企業の飲酒運転防止にはアルコールインターロックが効果的

「アルコールチェック義務化への対応はすでに行っているが、出張時や直行直帰時、早朝・深夜の点呼が形骸化していないか?」といった不安を抱いている担当者もいるでしょう。
従業員の性善説に頼った運用では「隠れ飲酒」や「測定漏れ」を100%は防げず、万が一の際の企業責任追及を免れられないリスクがあると言えます。
そこで、管理者の努力や従業員の意識改革に依存しない、「飲んだら物理的にエンジンをかけられない」といった仕組みの導入が、担当者と会社を守る新たな有効手段だと考えられます。
本記事ではそのような仕組みの導入によって、飲酒運転を抑止するための策を詳しく解説しますので、どうぞ最後までお読みください。
企業の飲酒運転対策に潜む「形骸化」の罠
2022年から段階的に拡大されたアルコールチェック義務化により、多くの企業がアルコール検知器を導入し、酒気帯び運転の有無を確認する体制を整えているでしょう。
しかし、現場において、次のような「管理の死角」の発生は否定できません。
例えば、直行直帰や出張時のアルコールチェックの形骸化の懸念がその一つです。対面でのチェックができない場合には、電話・ビデオ通話による代替手段が認められているものの、電話・ツール越しでは「本当に本人が測定したのか」「身代わりではないか」という疑念を払拭できないでしょう。
つまり、「性善説」には限界があると言えるのです。アルコールチェック義務違反に対し、社内で厳しい罰則を設けても、前日の飲酒の残りや「少しなら大丈夫」といった個人の過信を、運用フローだけで完全に封じ込めることは困難だと考えられます。
「記録簿は残しているが、アルコールチェック実施の一部が形骸化している状況を否定できない」というのは、企業にとってコンプライアンスリスクとなるのです。
飲酒運転が発覚した際の企業責任
ひとたび飲酒運転事故を引き起こしてしまったとしたら、その代償は一人の担当者の手に負えるものではなくなると想定されます。
社会的信用の失墜
企業のロゴを背負った車両での事故が、瞬時にSNSやニュースで拡散されたとしたら、取引先からの契約解除や、採用活動への悪影響など、ブランドイメージの崩壊は免れないでしょう。
法的責任と行政処分
法令違反を理由として、運転手本人に対する処罰はもちろん、企業としても「安全運転管理者」の解任や、車両の使用停止処分を受ける可能性があります。
さらに、「運行供用者責任(自動車損害賠償保障法第3条)」に基づき、多額の損害賠償金を請求されるケースも珍しくないと言えます。運行供用者責任とは、事業のために車両の運行責任を負っている企業が、事故を引き起こした責任を追うという考え方です。
民法|e-Gov法令検索
事故を引き起こしてしまった後、再発防止策の策定や社内調査、警察などへの報告、さらには全従業員への厳しい再教育など、膨大な業務の増大を避けられないと想定されます。「あのとき、確実な対策を講じていれば」と後悔しても、起きてしまった事故を消すことはできないのです。
飲酒運転を物理的に遮断する「アルコールインターロック」
これまで述べてきたような「管理の死角」や「性善説の限界」を根本から解消する手段として、「アルコールインターロック」という仕組みの導入が推奨されます。
「意識」ではなく「機械」で止める
アルコールインターロックとは、アルコールチェック結果と車両のエンジン始動ロック解除を連動させられる仕組みです。
運転前に呼気検査を行い、基準値以上のアルコールが検知された場合には、物理的にエンジン始動ロック解除ができなくなります。
物理的な強制力がもたらす3つのメリット
前日の飲酒によるアルコール分の残りに運転者本人が気づいていなくても、機械が検知すれば車は動かせません。管理者の目を盗んで運転しようとする不正も、物理的に不可能になります。
「飲んだら、車が動かない仕様である」ことが周知されていれば、そもそもの飲酒運転のリスクを低減できます。従業員に事故を引き起こさせないための、企業としてのリスク管理でもあると言えます。
「物理的に飲酒運転が不可能な仕組みを導入している」という事実が、企業の安全管理義務を果たしているという強い証明にもなり得ます。
アルコールインターロック搭載の車両管理システム「Mobility+」
セイコーソリューションズ株式会社の車両管理システム「Mobility+」は、アルコールインターロック機能を搭載した製品です。
アルコールチェックをクリアしなければ、エンジンの始動ロックを解除できない仕組みを導入できるため、社用車の飲酒運転を物理的・強制的に抑止することが可能になります。
また「誰が、いつ、どの車でアルコールチェックを実施して、運転したか」がクラウド上に自動記録されるため、手書きの管理簿やExcelへの転記作業から解放されるでしょう。
アルコールチェックの結果と走行ログは、クラウドで一括管理されます。報告漏れや改ざんのリスクを排除し、監査にも即座に対応できるクリーンな管理体制の構築につながります。
企業の飲酒運転防止に関してよくある質問
企業の飲酒運転防止に関してよくある質問をまとめました。
Q1.アルコールチェックの対象となる企業は?
A1.緑ナンバー車両(運送業・旅客業)保有企業だけではなく、白ナンバー車両を一定台数以上使用している企業も義務化の対象です。
具体的には、以下のいずれかに該当している事業者が対象となります。
- 乗車定員が11人以上の白ナンバー車を1台以上保持している
- それ以外の白ナンバー車を5台以上保持している
営業車や配送車だけでなく、従業員を送迎するためのバスなども含まれる点を理解しましょう。
対象となる企業は「安全運転管理者」を選任し、運転前後のアルコールチェック記録を1年間保存する義務もあります。
Q2.アルコールチェックは役員や、運転しない人も対象ですか?
A2.役職に関わらず「業務として運転する人」全員が対象となります。アルコールチェックの実施対象は、その車両を運転する「運転者」個人に紐付くものです。
そのため、役員であっても自ら社用車を運転して移動する場合はチェックが必要です。その一方で、車両に同乗するだけで運転を行わない人は対象外となります。
重要なのは「誰が運転席に座るか」であり、たとえ短時間の運転であっても、業務の一環であれば例外なく実施しなければなりません。
「厳しい指導」よりも「スマートな仕組み」でリスクから企業を守る
企業の飲酒運転防止において、従業員の意識改革や手動による点呼といったソフト面の対策だけでは、限界があると考えられます。直行直帰や深夜・早朝の業務などに潜むリスクをゼロにするのは難しいためです。
しかし、アルコールインターロックのように物理的な強制力を持つ仕組みを導入することで、管理の悩みを解決できるでしょう。
「飲んだらエンジンをかけられない」というルールがシステムとして定着することで、管理者は「従業員を疑う」といった精神的負荷から解放されます。従業員もまた、「飲酒運転のリスク」から守られることになるでしょう。
飲酒運転防止策を「コスト」として捉えるのではなく、万が一の際に問われる運行供用者責任から会社を守るための「未来への投資」としてぜひご検討ください。
下記のようなお悩みはありませんか
- アルコールチェックが大変
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