1.【導入背景】手動による時刻調整は運用の負荷が高く、信頼性にも課題を感じていました。
- 時刻同期環境の導入検討を行った背景をお聞かせください。
2.【経緯】時刻同期サービスの存在を知り、時刻同期環境の整備の再検討を開始しました。
― クローズドモバイルNTPを検討されたきっかけについてお聞かせください。
時刻同期ソリューションの提案は長年受けていましたが、前出の理由で導入に踏み切れずにいました。建物の改修を機に改めて検討を進める中で、Interop Tokyo 2023において、セイコーが同サービスを提供していることを知りました。従来のアプライアンスサーバー導入に比べ、機器を自社で所有する必要がなく、GPSアンテナの設置も不要であるなど、いくつかのメリットがあることが分かり、導入を検討し始めました。
― クローズドモバイルNTPの導入までの経緯をお聞かせください。
2024年4月には電波調査を実施し、問題がないと判断されました。6月には翌年度の予算計上時にクローズドモバイルNTPの予算を確保し、10月に契約を締結しました。11月中旬に機器が納品され、12月から運用を開始しました。機器到着からサービス利用開始までは非常にスムーズで、事前に初期設定されたタイムサーバーとルーターを電波調査済みのデータセンター内に設置し、接続後に電源を入れセイコーの監視サービス開始の連絡を行うだけで、すぐに運用を開始できる点も印象的でした。
3.【決め手】アプライアンスサーバの導入と比較して、設備投資や運用の負荷が軽減されました。
― クローズドモバイルNTPが優れていた点をお聞かせください。
まず、時刻同期サービスとしてハードウェアがレンタルで提供されるため、自社資産として保有する必要がなく、設備投資の負担が軽減されます。また、物理的な工事を最小化でき、建屋や配管への大がかりな工事が不要である点も、大きな導入メリットのひとつでした。さらに、導入コストがリーズナブルで、年間費用の見通しが立てやすく、費用対効果が高いと感じました。加えて、ハードウェアのファームウェアのアップデートはセイコー側で対応してくれるほか、機器の交換も適宜行われるため、更新作業の負担も削減される点が魅力でした。
4.【導入効果】定期的なレポートで問題なく運用できていることが 確認できて安心です。
― 導入後、どのようなメリットがあったかお聞かせください。
申し込みから1か月で導入が完了し、スムーズに時刻同期環境を整備することができました。おかげさまでシステムの証跡が正確に管理され、運用の信頼性が向上しました。これまでの2か月間で2回のレポートを受け取っており、順調に運用が進んでいます。セイコー側でも監視が行われ、SLAが継続的に満たされていることを定期レポートで確認できており、安心感につながっています。またオンプレミスとしての導入ではないので10年ごとのケーブル工事や設備更新が不要となり、長期的にもコスト面でのメリットを期待できると考えています。
5.【今後の期待】高精度な時刻同期環境を整備できたことを踏まえ、今後のサービス拡充にも力を入れていく予定です。
― 今後の期待をお聞かせください。
今回の設定情報をセイコー側で管理し、ハードウェアの入れ替え時に自動で適用できるコンフィグバックアップサービスがあれば、より長期的に便利に運用できると期待しています。また、時刻同期環境を整備できたことで、白山データセンターのお客様に対しても時刻同期サービスを展開できるか検討を始めています。お客様ごとにハードウェアを分けることは現実的ではないため、必要最小限のサーバーでサービスが展開できるようマルチテナント対応のサービスと多ポート搭載のハードウェアがセイコーより提供されればサービス化の検討もさらに一層具体化すると思っています。
※ 社名および記載されている内容は、取材当時のものです。現在の情報とは異なる可能性がありますのでご了承ください。
※ 記載されている社名、製品名等は各社の商標または登録商標です。