インターネットを介して情報の拡散や商取引ができる時代となるのに伴い、そのデジタルデータが本物であることを証明する方法(デジタルエビデンス)がビジネスの場で求められています。
本コラムでは、2000年の事業立ち上げから長年タイムビジネス事業に関わってきた柴田が、タイムスタンプや電子署名、e-文書法対応をはじめ、デジタル情報の真正性証明の最前線を解説いたします。

DFFT(データ・フリー・フロー・ウィズ トラスト)とトラストサービスについて

DFFTとは、Data Free Flow with Trust(信頼ある自由なデータ流通)の頭文字をとったものです。

2019年1月23日に行われた「ダボス会議」で安倍晋三首相は「成長のエンジンはもはやガソリンではなくデジタルデータで回っている」、そして「新しい経済活動には、DFFT=Data Free Flow with Trustが最重要課題である」と提言しました。単なる、データ流通ではなく、トラストのある自由な流通です。
そして、6月29日G20大阪サミット首脳宣言においても、「データや情報等の越境流通は、生産性の向上、イノベーションの増大をもたらす一方で、プライバシー、データ保護、知的財産権及びセキュリティに関する課題を提起、これらに対処することにより、データの自由な流通を促進し、消費者及びビジネスの信頼を強化する。DFFTはデジタル経済の機会を活かすものである」と提言しました。

デジタルデータは、痕跡もなく改ざん、ねつ造が可能で、プライバシー、データ保護、知的財産権及びセキュリティに関する課題への対処ができなければ大変なリスクとなります。
これからの社会は、いかに正確な情報を入手できるかにかかっていると言っても過言では無いでしょう。これが、Data Free Flow with Trustのコンセプトだと思います。

トラストサービス

DFFTのコンセプトを実現するには、

  • 正確な相手認証
  • 誰もが納得する情報の完全性

を確認できる基盤の構築が必要となります。この基盤こそがトラストサービスです。

トラストサービスは、「デジタル時代の新たな IT 政策大綱」(令和元年6月7日内閣IT総合戦略本部)に「安心・安全なデータ流通を支える基盤となるトラストサービス(データの存在証明・非改ざん性の確認を可能とするタイムスタンプや、企業や組織を対象とする認証の仕組みなど)」と記載されています。
また、「世界最先端デジタル国家創造宣言・官民データ活用推進基本計画」の改定(令和元年6月14日閣議決定)では、「Society 5.0の実現に向けては、ヒト・組織・ネットワークにつながるモノの正当性の確認やデータの完全性の確認を行うための仕組みであるトラストサービスが必要となる。」と、DFFTのコンセプトでSociety5.0の実現にむけて、トラストサービスの役割が期待されています。

 

  • タイムスタンプについてはこちら
  • 長期署名クラウドサービスについてはこちら

※本コラムは、大塚商会様で2016年3月に掲載されたものに加筆・修正し、掲載させていただいています。
※セイコーサイバータイムのサイトにてタイムスタンプ・電子署名などに関するコラムを掲載しています。併せてご利用ください。

関連製品

サイバータイムソリューションサイバータイムソリューション

認定タイムスタンプ、電子署名などをはじめとするソリューションで、電子データの証拠能力を高め保証します。

著者プロフィール

柴田 孝一

セイコーソリューションズ株式会社
DXソリューション統括部 部長

1982年 電気通信大学通信工学科を卒業し、株式会社第二精工舎(現セイコーインスツル株式会社)に入社。
2000年にタイムビジネス事業(クロノトラスト)を立ち上げ、2013年にはセイコーソリューションズ株式会社の設立と共に移籍。
タイムビジネス協議会 (2006年発足時より委員、2011年より企画運営部会長)を母体としたトラストサービス推進フォーラムを2018年に立ち上げ、現企画運営部会長。
専門分野は、タイムビジネス(TrustedTime) 論理回路設計・PKI・情報セキュリティ。

■トラストサービス推進フォーラム 企画運営部会長
■タイムビジネス信頼・安心認定制度 認定基準作成委員
■UTCトレーサビリティJIS原案作成委員会(JISX5094)委員
■総務省WRC15宇宙分科会構成員
■総務省トラストサービス検討ワーキンググループ構成員
■令和元年度「電波の日・情報通信月間」関東情報通信協力会長表彰
■『概説e-文書法 / タイムビジネス推進協議会編著』(NTT出版)共著
■『帳簿保存・スキャナ保存』完全ガイド(税務研究会出版)監修

講習実績

  • 「もらった領収書をスマホ撮影!?規制緩和の内容や最新動向をご紹介します」
    2年連続で規制緩和となった電子帳簿保存法のスキャナー保存について、要件を満たした運用手順や、実際の電子化手法などを中心に紹介
    https://www.seiko-cybertime.jp/solution/document/
  • ITU/BIPM WorkShop“Future of International Time Scale“(2013年9月)
  • TSP Compliance Info-Day(2015年12月)