「従業員が飲酒運転で捕まった場合、会社にはどれくらいの責任が及ぶのだろうか?」

このような疑問を持つ企業の担当者も多いのではないでしょうか。飲酒運転は、運転者本人の問題であるだけでなく、企業活動全体に深刻な影響を及ぼす重大なリスクです。

本記事では、飲酒運転が企業に与える具体的なリスクから、法律で定められた企業の責任、そして飲酒運転を確実に防止するための対策までを詳しく解説します。

従業員の飲酒運転で企業が負う責任と知っておくべき対策を解説

「従業員が飲酒運転で捕まった場合、会社にはどれくらいの責任が及ぶのだろうか?」

このような疑問を持つ企業の担当者も多いのではないでしょうか。飲酒運転は、運転者本人の問題であるだけでなく、企業活動全体に深刻な影響を及ぼす重大なリスクです。

本記事では、飲酒運転が企業に与える具体的なリスクから、法律で定められた企業の責任、そして飲酒運転を確実に防止するための対策までを詳しく解説します。

飲酒運転における企業の責任

飲酒運転が起きた際、企業はさまざまな責任を負わなければなりません。以下では、刑事責任・民事責任・行政責任の3つに分けて解説します。

刑事責任

道路交通法の第六十五条「酒気帯び運転等の禁止」では、「何人も、酒気を帯びている者で、車両等を運転することとなるおそれがあるものに対し、車両等を提供してはならない」と記載されています。

これは、飲酒をした本人だけでなく、車両の運転を許可した企業にも責任があることを意味しており、3年以下の懲役又は50万円以下の罰金が課せられる可能性があります。

出典:「道路交通法 第六十五条

民事責任

民法715条「使用者等の責任」には、「ある事業のために他人を使用する者は、従業員がその事業の執行に際して第三者に加えた損害の賠償責任を負う」と記載されています。

また、自動車損害賠償保障法3条「自動車損害賠償責任」により、運行供用者は運行によって他人を死傷させた場合、これによって生じた損害賠償責任を負わなければなりません。

出典:「民法715条

出典:「自動車損害賠償保障法3条

行政責任

飲酒運転における企業の行政責任とは、事業活動に関連して従業員が飲酒運転を起こした際、企業そのものが行政当局から受ける処分です。

特に、貨物運送業などの事業者が従業員の飲酒運転を防ぐための指導監督義務を怠っていた場合、一定期間の車両使用停止処分や事業停止処分が科されることがあります。

飲酒運転の基準と罰則

続いて、飲酒運転の基準と実際の罰則を紹介します。

酒気帯び運転

酒気帯び運転は、「呼気中アルコール濃度0.15mg/L以上」の状態で、身体にアルコールが残っているまま運転することです。

呼気中のアルコール濃度によって違反点数や処分が変わり、3年以下の懲役または50万円以下の罰金、免許停止(90日~)などが課されます。違反点数は、13点~25点です。

酒酔い運転

酒酔い運転はアルコール濃度に関わらず、正常な運転ができない状態での運転を指します。具体的には、まっすぐ歩けない、呂律が回らないなど、運転ができないと判断できる状態で車を運転していることです。

酒酔い運転と判断された場合は、5年以下の懲役または100万円以下の罰金、免許取消2~3年などが課されます。違反点数は酒気帯び運転よりも多い、25~35点です。

出典:「道路交通法 第六十五条

飲酒運転が起きた際に企業が取るべき対応

飲酒運転が起きた際、従業員に対して企業が取るべき対応は、軽いものから順に以下の通りです。

  1. 戒告
  2. 譴責
  3. 減給
  4. 出勤停止
  5. 降格(降職)
  6. 諭旨解雇
  7. 懲戒解雇

上記は下に行くほど重い処罰となり、就業規則などに記載されている場合は懲戒解雇も可能です。懲戒解雇は、企業が取るべき対応の中で最も重い処罰となります。

特に、人身事故などトラブルの規模が大きい場合は、それだけ重い処罰を検討しなければなりません。会社への影響、被害などを踏まえて正しい対処を心がけることが大切です。

飲酒運転が企業に与える3つのリスク

従業員の飲酒運転には、さまざまなリスクがあります。ここでは、特に注意すべき3つのリスクについて見ていきましょう。

1. 法的な責任と重い罰則

原則として、飲酒運転をした従業員だけでなく、車両を提供した企業や管理責任者も「両罰規定」により罰則の対象となります。

道路交通法では、運転者に対する罰則(懲役・罰金)に加え、車両提供者や酒類提供者にも同様の罰則が科せられるため、注意が必要です。悪質な場合は、事業許可の取り消しや営業停止処分を受ける可能性もあります。

出典:「道路交通法 第六十五条

2. 企業ブランドの失墜と社会的信用の喪失

従業員の飲酒運転事故は、企業の社会的信用を大きく傷つけてしまいます。企業名が公表された場合は、顧客や取引先からの信頼を失い、事業継続が困難になるケースも少なくありません。

法的なリスクだけでなく、信用の損失や取引先への影響など、会社としてのリスクも考慮する必要があります。

3. 莫大な損害賠償と経済的損失

飲酒運転による事故は、高額な賠償責任が発生する可能性が高いものです。

賠償金だけでなく、事業の停止や従業員の解雇、そして再発防止のためのコストなど、多岐にわたる経済的損失を被ることになりかねません。

飲酒運転防止の鍵は「アルコールチェック」

企業にとって大きなリスクを伴う飲酒運転を防止するためには、アルコールチェックの徹底が欠かせません。ここでは、アルコールチェックの概要と企業が講じるべき具体的な措置を解説します。

法律改正によるアルコールチェック義務化

2022年4月の道路交通法施行規則の改正により、一定台数以上の白ナンバー自動車を使用する事業所では、運転前後のアルコールチェックが義務化されました。

また、2023年12月1日からアルコール検知器を用いたアルコールチェックが義務化されています。これは、飲酒運転による痛ましい事故の根絶を目指すための重要な措置です。

企業が講じるべき具体的な措置

アルコールチェックの実施において、企業が講じるべき具体的な措置は以下の通りです。
  • アルコール検知器の準備
  • 記録の保存
  • 目視での確認

業務前に運転者にアルコール検知器を使用させ、酒気帯びの有無を確認します。検査の日時、運転者名、車両、結果などを記録して1年間保存しましょう。

アルコール検知器によるチェックに加え、運転者の顔色や呼気の匂いなど、目視でも確認することが大切です。

出典:「道路交通法施行規則 第九条の十

その他の飲酒運転防止策

続いて、アルコールチェック以外の飲酒運転防止策を見ていきましょう。

従業員教育を徹底する

従業員教育は、飲酒運転防止の土台となります。単に「飲酒運転はダメ」と伝えるだけでなく、アルコールが運転能力に与える影響や、飲酒運転の危険性を具体的に示す研修を実施してください。

たとえば、飲酒状態を擬似体験できるゴーグルを使用したり、過去の痛ましい事故例を共有したりすると、従業員自身の問題として深く理解を促すことが可能です。

定期的な研修を通じて飲酒運転の社会的責任や法的罰則の重さを再認識させ、一人ひとりの安全意識を高めましょう。

就業規則の見直しや周知などを行う

就業規則は、企業が示す飲酒運転防止への強い意思表示です。飲酒運転を行った場合の懲戒処分(解雇など)を明確に記載し、全従業員に周知徹底しましょう。これだけでも、違反行為に対する厳しい姿勢を明確に示せます。

また、業務時間外の飲酒に対しても、社用車や自家用車での通勤前後の飲酒を禁止するなど、業務に関連する範囲で具体的な制限を設けることも有効です。こうした規定を設けることで従業員の自覚を促し、業務内外を問わない飲酒運転の根絶を目指します。

企業が飲酒運転防止策を確実に実行するためのポイント

社内ルールの明確化と周知徹底

飲酒運転を根絶するには、まず社内規定を明確に定め、全従業員に周知することが不可欠です。就業規則に飲酒運転に関する懲戒規定を明記し、厳しい罰則を設けることで従業員一人ひとりに「飲酒運転は絶対に許されない」という意識を持たせられます。

また、新入社員研修や定期的な安全運転講習を繰り返し実施し、アルコールの影響や飲酒運転の危険性を継続的に教育することも重要です。

確実なアルコールチェック体制の構築

アルコールチェックの徹底は、飲酒運転防止の要です。 出社時だけでなく、業務で車を運転する前にも目視とアルコール検知器による二重チェックを欠かさず行いましょう。

直行直帰の従業員など、対面でのチェックが難しい場合は、ビデオ通話を利用した遠隔チェックや、GPS情報と検知結果を紐づけられるサービスを導入するなど、状況に応じた確実な確認方法を検討することが大切です。

管理業務の効率化とペーパーレス化

手書きやExcelでのアルコールチェック記録は、記入漏れや改ざんのリスクが高く、管理も煩雑になりがちです。この課題を解決するには、デジタルツールを活用したペーパーレス化を検討しましょう。

記録を自動で保存・一元管理できるシステムを導入すれば、管理者の負担を軽減できるだけでなく、記録の信頼性も向上します。さらに、記録漏れや異常値をリアルタイムで検知・通知する機能を活用すれば飲酒運転を防止し、管理業務の効率化を図ることが可能です。

飲酒運転の防止にはアルコールインターロックがおすすめ

飲酒運転の防止には、アルコールインターロックがおすすめです。この機会に、ぜひ導入を検討しましょう。

アルコールインターロックとは

「アルコールインターロック」とは、運転前にドライバーの呼気中のアルコール濃度を測定し、基準値を超えた場合に車両のエンジンが始動しないよう制御する装置のことです。

飲酒運転を物理的に防止することを目的として開発された安全装置で、飲酒運転による交通事故の削減に有効な手段として、国内外で普及が進められています。

導入のメリット

アルコールインターロックを導入する最大のメリットは、飲酒運転を物理的かつ強制的に防止できることです。単なる飲酒運転の撲滅に留まらず、企業のコンプライアンス強化や信頼性向上など、多岐にわたるメリットが得られます。

アルコールを検知した場合は車が始動しないため、効率よく飲酒運転を防げます。

飲酒運転防止なら車両管理システム「Mobility+」

上記で解説した対策を一つひとつ手作業で実行するには、限界があります。そこで有効なのが、セイコーソリューションズが提供する車両管理システム「Mobility+」です。

Mobility+はアルコールインターロックをはじめとした、アルコールチェックの義務化に確実に対応し、飲酒運転を防止するための機能を備えています。

アルコール検知器との連携機能

Mobility+は、指定のアルコール検知器と連携することができます。測定結果を自動でシステムに記録できるため、手間がかからないのが強みです。

運転者は、測定結果をスマートフォンから簡単にシステムに送信できるため、遠隔地からでも確実なチェックが可能となります。アルコールインターロック機能も搭載されており、アルコールが検知された場合はエンジンが始動しません。

アルコールチェック記録の一元管理

測定日時、運転者名、車両情報、結果などをシステム上ですべて一元管理できるのも大きなメリットです。

法律などで義務付けられた記録の保存も自動で行われるため、管理者が今まで抱えていた負担が大幅に軽減します。

デジタルキー機能も便利

スマートフォンを車の鍵として利用するデジタルキー機能により、鍵の受け渡しが不要になるのも魅力です。

従業員の直行直帰もスムーズになります。

飲酒運転防止で企業の安全と信頼を守ろう

飲酒運転は、運転者個人の問題だけでなく、企業全体を巻き込む重大なリスクです。

「Mobility+」のような車両管理システムを導入することで、アルコールチェックの義務化に確実に対応し、飲酒運転を未然に防ぐための強固な体制を構築できます。ぜひこの機会に、Mobility+を検討し、自社の飲酒運転防止対策を見直してみましょう。