運転日報の作成は法律で義務?目的や効率化するポイントを解説

「運転日報を毎日書くのが大変」
「そもそも法律で義務付けられているの?」
「手書きでの管理が煩雑で効率的にしたい」
企業の車両管理担当者や安全運転管理者の中には、このような悩みを持つ方も多くいます。運転日報は単なる記録ではなく、「もしもの事態」に備える重要なものです。
本記事では、運転日報が法律上どのような位置づけにあるのかを解説し、作成する目的や記載すべき内容、日々の管理業務を大幅に効率化する方法について詳しく紹介します。
運転日報とは
運転日報は、事業用自動車の運転者が運行ごとに記録する法定書類を指します。基本的には発着地、出発・帰着時刻、走行距離、休憩時間、主な経由地、運行中の特記事項などを記載するものです。
運転日報は労働時間の適正管理、安全運転の確保、車両の整備状況把握、万一の事故発生時の状況確認などに役立てられています。法律に基づき作成・保管が義務付けられており、企業の安全管理体制を示す重要な記録の1つです。
運転日報の義務化に関する法律
運転日報の作成は、さまざまな法律によって義務付けられています。
道路交通法施行規則による義務
道路交通法施行規則では、「乗車定員11人以上の自動車は1台以上、それ以外の自動車は5台以上を使用している事業所」を対象に、安全運転管理者等の選任や運転日報の作成を義務付けています。
2023年12月からはアルコール検知器によるチェックも義務化されており、それぞれの結果を記録しておく必要があります。保管義務は、1年間です。道路交通法施行規則では、主に白ナンバーが対象となります。
出典:「道路交通法施行規則 第二章の四」
貨物自動車運送事業輸送安全規則による義務
国土交通省の認可を受けた一般貨物自動車運送事業者は、貨物自動車運送事業輸送安全規則により、運行管理者の選任や運転日報の作成が法律で義務付けられています。
これは荷物の積載状況、ドライバーの健康状態を把握するために必須です。道路交通法施行規則と同様に、1年間の記録保存義務があります。こちらでは、主に緑ナンバーの車が義務の対象です。
出典:「貨物自動車運送事業輸送安全規則 第三節」
労働基準法による保存義務
労働基準法第百九条では「労働関係に関する重要な書類を5年間保存すること」と定められています。
運転日報自体は1年間の保存義務ですが、可能であれば5年の保存が望ましいでしょう。
出典:「労働基準法 百九条」
運転日報の作成における安全運転管理者の選任義務
続いて、運転日報の作成には欠かせない安全運転管理者の選任義務について解説します。
安全運転管理者とは
道路交通法施行規則により、5台以上(定員11人以上の自家用車は1台以上)の社用車を保有する事業所は、安全運転管理者を選任しなければなりません。
安全運転管理者は、運転者の状況把握や運転日報の管理、安全運転指導など、車両管理全体を担います。安全運転管理者には、以下のような選任に関する要件も定められているため、注意が必要です。
- 20歳以上
(副安全運転管理者が置かれる場合は30歳以上) - 自動車の運転の管理に関し2年以上の実務の経験を有する者等
過去2年以内に安全運転管理者の解任命令を受けた者、違法行為をした過去のある者なども選任の対象外です。
安全運転管理者等の選任の届出義務
安全運転管理者等を選任した際は、選任した日から換算して15日以内に都道府県公安委員会に届け出なければなりません。
届け出が遅れると登録などがスムーズにいかず、思わぬトラブルにつながるケースもあるので、必ず期日を守りましょう。
安全運転管理者の義務
安全運転管理者の義務としては、以下のようなものがあります。
- 運転者の状況把握
- 安全運転確保のための運行計画の作成
- 長距離、夜間運転時の交代要員の配置
- 異常気象時等の安全確保の措置
- 点呼等による過労、病気その他正常な運転をすることができないおそれの有無の確認と必要な指示
- 検知器などによる運転者の酒気帯びの有無の確認
- 酒気帯びの有無の確認内容の記録・保存、アルコール検知器の常時有効保持
- 運転日誌の備え付けと記録
- 運転者に対する安全運転指導
アルコールチェックは目視などでの確認のほか、検知器などを用いた正確なチェックも必須です。事故やトラブル防止のためにも、徹底しましょう。
出典:「道路交通法施行規則 第二章の四」
運転日報の作成義務を怠った場合の罰則
運転日報の作成義務を怠った場合の詳細な罰則はありませんが、作成に伴って選任する必要のある安全運転管理者については、以下のような罰則があります。
- 安全運転管理者を選定していない場合:50万円以下の罰金
- 安全運転管理者を選定しているが未届けの場合:5万円以下の罰金
罰則を受けるのはもちろん、会社としての信用を失う可能性も非常に高いため、普段から記録と保管を徹底することが大切です。
出典:「道路交通法」
緑ナンバーと白ナンバーの違い
運転日報の作成は、緑ナンバーも白ナンバーも対象です。それぞれのナンバーには、以下のような明確な違いがあります。
| 緑ナンバー | 白ナンバー | |
|---|---|---|
| 輸送時の金銭 | 受け取る | 受け取らない |
| 主な使用目的 | 運送 | 営業 |
| 車両例 | 荷物の運搬トラック タクシー ハイヤー 路線バス・観光バス 霊柩車 |
一般家庭の車 営業車 自社製品の運搬用トラック 従業員の送迎バス |
同じトラックでも、自社製品の運搬用トラックで他社から運賃を受け取っていない場合は白ナンバーですが、運搬料を受け取って荷物を運ぶトラックは緑ナンバーです。
バスも同様に、輸送時に金銭を相手から受け取るかどうかで異なります。
運転日報を作成する3つの目的
運転日報の作成には、以下3つの目的があります。
- 法令遵守と責任の明確化
- 安全運転の確保と指導
- 業務効率化とコスト削減
それぞれ詳しく解説します。
法令遵守と責任の明確化
運転記録を残しておけば、道路交通法で定められた安全運転管理義務を果たしていることを、いつでも証明できます。
万が一、事故や交通違反が発生した場合、運転日報の情報から運転者を特定し、責任の所在を明確にできるのがメリットです。
安全運転の確保と指導
日々の運転記録(走行時間、休憩時間、走行距離など)から、無理な運行や危険運転がないかをチェックすることも可能です。
記録を基に、個々のドライバーに合わせた安全運転指導や注意喚起も行なえます。普段から適切な指導ができれば、事故やトラブルを未然に防げるでしょう。
業務効率化とコスト削減
運転日報によって走行距離や給油記録などを正確に記録しておくと、車両ごとの燃料費やメンテナンス費用を把握できます。
日報データを集計・分析すれば、無駄な運行がないか、車両台数が適切かといった見直しにつながり、コスト削減のヒントを得られるのもメリットです。
運転日報の作成・管理でよくある課題
運転日報の作成には、手間や時間がかかるといった課題がいくつかあります。
手書き・Excelでの作成・管理が非効率
運転日報を作成する際、運転者は毎日手書きで項目を記入する手間が発生し、記入漏れやミスが起こりやすくなります。
管理者側も提出された日報を一つひとつ確認しなければならず、手作業で集計・入力する必要があり、膨大な手間と時間がかかる点が大きな課題の1つです。
リアルタイムでの状況把握が困難
紙の日報は、提出されるまで内容が確認できず、リアルタイムでの運行状況を把握できないため、万が一の事態への対応が遅れるリスクが高まります。
必要な情報を精査するまでに時間がかかり、その間に被害が大きくなってしまう可能性も少なくありません。
アルコールチェックの記録管理が煩雑
2022年4月から段階的に義務化されたアルコールチェックは、運転日報と合わせて記録・保存が推奨されています。
しかし、紙の運用では日報とアルコールチェックの記録が別々になり、管理がより煩雑になりやすいため、注意が必要です。
運転日報管理の課題を解決するポイント
運転日報の管理における多くの課題を解決するためには、必要な項目を明確にしたり、管理を効率化したりするのがおすすめです。
以下で、詳しいポイントを見ていきましょう。
法律上の要件を満たす必須項目を明確にする
運転日報に記載すべき項目は法律で定められており、それぞれの法律に基づいて安全管理に必要な項目を必ず記録する必要があります。
【道路交通法施行規則】
- 運転者名
- 運転の開始及び終了の日時
- 運転した距離
- その他自動車の運転の状況を把握するため必要な事項
【貨物自動車運送事業輸送安全規則】
- 運転者等の氏名
- 事業用自動車の自動車登録番号
- 発車・到着地点と日時
- 主な経過地点及び業務に従事した距離
- 業務交替時の地点・日時
- 休憩・睡眠時の地点・日時
- 貨物の積載状況、集貨地点・日時等(車両総重量が8t以上または最大積載量が5t以上の事業用自動車の運行業務に従事した場合)
- 著しい運行の遅延その他の異常な状態が発生した場合の概要及び原因
ただし、上記はいずれも最低限の項目となります。必要に応じて記録する項目は増やし、安全に配慮しながら管理することが大切です。
出典:「道路交通法施行規則 第二章の四」
出典:「貨物自動車運送事業輸送安全規則 第三節」
運転日報の作成・管理を効率化する
紙やExcelから脱却し、デジタルツールを活用することで、管理業務を大幅に効率化することが可能です。デジタル化による効率化には、以下のようなメリットがあります。
- 運転日報の自動作成で記入の手間とミスをなくす
- データの一元管理によって利用状況を常に把握できる
- 紙の削減でペーパーレス化が進む
記入のミスをなくし、管理を楽にできるだけでなく、ペーパーレス化によるコスト削減も叶います。
運転日報を効率化するなら「Mobility+」
上記で解説した課題をまとめて解決に導くのが、セイコーソリューションズが提供する車両管理システム「Mobility+」です。
Mobility+は、「運転日報の自動作成」や「アルコールチェック結果の記録」など、運転日報に関わる業務を大幅に効率化し、安全管理体制を強化する機能が豊富に揃っています。
運転日報の自動作成機能
GPSを利用して、車両の位置情報や走行記録を自動で取得します。これにより、運転日報の大部分が自動で作成されるため、手書きやExcel入力の手間は不要です。
管理者は、自動作成された日報をシステム上で簡単に確認・管理ができます。
アルコールチェック結果の一元管理
Mobility+は、指定のアルコール検知器と連携し、測定結果を自動でシステムに記録することができます。
運転日報とアルコールチェックの記録をまとめて管理できるため、記録漏れを防げるだけでなく、管理業務が格段に楽になるのが大きなメリットです。
安全管理とコスト削減も同時に実現
走行データから、無駄なアイドリングや急発進・急ブレーキといった危険運転を可視化し、データに基づいた安全運転指導が可能になります。
稼働率が低い車両を特定し、車両台数の適正化やコスト削減につなげられるのも特徴です。
運転日報の管理を効率化して、より安全な運行体制を構築したい企業担当者の方は、ぜひ「Mobility+」の導入を検討してください。
運転日報を効率化して安全・安心な車両管理を
本記事では、運転日報が法律上「義務」であること、そしてその作成が安全管理にとって不可欠な理由を解説しました。
手書きやExcelでの非効率な管理は、業務負担を増やすだけでなく、法令違反のリスクも高めてしまいます。
車両管理システム「Mobility+」を導入すれば、運転日報の自動作成やアルコールチェックの一元管理ができ、日々の業務を大幅に効率化することが可能です。安全で効率的な車両管理体制を構築するためにも、ぜひ導入を検討してください。

