株式会社MonotaROMonotaROは事業者向け間接資材を販売するEC通販企業です。通販サイト「モノタロウ」で取り扱う商品数は1,900万点にも昇り、2022年末時点では日本国内累計800万のお客様が利用しています。今回は年率約20%の驚異的な成長が続く同社の物量増加と、物流の出荷・在庫保有能⼒の増強、物流の効率化を⽬的として新たに開設された猪名川ディストリビューションセンターでお話をお聞きしました。

1.【導入背景】より多くの商品を迅速にお客様のもとへお届けするために開設した新規大型物流センターに設置する時計としてNTPクロックを選択しました。

- 猪名川DCについて教えてください。

当社はこれまで2つの主要物流拠点(ディストリビューションセンター:DC)として西日本を網羅する尼崎DC(2022年閉鎖)、東日本を網羅する笠間DCを中心とした運用を行ってきましたが、事業拡大を背景に2022年4月には3つ目の猪名川DCの稼働を開始しました。2023年に稼働を予定している第2期エリアも含めると延床面積は19万4000㎡にもなる当物流センター開設の大きな狙いはビジネス成長を支えるキャパシティの拡大にありますが、同時に免震構造の施設の整備による従業員の安全確保およびBCPの強化や、自動搬送ロボットAGVおよびその専用エレベーターなどの設備投資によって自動化をさらに促進し、より効率的なオペレーションを実現する側面もあります。これまでの物流センターでの経験から自動補正する時計の必要性を実感していたため今回ここに設置する時計としてNTPクロックを選択しました。

2.【経緯】これまでのセンターでの時刻ずれの経験から新しい物流センターへの電波時計の設置は現実的ではないと考えました。

— 今回なぜNTPクロックの導入を検討されましたか

拠点に設置されたNTPクロック

これまでのセンターではクオーツ時計や電波時計を導入していましたが時刻ずれが頻繁に発生していました。電波時計の場合、時刻がずれている時計を取り外し、外にしばらく置いておくなどして時刻合わせをする必要がありますが、2か月に1回はこの補正作業が必要であること、また時計の設置場所によってはこの作業が難しい場合もあり、時刻が統一されているとは言えない状況でした。センター内部は非常に広く、時計の設置数も多いので運用の手間をなくして、正しい時刻が分かるようにするには電波の届かないような場所でも自動補正可能な時計を導入する必要がありました。

— なぜ時刻を統一する必要性があるのでしょうか

センター内には拠点と呼ばれる集合場所が各所に設置されており、入荷・出荷・在庫管理・運営サポート等の各グループに所属する従業員は始業時や作業終了時にここで点呼をとり当日の作業場所やその内容の確認、報告を行います。拠点によって時刻がバラバラになっていると勤務時間や休憩時間がずれてしまい不公平感が生じます。チャイムも鳴るのですが多数の機械が稼働している環境では聞き取りづらく、実際に休憩時間になったことに気がつかず作業を継続してしまうケースもありました。現場にはスマートフォン等個人の電子機器は持ち込まないほか、腕時計を外す人も多いので、どこで作業をしていても正しい時間を目視で確認できる時計を設置する必要がありました。

3.【決め手】既存の無線LAN環境を活用することにより時刻のずれない時計を速やかに設置することができました。

— NTPクロックを選択した理由をお聞かせください。

電波時計では設置場所によっては時刻ずれが発生することはこれまでの経験から分かっていたので対策が必要でした。リピーターによって電波時計を補正することも考えましたが、広いDC内に時計が点在しているため導入台数が多くなり、コストに見合わないことがわかったほか、シャッターの開閉など室内環境の変化で自動補正が行われなくなってしまう可能性も懸念されました。ウェブ検索でNTPクロックを見つけ、笠間や茨城などの物流拠点でまず5台ずつ試験的に設置したところ、非常に好評だったため猪名川DCでは本格導入に踏み切りました。現場作業でハンディターミナルやタブレット、プリンタを使用することを想定し、無線LAN環境をあらかじめ構築していたのでこれを利用することができたのも大きなポイントでした。

4.【効果】従業員がいつでもどこでも正しい時刻を確認できるようになり作業時間を正確に捕捉できるようになったので労務管理の懸念が払拭されました。

—  導入後、どのようなメリットがあったかお聞かせください。

猪名川DCでは最大でアルバイトを含む700名程度の従業員が同時に作業を行います。今回拠点や作業場の中央などに25台のアナログ型無線LANモデルの時計を設置しました。DC内が非常に広く移動時間もかかることから、これまでは従業員が拠点の集合時間に間に合わないケースもありましたが、現在はどこにいても正しい時刻を見て確認できるのでそのようなこともなくなり、従業員が残り時間に合わせて作業ペースを配分できるようなったほか、各自で自分の正しい勤務時間を確認できるようにもなりました。既存の無線LAN環境を活用して短期間に設置することができたことも合わせると設備管理コストや労務管理コストの面で大きな成果となったと考えています。

5.【今後の期待】DC増強に合わせ時計の設置台数を増やすとともに新たな商材としてお客様にも薦めていきたい。

— 導入後のお気づきの点や今後の期待をお聞かせください。

当社の成長戦略にはDCの拡大が必須です。猪名川DCは2022年4月20日に第1期が本格稼働を開始しており、2023年には第2期稼働を予定しています。その他にも新たな物流拠点の設置も視野に入れ、さらなる出荷能力や生産性の向上を図りたいと考えています。NTPクロックの導入には非常に満足しており、標準品として社内システムに登録しましたので今後も物流拠点の増強に合わせて設置が進む見込みです。今回の導入では無線LANの設定に時計1台当たり15分程度を要したため、一度実施した設定情報をテンプレート化して追加導入分については効率よく行えることが望ましいです。また広い作業場に設置する場合には視認性確保のためさらに大きな直径60~80センチ程度のもののほか、消防法上危険物に該当する商材を保管する危険物倉庫内にも設置できる、不燃材で防爆仕様などのモデルもあればうれしいです。
NTPクロックの販売も始めました。これまでのところ試験的に1~2台購入し、追加で必要台数購入するケースが多く見られます。実際に利用している立場からも自信を持ってお勧めできる商品です。

【左手前】物流部門 猪名川運営サポートグループ グループ長 川尻善一氏 【右奥】 IT部門 物流システムグループ 野村太一氏

 

本日はお忙しい中、貴重なお話をありがとうございました。

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※ 取材日 2022年11月