調達DXコラム− 経営に貢献する調達に向けて −


コラム第九回
高度化に向けた調達機能への外部取引先の巻き込み
これまでのコラムにて企業が持続的に成長し、競争力を維持するためには調達機能の高度化が不可欠であると述べてきた。今回はその中でも重要な「サプライヤーを含めた生態系全体の最適化のための巻き込み」を取り上げる。

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サプライヤーコミュニケーションの高度化
サプライヤーを巻き込むために段階を経てコミュニケーションを強化していく必要がある。
まずは統括的な窓口を自社側に設置してサプライヤーの情報を集約する組織構造を構築する。そして、収集した情報をデータベース上で可視化する。
業務的な観点からは、サプライヤーの評価指標を策定し、サプライヤーとともに改善していくプロセスの構築が必要となる。
買い手と売り手の相互認識に基づく関係性の構築
買い手視点の一方的な要求押しつけ型の関係性構築ではサプライヤーを含めた生態系全体の最適化にはつながらない。
サプライヤーの視点や声を取り入れ、戦略的パートナーとして相互利益を追求する関係性を構築する。そのために経営層が重要サプライヤーと対話し、信頼関係を築く方法もある。
サプライチェーン“Re”エンジニアリングによる構造改革
昨今の調査などにより「サプライヤーのインシデントの発生率は、Tier 1サプライヤーよりもTier 2やTier 3のサプライヤーで起こることが多い」ことが分かってきている。Tier 2やTier 3のサプライヤーに問題があった場合は、Tier 1はもちろん買い手側企業も責任が問われ、信用低下に直結する。
よって、サプライヤーを含めた生態系全体にはTier 2やTier 3のサプライヤーも含まれるという意識をもって取り組む必要がある。
サプライヤーを巻き込む上での経営リーダーシップ
冒頭で、サプライヤーコミュニケーションの高度化のため、調達部門を総合窓口とすることを提議した。それぞれの主管部門が独自のやり方でサプライヤーとコミュニケーションをとってきたものに対して、プロセスや体制を見直すには抵抗が発生することも少なくない。
重要サプライヤーに対しては経営層が直接会話し、自社戦略やビジョンを共有することで、サプライヤーとの相互認識に基づく関係性が深まり、共通の目標に向かって協力する体制を強固にすることができる。
サプライヤーの生態系全体をどのように最適化し、調達機能を高度化するかという具体的な進め方とインサイトを次回のコラムにて述べたい。
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