株式会社アット東京は、2000年の会社設立以来、データセンター業界のリーディングカンパニーとして、最高水準の設備インフラとともに、高度な設備保安技術を活用した24時間365日の安定稼働によるデータセンターサービスを提供し続けています。今回は、お客様に新たに提供されるNTP配信サービス「NTP(stratum1)サービス」を立ち上げるために、「Time Server TS-2560」を採用いただいたアット東京のソリューション本部 ネットワークサービス部長 小浦場 恒人氏、課長 江副 順也氏、課長 小椋 祐也氏に「TS-2560」の導入の経緯と導入後の評価についてお話を伺いました。

  • お客様の要望であるNTP配信サービスを早急に立ち上げる必要があった。
  • NTP配信サービスを行う上で、うるう秒の対策方法の検討が必要だった。
  • 検証・構築・サービス開始の各フェーズでの手厚いサポートで迅速に安定したサービス提供ができた。
  • アジャストモードの利用で、うるう秒を気にする必要がないサービス仕様を作れた。

1.【導入背景】高精度な時刻配信サービスのためにstratum1のタイムサーバーが必要でした

- NTPサーバーを導入した背景をお聞かせください。

お客様から「NTP配信をするようなサービスを提供してもらえないか」という要望があり、新規サービスの検討を始めました。一般的には、高精度な時刻配信のためには、お客様自身でGPSアンテナを立ててNTPサーバーを設置する必要がありますが、アット東京としてインフラを構築して既存のサービスの中で提供できれば、お客様は自社設備を持たなくても希望のタイミングで使い始められるので、 NTP配信のためにタイムサーバーを利用することを考えました。

2.【経緯】セキュアで高精度なNTP配信サービス提供

江副 順也氏
サービス提供したい時期が決まっていたので、そのスケジュール感に合うように対応してもらえて、大変助かりました。

— NTPサーバー導入を検討された目的をお聞かせください。

お客様からはインターネットに接続できないオンプレミスの接続環境で閉域網から接続することを求められたほか、より高精度な時刻配信のためには経路の揺らぎが少ない環境が必要ということで、データセンター内の相互接続サービスATBeX※経由でstratum1のNTPサーバーを使ったNTP配信サービスを検討することになりました。アット東京ではATBeXに代表される種々のサービスを整備しています。現在データセンターをご利用のお客様は通信事業者などが提供する10 種類以上のサービスをATBeXを経由して利用できるのですが、このNTP配信サービスが新たにそれらに加わります。お客様にはお申し込みから数日でNTP配信サービスを利用していただけるようになります。

※ATBeX(AT TOKYO Business eXchange、アットベックス)は、アット東京のデータセンター内で各事業者が提供しているサービスの利用や企業システム間の相互連携など、多様化する接続を効率的に提供するプラットフォームサービス。

— Time Serverを検討された経緯をお聞かせください。

NTP配信サービスの検討にあたりNTPサーバーに求める要件として、動作が安定している、サポートがしっかりしていることに加え、細かい仕様に合致する製品を複数選定し、実際に機器を借りて、想定通りの動きをするのか検証しました。サービスのリリース時期が決まっていたため検証の時期や期間もあらかじめ確定しており、「Time Server TS-2560」もこのスケジュールに沿って動作確認をさせてもらいました。検証であがってきた疑問点については都度問題がないことを迅速に確認できたこと、サービス提供機器として、構築したものが実際にお客様へのサービス価格に合致できるかという点も含めて採用を決定しました。

3.【決め手】アジャストモードと手厚いサポート

— Time Serverが優れていた点をお聞かせください。

[1] アジャストモードでのうるう秒対策

小椋 祐也氏
検証の際に技術の方と直接情報を交換できたのは、コストだけでは見えてこない価値、安心できる材料でした。

機種選定の検証が終わるタイミングで、サービスを検討されているお客様から、うるう秒時にアジャストモードで配信してほしいとのご要望をいただきました。今回のサービスを企画するまではアジャストモードというものを知らなかったのですが、その後もヒアリングしていくと、アジャストモードでうるう秒対応をされているお客さまが非常に多いことを認識できました。
お客様がサービスを選択する鍵になり得ると考え、最終的に、うるう秒対応はタイムアジャストモードを使う仕様にしたこともTime Server導入の大きな決め手となりました。

[2] 手厚いサポート
データセンターとして発足してから20年位経ちますが、ネットワーク分野のサービスは最近3年で3倍くらい数が増えていて、それはすべてお客さまのニーズに応える形のため、サービス提供開始までの期間がどんどん短くなっています。そのため、フットワークが軽くて、サポートが手厚いところと組めることは結構重要で、例えば海外メーカー製品だと、パートナーを中継して問い合わせて、回答までに1週間かかってしまうこともあって、それだけでお客様のニーズに応えられなくなってしまいます。今回の「TS-2560」の採用・導入の手厚いサポートは、とても重要でした。また、今回GPSアンテナは既存の他社製品を流用しました。すべてメーカー純正品で新たに揃えると初期コストに跳ね返ってきて、結局、お客様への提供価格が高くなってしまうので、既存設備とうまく組み合わせて使うことができたのも良かったポイントです。

4.【導入効果】サービス開始後も安定動作しています

— Time Server導入後の評価をお聞かせください。

小浦場 恒人氏
サービス提供するために、あるお客様の挙動が他のお客様に影響しないことが必要です。

 

「TS-2560」納品後、サービス提供のための設備構築をして、実際にお客様の接続で問題ないことを確認しつつ、構築中に出てきた疑問点については、サポート対応していただき無事解決できました。サービス開始後も「TS-2560」は問題なく安定動作しています。もし、万一何か起こっても、オンサイトで手厚いサポートを受けられるということも安心材料になっています。

5.【今後の期待】他のお客様への影響を排除する仕組みを実装してください

— 今後の期待をお聞かせください。

サービス提供の視点では、1台のタイムーサーバーを異なる会社のお客様が使うことになるので、論理で分けて提供できるようになればと考えています。これは一社の影響を他のお客様に波及させないようにしなければならないためです。
さらに、論理で分けたお客様ごとに、うるう秒対応の設定などを変更できると、ニーズも広がっていくと思います。このような要望を真摯に聞いてもらえるという距離感の近さも、サービスを提供する側としては安心材料の一つです。引き続きのサポートをよろしくお願いします。

本日はお忙しい中、貴重なお話をありがとうございました。

左から 弊社NS営業部 秋野 佑奈、株式会社アット東京 ソリューション本部 ネットワークサービス部 課長 小椋 祐也氏、課長 江副 順也氏、部長 小浦場 恒人氏

お客様プロフィール

株式会社アット東京
URL https://www.attokyo.co.jp/

※ 取材日 2019年10月