山崎製パン株式会社
人事本部 人事情報管理室 室長 堀井 隆一郎様(左)
人事本部 人事情報管理室 企画課 課長 高埜 裕士様(中)
人事本部 人事情報管理室 企画課 林 敏弘様(右)


山崎製パンは70年以上の歴史を持つ食品メーカーとして、北は北海道、南は熊本にいたるまで、全国28ヵ所に工場を配置し、新鮮なおいしさを毎日食卓にお届けしています。同社では勤怠管理システムの一環としてセイコーソリューションズの「システムタイムレコーダー TEシリーズ」を1994年に導入しました。その導入の経緯と効果について、同社人事本部 人事情報管理室 室長 堀井隆一郎様、人事本部 人事情報管理室 企画課 課長 高埜裕士様、人事本部 人事情報管理室 企画課 林 敏弘様にお話を伺いました。

  • 自社の勤怠システムに合ったタイムレコーダーを導入したい
  • 磁気カードなど既存の自社のインフラを活用したい
  • 行政の指針に適切に対応したい
  • ほぼリアルタイムで勤怠情報が収集できるようになった
  • 人事管理システムとのデータ連携が進められた
  • 人事業務の効率化に繋がった

1.【導入の背景】 自社の勤怠システムに合ったタイムレコーダーが必要

ー セイコーソリューションズの「システムタイムレコーダー TEシリーズ」を導入された背景について教えてください。

山崎製パン株式会社の本社ビル
山崎製パン株式会社の本社ビル
山崎製パンを中心とするヤマザキグループは70年以上の歴史を持ち、パン、和菓子、洋菓子をはじめ、ビスケット、キャンディー、チョコレートなど製菓類や、米飯、調理パン、麺類など高品質でバラエティー豊かな製品群を製造しています。 販売面では、量販店やコンビニエンスストアチェーン、ドラッグストアチェーン店などを通して全国の消費者に製品を提供しています。自社業態店としてコンビニエンスストアチェーンの「デイリーヤマザキ」や地域密着型小売店の「ヤマザキショップ」、ベーカリーカフェチェーンの「ヴィ・ド・フランス」やフレッシュベーカリーの「サンエトワール」など自社業態店の拡充と強化を図っています。 総合食品メーカーとして、グループ会社を国内40社、海外10ヶ国15社を有しており、お客様の求める新しい価値の創造とサービスの提供に最善の努力を続けています。 セイコーソリューションズから「システムタイムレコーダー TEシリーズ」を導入したのは1994年のことです。それまでは他社製のタイムレコーダーを当初使用していたのですが、弊社の勤怠システムに合わなくなりました。そこで、弊社の状況に合ったタイムレコーダーを探していました。

2.【導入の経緯】勤怠管理システムを問わずに対応が可能

「総合的に勘案してセイコーソリューションズからタイムレコーダーを導入しました」と、堀井隆一郎様

— 具体的にどういったタイムレコーダーを探されたのでしょうか。

当初導入した他社製のタイムレコーダーは、タイムレコーダーだけでなく勤怠管理システムとのパッケージになっていましたので、自社の勤怠システムを残したまま利用できるタイムレコーダーを探し始めました。セイコーソリューションズのタイムレコーダー以外に、別の会社のものを検討しましたが、こちらはタイムレコーダーと収集ソフトだけという対応がかのうなものの、磁気カードのデータレイアウトに制約がありました。
弊社ではすでに従業員証に磁気カードを使用しており、社内食堂や売店などでも利用していましたので、磁気カードのデータレイアウトの変更はできません。

— すでに磁気カードを幅広く活用していたわけですね。

そんな中、セイコーソリューションズのタイムレコーダーを検討したところ、タイムレコーダーと収集ソフトだけの導入が可能で、磁気カードのデータレイアウトはユーザ側で定義できるということでした。セイコーソリューションズのタイム&データ収集システムは後続の勤怠管理システムを問わずに対応が可能で、弊社が使用していた勤怠管理システムにも収集ソフトからデータ連携ができることが最大の決め手となりました。
また、他社と比較するとタイムレコーダー端末の価格も安価でしたし、使い勝手がよさそうでしたので、総合的に勘案して、セイコーソリューションズのタイムレコーダーを導入することとなりました。

3.【導入の決め手】 勤怠の運用を見直して導入を進める

— 実際の導入はどのようなかたちで進められたのでしょうか。

「勤怠の運用変更により、タイムレコードの導入を進めました」と、高埜裕士様

最初は3事業所と本社に導入しました。ところが磁気カードで勤怠を記録していくという方法は、社内でなかなか受け入れてもらえなかったのです。

— どのような理由で受け入れてもらえなかったのでしょうか。

導入当初の勤怠の仕様は、出勤、あるいは退勤ボタンを押して、磁気カードをタイムレコーダーに通した時刻をそのまま出勤・退勤時刻にするというものでした。
そうすると、当時は、今日と労働時間に関する考え方が異なっていたこともあり、工場では勤務前に食堂で食事するケースや、勤務後にシャワーを浴びるなど、タイムレコーダーの打刻と実際の勤務時間が合わなくなることが度々発生しました。そのため、実際の勤務時間に修正する手間が日々大量に生じていました。実際の出退勤時刻とタイムレコーダーを通すタイミングがずれる場合があるという、その頃の当社の実態に合わなかったのです。

— 企業文化となじまない部分は、どのようにして解消したのでしょうか。

システムである以上、まずは利用してもらうことが大前提なので、先行して導入した部署にヒアリングをして、どこがあわないのか、運用の不満はどこにあるのかを尋ねました。そしてその結果をもとにタイムレコーダーのの運用方法を変更しました。
その内容は、出社時には出勤ボタンを押して、上長に指示された出勤時刻をテンキーで入力するやり方への変更です。退社時も同様に退社ボタンを押して、テンキーで上長に指示された退社時刻を入力します。これはほぼ現在の運用と同じやり方です。

— 運用を変え、タイムレコーダーの普及を進めたわけですね。

そうですね。一方で、追い風といえることもありました。厚生労働省から「従業員の労働時間の把握については、客観的な手段で行うこと」という指針が示されたのです。つまり手書きでの把握はダメで、電磁的記録など客観的な記録で、となったのです。それまで頑なに紙で管理していた部門も多くあり、自分たちに不便がないこことからなかなか導入してもらえなかった部門でも導入が一気に進みました。そうして山崎製パン全事業所に導入が済んだのが1999年から2000年にかけてでした。

— その頃、人事管理システムの刷新も開始されていますね。

タイムレコーダー導入が一段落した2002年に、株式会社Works Human Intelligenceの「COMPANY®」という人事管理システムを導入し始めました。導入理由は、会社分割法や労働契約承継法などの成立を踏まえ、2000年頃より会社の分社化が世間的にも盛んになっており、ヤマザキグループでも分社化が行われるようになりました。
たまたまその頃、個人的にグループ全体を1つのパッケージで動かすというアイデアを持っており、統一した人事管理システムの導入を検討していました。このような分社化の流れの中、上層部の理解を得て、まずは分離・独立したグループ会社から進めていこうということで、2002年7月に「COMPANY®」を導入したのです。最初に導入したのはグループ会社4社で計7000名でした。
ちなみに勤怠管理システムについては、その当時各社違う仕組みでした。というのも、グループ全体のシステム統合を進めるには、まずはコアである人事給与システムをしっかり固め、そのデータをもとに勤怠システムを動かしたほうが長期的に見て得策であるという確信があったからです。

その後、徐々にグループ会社へ人事給与システムを導入し、山崎製パンには2009年に導入しました。こうして、人事給与システムの基盤がある程度整ったので、相前後して勤怠システムの統合を始めました。現在では人数ベースで人事給与システムはグループの9割以上(約7万人)、勤怠システムは8割(約6万人)を「COMPANY®」で管理しています。

セイコーソリューションズのタイムレコーダーは「COMPANY®」で既に他社事例があり、データ連携もスムーズに行えました。導入当時、データ連携について相談したところ、まったく問題がなかったことも「COMPANY®」の導入を後押しました。

4.【導入の効果】ほぼリアルタイムで勤怠情報を収集できる

— 「システムタイムレコーダー TEシリーズ」の導入効果を教えてください。

「ほぼリアルタイムで勤怠情報を収集できます」と、林 敏弘様

[1]ほぼリアルタイムで勤怠情報を把握できる。
タイムレコーダー導入当初、タイム&データ収集は1日1回だけでしたが、その後システム改善を図り、現在では1日48回、15~30分に1回集計を行っています。リアルタイムに近い間隔で収集できることで、その日の内に勤務実績を確認できたり、当日の在館情報の把握ができるようになりました。

[2]設定変更がオンラインでできる。
現在は全国に点在する約400台のタイムレコーダーを当社のデータセンターで管理する1台のサーバーで集める方式に変更しましたので、何か設定を変更したり、新しいタイムレコーダー端末に情報を入れる時も、すべてオンライン操作ができます。これにより、かつては端末1台1台を直接操作して行っていた設定変更もなりました。

[3]堅牢な端末を作りあげてくれたことに感謝。
さきほど申し上げました通り、タイムレコーダーの展開に際し、運用方法を工夫したのですが、それは端末の耐久性の想定を超えるものでした。当時のテンキーはセンサーの突起の上にシールを貼った仕様でしたが、出退勤時にテンキーで指示時刻を入力する運用にしたところ、3ヵ月でテンキーが動かなくなりました。想定使用回数を超えていたのです。
こちらからも改良の提案をさせていただくなど、セイコーソリューションズとともに試行錯誤し、テンキーを電卓等で使用するものにしたところ、故障はなくなり、安心して使える堅牢な端末になりました。
そこに行き着くまで、営業、技術の担当者の皆さんが真摯に、誠実に対応してくださったことに今でもたいへん感謝しています。

[4]現場での工夫に対応できる仕様。
ある工場で独自に工夫として、出勤と退勤のボタンを押すと連動して「出勤です」「退勤です」とスピーカーから音声が出せるようにしたことがあります。これはタイムレコーダーにリレー端子があることで可能になったことです。現在では、この改良はほぼ全社に行き渡っています。

山崎製パン本社に設置されているタイムレコーダー。左側にスピーカーも設置されている

5.【今後の期待】さらに導入が進む際のサポート、提案に期待

— 「システムタイムレコーダー TEシリーズ」の今後の展開、ならびにセイコーソリューションズに対してのリクエスト、期待などありましたらお聞かせください。

最近は、勤怠打刻はパソコンやスマートフォンの入力等、様々な方式がありますが、多数の従業員を抱え1人1台のパソコンがないような工場勤務では、従業員証とタイムレコーダーによる打刻は効果的であると感じております。まだタイムレコーダーを導入していないグループ会社もありますし、他社端末のリプレイスの相談もあります。そうした際にはセイコーソリューションズの「システムタイムレコーダー TEシリーズ」を推薦していますので、今後もさらに導入が進むものと思われます。そうした際のサポート、ご提案をよろしくお願いします。
また、勤怠情報のよりリアルタイムな勤怠システムへの登録については、新機種のご提案もいただいていますので、今後、検討を進めていきたいと思います。新たなご提案にも期待しています。

山崎製パン様、
本日はお忙しい中、貴重なお話をありがとうございました。

お客様プロフィール

◎山崎製パン株式会社
URL https://www.yamazakipan.co.jp

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※ 取材日時 2022年3月