1.【導入の背景】 効率的で、利便性が高い勤怠管理システムが必要
- 勤怠管理システムをセイコーソリューションズから導入した背景をお教えください。
さんわグループでは今日、正社員・パート・アルバイトを併せて約850名の従業員が働いています。特に店舗においてはパート・アルバイトの比率が高く、その勤怠管理は以前からの課題でした。
セイコーソリューションズから勤怠管理システムを導入する前は、紙のタイムカードに打刻をするタイムレコーダーを使用しており、そこからUSBメモリを使って基礎データを抜き取り、メールで管理本部に送っていました。
管理本部では送られてきたデータを変換し、勤怠状況とデータ内容との確認を行い、計算をかけて給与ソフトにデータを移管していました。
導入前の従業員数は約650名程度でしたが、当時は管理部門総出で6~7名が丸3日をかけて、ほぼ手作業で集計作業を行っていました。基礎データの確認は、本来店長の業務ではありますが、店舗が多忙な場合には、見落としや確認もれなどがあり、実際には管理本部で基礎データと勤務状況を突き合せる確認作業を行っていました。
この期間は他の予定は入れられない期間となってしまっており、効率的、利便性が高いシステムがないかを探していました。
2.【経緯】 ワークスケジュールの取り込みと開示が必須要件
— 新たな勤怠管理システムはどのようにして導入されたのですか。
現在、セイコーソリューションズから導入した「勤怠管理システム」を各店舗並びに本社・工場に導入し、タブレット端末を使って、出社・退社・休憩時間などを入力しています。
この導入のために2013年の春頃から4社と商談をさせていただきました。
弊社からの要件としては、
- ワークスケジュールの取り込みと開示ができること
- こちらの要望する計算並びに数字の丸め方、データの出し方ができること
- 残業のアラートが出せること
が主な内容になります。
その中でも重視したのがワークスケジュールの取り込みと開示でした。
— ワークスケジュールに関して具体的な内容をお教えください。
外食産業の場合、パート・アルバイトの方は曜日によって勤務時間や勤務中の休憩時間などが異なります。そして勤務時間中に誰が何をやるのか、例えば、レジを2時間担当した後、厨房に入るといったことも、日によって変わってきます。この勤務予定(何日の何時から何時まで勤務)と勤務中の業務内容の見える化を図るものがワークスケジュールです。 以前は紙ベースでのシフト表と基本となる業務スケジュールはありましたが、店舗ごとに営業時間が異なったり、季節による変動値(季節調整値)があるため、実際には貼られているだけで、誰がいつ何をするのかといった詳細までは把握しきれないのが現状でした。 それは管理本部にとっても同様で、各店舗の基本的なシフトと業務スケジュールは把握していても、実際にいま誰が何の業務を行っているのかはわかりませんでしたし、スタッフの急な休みなどもあり、管理本部では誰が出社していて誰が休みなのかを正確に把握できていませんでした。 店舗にとっても管理本部にとってもワークスケジュールの取り込みと開示は必要なものだったのです。
— システムの選定についてはどのように行われましたか。
前述の要件で各社に打診しましたが、パッケージソフトで対応できる内容ではなかったため、カスタマイズの開発を提案してくれたセイコーソリューションズだけが残るかたちとなりました。先の要件だけでなく、店舗の売り上げ並びに予実管理、人件費比率なども基幹システムと連繋して店舗で見ることができるシステムとしました。
— 出退社時間の打刻を含めたシステムの運用端末として、タブレット端末を使用するようになった理由をお聞かせください。
ICカードによる出退社時間管理、パソコンでの打刻、POSを利用しての管理などのさまざまな方法とそれらを運用した場合のランニングコストを検討した結果、タブレット端末を使用することになりました。弊社の店舗は百貨店や商業施設に出店しているため、十分なバックヤードはなく、限られたスペースに設置できること、そして出店している百貨店や商業施設で1店舗としていますが、実際には1つの商業施設で精肉、総菜、飲食など複数店舗を出店しているケースも多く、拠点ごとに設置しやすいものであることも重要でした。
3.【決め手】 カスタマイズ開発の提案力でセイコーに
— セイコーの勤怠管理システムを導入された理由をお聞かせください。
セイコー以外はパッケージソフトでの対応がほとんどで、開発によるカスタマイズの提案をしてくださったのはセイコーソリューションズだけでした。ですから、自然とセイコーソリューションズに決りましたね。
こちらからの要件に対して、さまざまな提案をいただきながら導入を進めました。勤怠管理システムと言いながら、売上や人件費比率といった経営データも同じ端末から参照できるようにするなど、従来の勤怠管理システムのイメージを超える開発内容もありましたが、弊社の要望に対して真摯に対応し、開発・導入を進めていただきました。
2013年6月頃からカスタマイズ開発を始め、11月には完成し、テストなど経て全店舗並びに本社・工場で導入したのは2014年からです。
4.【効果】 店長だけでなく店舗スタッフの意識が向上
— 勤怠管理システムの導入効果をお教えください。
①店舗スタッフの意識が変わりました。
誰もがワークスケジュールを見れるようになり、自分が何をするのか、そして周りの人が何をしているのかが分かり、職務の計画性の質が大きく向上しました。店舗の売上などの経営データもガラス張りとしパート・アルバイトでも閲覧できますので、仕事に取り組む意識も大きく変化しました。また、今日、そして次の出勤日に自分が何をすればいいのかがワークスケジュールで把握できますので、新人でも指示を待たずに自分の職務に就くことができるようになりました。
②店長の経営的感覚の養成に役立ちます。
店長は今まで以上に正確な数値で店舗の経営状況を捉えることができるようになりました。管理面では、パート・アルバイト各人の勤務状況や残業時間などが把握できますので、緊急時の人員配置などがスムーズにできるようになりました。常に最新の経営データを閲覧できますので、より計画的な店舗運営に役立っています。
③管理本部での集計時間が軽減されました。
前述のように、導入前は6~7人で丸3日間かかった集計作業が、現在では2人で2日あれば終了するようになり、担当者に任せることができます。以前は私自身も集計をする一員としてカウントせざるを得なかったため、その期間は他のアポイントや予定を入れることができませんでした。現在では要所を見るだけですから必ずしも社内に留まる必要がありませんので、本来の業務、たとえば人材採用などのさまざまな機会損失を防ぐことにつながっています。
④蓄積されたデータを分析・活用して、店舗運営や研修などに役立てられます。
ワークスケジュールを中心としたデータを蓄積することで、似た立地にある店舗同士を比較検討したり、新たな店舗の運営方法の指針などにつなげられる他、事例として店長研修などでのデータ活用も行っています。
【勤怠管理システムの画面例】
5.【今後の期待】 利便性の部分はまだまだ追求したい
— 勤怠管理システム、そしてセイコーソリューションズに対してのリクエスト、期待などありましたらお聞かせください。
利便性に関しては、まだまだ追求できる部分があるのではないかと考えています。例えば基礎データで、店長が行う確認作業が仮に30分かかっていたものを半分にできれば、その時間で他の業務を行うことができます。
最終的にはこの勤怠管理システム上で給与明細まで見られるようになればいいと考えています。
今後ともカスタマイズ開発への対応、そして新たな使い方やなどツールも含めたご提案に期待しています。
さんわグループ様、本日はお忙しい中、貴重なお話をありがとうございました。
お客様プロフィール
○ さんわグループ
URL http://www.sanwa-grp.co.jp
※ 取材日時 2016年1月