツ時計を各教室に設置しました。時計の補正は担任が必要に応じて実施することにしていましたが、時刻ずれの頻度が予想より多く、時計によっては2~3分ずれることもあったため、毎年卒業生から贈られる記念品としてこの課題を解決できるものを導入できないか検討を始めました。

2.【経緯】教室や職員室など校内各所のバラバラの時刻が 学校生活や入試会場準備の大きな負担となっていました

— 新しい時計の導入を検討された経緯についてお聞かせください。

卒業生からの記念品として贈呈されるものは在校生の日々の学校生活において有用であると判断できるものを選定します。学校生活はチャイムで進行しますが、このチャイムと同期して常時正しい時刻を表示する時計の導入はこの点において非常に要件にかなっています。また、教室だけでなく職員室にも時計が3つ設置されており、表示時刻がばらばらだったため先生方が授業前の準備をするためにも正確な時計が求められていました。
さらに入試時にはすべての時計が正確である必要があり、これまでは一般枠と推薦枠それぞれの試験の前日に117の時報を校内放送で流し、試験会場の準備の一環として各教室の時刻合わせを教員数名で行っていました。日々の補正も含めこのような時計の運用が大きな負担となっていました。

— NTPクロックを検討された経緯をお聞かせください。

教室内に設置されているNTPクロック

設備時計は配線工事が必要だったことと、電波受信環境を考えると電波時計もその導入にはリピーターを併用せざるを得ないため設置と費用がかかることから導入には至りませんでした。ちょうどチャイムの時刻補正用にプログラムタイマー機能のある親時計を更新する必要があり、このタイムサーバー機能で時刻情報を配信できる時計を探しました。時刻情報の配信先としてNTPクロックがカタログで紹介されており、ウェブサイトをさらに検索して情報収集を行い無線LANモデルの導入を検討することになりました。

3.【決め手】既存のWi-Fi環境を活用することで初期コストを抑え1週間で46台すべての時計の設置が完了しました

— NTPクロックが優れていた点をお聞かせください。

チャイムの親時計と同期できる電気時計の導入も検討したのですが、後付けだと工事が必要であること、30台以上の時計を設置するには親時計の回路数を増やさなくてはいけないことがわかりました。一方、NTPクロックは校内に整備された無線LANを使用することで配線工事が不要になるので初期コストを抑え、速やかに設置できることが非常に魅力的でした。
校内の無線LANに接続する端末はすべてMAC認証をしているので事前設定は業者にお願いし、設置は学校側で実施しました。
全部で46台の時計が、教室のほか職員室や校長室、保健室、事務室、進路指導室などに設置されました。もともと掛けていた時計よりもサイズが大きいので一部はあらたな設置場所を決める必要がありましたが、それも含め1週間ですべての作業は完了しました。

4.【効果】時計の秒針とチャイムのタイミングが同期することで、授業の進行を調整しやすくなりました

—  導入後、どのようなメリットがあったかお聞かせください。

卒業の記念品選定は生徒の保護者に説明を行ったうえで最高学年の担任や各科の先生方に相談し、運営委員で最終決定をします。今回は校長先生も校内各所の時刻ずれを気にされていたことも後押しとなりNTPクロックの導入が決まりました。
3月に設置が完了し4カ月ぐらい経ちますが、秒針とチャイムのタイミングがしっかりと合っていて非常に気持ちがよいです。先生方は残り時間を考えながら授業を進行しますが、教室ごとに違う時計の時刻ずれを考慮せずにすむようになり授業展開のしやすさがかなり改善されています。また、放送室にも設置したのでチャイムと同期してお昼休みなどに校内放送を実施することができるようになりました。
さらにこれまで煩雑な作業だった手動での時刻補正が不要になった点も今回導入の大きなメリットです。今後電池交換の時期や方法などの運用を決めていく必要があると考えています。

5.【今後の期待】生徒にとって最適な学習環境を提供するために今後の運用や拡充も検討していきます

— 今後の期待をお聞かせください。

愛知産業大学工業高等学校 学年主任/教務主任 花畑光宏先生

生徒の健康管理および勉強に快適な環境を提供するためにも温度計や湿度計付きのモデルがあると非常にありがたいです。また電池交換の運用ルールについては今後の検討項目と言いましたが電池寿命の目安があるとその点で非常に助かると思います。現在は1日に1回の補正を行っているので5年以内に交換の必要はあると認識していますが、入試のタイミングで止まると困るのでいずれかのタイミングで確認や電池交換が必要と考えています。
またこちらの校舎から道路を挟んだ反対側に実習や体育の授業を行う別の校舎があります。こちらもWi-Fi環境が整備されましたらNTPクロックの設置を検討したいと思います。

 

                                 

 

 

 

 

 

 

本日はお忙しい中、貴重なお話をありがとうございました。

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※ 取材日 2022年7月