一富士製麵所は1948年に愛知県知多市岡田地区で創業し、生麺・茹で麺の製造販売及び学校給食の麺類製造を開始しました。現在では大手コンビニエンスストアに調理麺・惣菜・スナック麺を届ける中食事業を軸とした企業へと成長し、売上を大きく伸ばしています。
2019年2月に稼動した新工場では、最新鋭の機器とHACCP管理体制のもと「安全・安心・美味しい」を追求した食品をお客様にお届けするため日々奮闘しています。

1.【導入背景】一日3便への対応は時間との戦いであり、特に夏は、生産ラインを高い稼働率で維持する必要があります。

- 工場内に時計を導入する背景についてお聞かせください。

生産管理の側面から、工場内では時刻を統一する必要があります。本工場では一日3回に分けて製品を出荷しています。需要に応じてこまめに発注することで商品を欠品させず、廃棄ロスも少なくするためのシステムですが、納品する立場としては毎日決められた時間までに商品を都度準備するのに時間管理は非常に重要です。特に夏の時期は年間の売上でも大きな割合を占めるざるそばや冷やし中華の需要が高くなるため、工場の生産効率がシビアに問われます。

2.【経緯】限られた時間内に複数の工程が連動して生産を完了するための最適な環境が実現できていませんでした。

— 正確な時刻が必要になるシーンについて具体的にお聞かせください。

生産ラインは複数の工程が連動する設計となっています。受注から出荷までの限られた時間で生産を行うわけですが、曜日や天候によって変動する注文数量に併せて、どのラインへ、いつまでに調理食材を届けるのか、作業段取りを組みなおさなければなりません。最終の盛りつけ作業は1ラインにつき15名程度が待機していますので、その段取りがうまくいかなければ手待ち時間が発生してしまいます。そのため工場内の時刻系を統一する必要性があり、2019年の工場竣工以来、様々な施策を実施してきましたが期待していた成果を得ることができませんでした。

— NTPクロックを検討された経緯をお聞かせください。

工場内に設置されているNTPクロック

新工場を建設する際に設備時計の導入を検討したのですが、初期コストがかさむことが判明し電波時計を設置しました。しかし電波を受信できない場所があったため、クオーツ時計を設置したところ部屋ごとに時計が少しずつずれる現象が起こり、やはり工場内で統一した時刻情報で生産管理を行うという当初の目的が達成されませんでした。
その後、Bluetoothで補正するタイプの時計も試しに購入してみましたが、やはり補正作業が必要であることに加え、現場で本当に時計どうしが同期する確証が得られなかったため本格的に導入することを見送りました。
電波時計用のリピーターも検討しましたが、広い工場内の複数個所に設置する必要がありその負担が大きいと考え、代替策を探していました。インターネット検索でNTPクロックの存在を知って、設置や補正の負担を減らせることを期待して導入を検討。

3.【決め手】既存のWi-Fi環境を活用し30台のNTPクロックを 導入することにより工場内の時刻を速やかに統一することができました。

— NTPクロックが優れていた点をお聞かせください。

生産管理システムに接続したハンディスキャナーで原料のバーコードを読み取るなど、工場内での作業にはWi-Fi環境が必要なので新工場ではあらかじめ整備をしていました。これを活用することで容易に設置できることが決め手となり時刻情報を配信するNaviClockとセットになったスターターパックでNTPクロックを30台導入しました。Wi-Fiの設定も含め、設置は1週間ぐらいで速やかに実施できました。
これまで工場内に設置していた時計は時刻ずれに気付いたタイミングで補正を行っていましたが、そのような作業が一切なくなり常に正しい時刻を参照することができるようになりました。

4.【効果】生産体制の効率化し、作業員の待ち時間を減らすことができたほか、労務管理も容易になりました。

—  導入後、どのようなメリットがあったかお聞かせください。

導入してから4カ月ぐらい経ちますが、正確な時刻が生産管理に大きく寄与していることを改めて実感しました。時計は各工程に2~3台、室内の広さに応じて設置台数を決めていますが、工場内で統一した時刻情報を使用しているので待ち時間が発生せず、効率よく商品を生産し納品することができるようになりました。また正確な時刻情報は労務管理の面でも重要です。これまでは正しい時刻が分からないため日報に記録する時刻に統一性がなかったり朝礼に遅れてしまったりするケースも見受けられましたが、こういったこともなくなりました。

5.【今後の期待】工場の生産性向上に向けた挑戦を継続しながら今後の事業展開に取り組んでいきます。

— 今後の期待をお聞かせください。

食品工場内の各製造プロセスでの導入をするということならば様々な温度や湿度などでも使用できる耐環境性あるモデルがより手頃な価格で販売されるとより導入しやすいと思います。広い工場には視認性のよいさらに大きな時計も欲しいです。
本工場では大手コンビニエンスストアの中部エリアの製造拠点として毎日商品を供給しています。2019年12月にHACCP(JFS-B規格)を取得しましたが、今後も安全安心を追及しつつ新しい事業の開拓も見据え、工場の生産体制を強化していきたいと考えています。需要の変動が激しい商品をお客様に確実に届けられる環境の整備には正確な時刻情報は必要不可欠であり、今回のNTPクロックの導入で得られた知見を今後の事業にも活用していきたいと思います。

(左から)株式会社一富士製麺所 執行役員 管理部長 松田晃治氏、管理部長代理 池延宏樹氏

 

本日はお忙しい中、貴重なお話をありがとうございました。

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株式会社一富士製麺所

※ 取材日 2022年7月