調達DXコラム− 経営に貢献する調達に向けて −


コラム第一回
見落とされてきた「調達の力」の可能性
調達・購買と聞くと、多くの経営層は、単なる物品の発注やコスト削減を想像するかもしれない。しかし、調達の役割はそれだけにはとどまらない。現代のビジネス環境において、調達は企業の競争力を根本から高める経営レバーのひとつであり、これをどのように活用するかが企業の成長と成功に大きく関わるのである。
「調達」と「購買」という言葉には明確な違いがある。調達は、企業が外部から必要な資源を戦略的に選定し、取引条件を最適化する活動を指す。一方、購買は、その決定を実行に移すオペレーショナルな活動である。多くの日本企業が、目の前の業務を優先し、調達よりも購買にリソースを割いてきた結果、調達が持つ経営への真のインパクトを見落としてきた。しかし、調達の力を最大限に活用すれば、企業は単なるコスト削減以上の効果を得ることが可能となる。
調達購買
活動
調達業務
- 調達戦略
- 見積
- 価格交渉
購買業務
- 発注
- 支払
経営への
インパクト
大
小
日本企業
の現状
調達の力を最大限に活用するとどのような効果が期待できるだろうか。例えば、調達業務の戦略的転換と強化によって、企業は数十億円から100億円以上の収益への貢献を実現できる可能性がある。これは、調達が持つ潜在力の大きさを示している。
調達

- 調達コスト低減
-
原価低減
その他の外部支出の低減
- 売上拡大
-
製品の最適な市場投入による販売機会獲得
- イノベーション
-
サプライパートナーとの協力強化により、
イノベーションの加速、製品開発サイクルの短縮化
- ブランド価値向上
-
持続可能性に則った調達は、消費者の信頼を獲得し、
ブランド価値向上も期待可能
調達の力を最大限に活用するにあたっては、重要なポイントがある。調達の真価を引き出すためには、購買業務にリソースを集中させるのではなく、調達業務にリソースをシフトする必要がある。購買業務の効率化をデジタルツールやプロセス改善で実現し、そこで得られたリソースを調達業務に再配分することで、調達の戦略的価値を最大化することが可能になる。この「リソースシフト」を成功させるためには、調達部門任せにせず、経営層はリーダーシップを発揮し、全社に調達をキーにした変革の方向性を示し、調達業務に高い専門性とスキルを持つ人材の配置サポートをするなど、積極的な関与が不可欠になってくる。

調達を経営戦略の一部として捉え、その潜在力を解放することは、現代のビジネス環境で成功するための不可欠な要素である。経営者が調達の戦略的価値を理解し、全社的な取り組みとして調達改革を推進することで、企業は不確実性の高い市場環境においても持続可能な競争力を確立し、成長を続けることが可能となるであろう。
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