1. DMM.comラボについて
ー 御社の概要についてお聞かせください。
株式会社DMM.comラボは、DMM.comのシステム開発からマーケティング、フルフィルメント、カスタマーサポートなどのサイト構築・運用を一手に担う企業です。DMM.comのサービスは、ストリーミングや動画配信のサービスが多く、1つのサービスで10~20台のサーバーを必要とするため、数千台規模のサーバーが稼働しています。
2.タイムサーバー導入の目的と経緯
— タイムサーバーを導入された目的をお聞かせください。
タイムサーバーを導入するまでは、参照用NTPサーバーとして、外部のNTPサーバーと自社データセンター内のNTPサーバーが混在している状態でした。その結果、システムによって時刻の参照先がバラバラであったため、統一的なうるう秒対策を講じるのが困難な状況でした。
そこで、時刻の参照先を統一し、うるう秒対策を行うために、タイムサーバーの導入を検討することにしました。
— タイムサーバーを導入された経緯をお聞かせください。
2012年7月のうるう秒挿入時は個別対応を行っていたのですが、世間では問題が発生していたこともあり、2015年7月のうるう秒を迎えるためには対策が必要との声が社内で上がっていました。いくつかの対策を検討・検証したものの、結果に確証を持つことができずにいるところで、セイコーソリューションズの営業さんと話す機会がありました。
紹介されたタイムサーバーは「アジャスト調整機能*」を持っていて、きちんと動作検証ができたこと、また時刻ソースが豊富で価格もリーズナブルなことから、「TS-2210」を導入することに決めました。
*設定された時間をかけて、一定の割合で時間を遅らせて、うるう秒実施時に1秒の調整を行う機能
— 他社製品と比較して、タイムサーバー が優れている点をお聞かせください。
[1]うるう秒対策(アジャスト調整機能)
弊社ではうるう秒対策として、NTPクライアントとなるサーバーがLeap Indicator(LI)を受信しないことを徹底しています。
そのため、「TS-2210」のアジャスト調整機能を使用することで、サーバー側の設定を気にすることなく、うるう秒に対応することができています。
実際に、2017年1月1日のうるう秒挿入時は、「TS-2210」の予備機準備や当日の待機などの体制を組みましたが、全く問題ありませんでした。
[2]豊富な時刻ソース
タイムサーバーの導入時にいろいろな時刻ソースを検討しましたが、設置を予定していたデータセンターで問題なく電波の受信ができたFMモデルを選定しました。
標準付属品の室内アンテナで受信できていますので、GPSアンテナや電話回線を敷設する手間などもかからずに設置できました。
実際のアンテナ設置時は受信感度を得るために少し苦労しましたが、設置後は全く問題なく稼働しています。
3.タイムサーバー導入後の評価
— タイムサーバー導入後の評価をお聞かせください。
「TS-2210」の検討時は、非常に短期間での検証と納品が必要だったのですが、検証機の準備やリードタイムの短縮など、担当営業さんが頑張ってくれたおかげで、うるう秒のタイミングで運用を開始することができました。その後の2度のうるう秒挿入も、想定通りの動作をしてくれましたので満足しています。
また、「TS-2210」導入時に、Stratum階層の整備と各サービス用サーバーの参照先の統一もでき、シンプルな構成にすることができています。一番の課題としていたうるう秒対策も問題ないため、現状の「TS-2210」の2台構成(1台は予備機)を4台構成にすることで、配信する時刻の精度と冗長性を上げていきたいと考えています。
4.今後の期待
— 今後の期待をお聞かせください。
「TS-2210」は、非常にリーズナブルな価格設定で満足していますが、タイムサーバーのラインアップの中で、上位モデルでのFM対応や廉価モデルでの複数ポート対応などを実現してもらえれば、さらに導入に向けたモチベーションを上げることができると思います。
また、セイコーソリューションズの製品には、「TS-2210」以外にも、コンソールサーバー「SmartCS」やEthernetOAMを利用した監視システムなどがあって、非常に興味深い要素を深堀りしたリーズナブルな製品を提供してくれるメーカーというイメージがありますので、これからも興味深い製品を提供し続けてもらいたいですね。
最後になりますが、「TS-2210」については継続的なファームウェアのアップデートとNTPに関する情報提供をお願いします。
本日はお忙しい中、貴重なお話をありがとうございました。