1. 独自の取り組みで約148万人の組合員さんの暮らしをサポート
ー 生活協同組合コープさっぽろについて教えてください。
生活協同組合コープさっぽろは、1965年(昭和40年)に「消費者の手で真に消費者の利益を守る流通網をつくろう」という理念のもと、地域の住民と北大生協職員ら約200名が集まり設立されました。今日では、北海道のほぼ全域の約148万人の組合員さんに支えられ、小売事業、宅配事業、共済事業を行っています。
小売事業では道内28市17町に108店舗を、宅配事業では17市6町に30の宅配センターを展開し、「食の安全」「暮らしの安全」を目指しさまざまな取り組みをしています。
そのひとつは地域貢献活動としての高齢者見守りの取り組みです。商品配達時にお届け先の異変を感じた場合、救急車を呼んだり家族や警察へ連絡する活動を行ってきました。配達担当者はそうした訓練を受けており、今では、全道70市町村(2013年11月末日現在)と高齢者見守り協定を締結しています。
そして2013年11月からは、「見守りトドック」という新たな宅配サービスをスタートしました。これまでは「注文者とお届け先は同じ」でなければなりませんでしたが、「見守りトドック」は離れて暮らす親御さんや、一人暮らしの子どもさんに商品をお届けするとともに安否の確認や健康状態を報告します。これは「遠くに住んでいる家族に毎週コープ商品を届けてあげたい」という組合員さんの声を反映したサービスです。また、高齢者からの「注文用紙の記入が難しい」という声にもお応えできるようになりました。こうした「組合員さんの声」を積極的に吸い上げ、日々の改善や新サービスにつなげています。なお、2013年2月に北海道とは包括協定を結んでおり、店舗においては「認知症サポーター」制度への登録や「全店へのAED設置」を行った他、宅配事業では「安全・安心どさんこ運動」へ参加しています。
2. POSの自社開発に伴い決済システムを新規導入
— 現在、CAPS P-QVICをどのようにお使いですか。
店舗で使用されるクレジットカード決済にCAPS P-QVICを使用しています。今のところ自社開発のPOSを導入した30店舗での使用ですが、ここ1年程度のうちには全店舗のPOSを自社開発POSに変更する予定ですので、全店舗のクレジットカード決済で使用することになります。
— CAPS P-QVICを導入する前は、どのようなシステムでクレジットカード決済を行っていたのですか。
店舗では2つのメーカーのPOSを使用していましたので、クレジットカード決済システムも、メーカー製POSに付帯した2つのシステムを運用していました。つまり二重の負荷がかかっていたわけで、解決すべき課題ととらえていました。
— CAPS P-QVICを導入された背景について教えてください。
新たなクレジットカード決済システム導入の背景には、まずPOSを自社開発しようという計画がありました。自社開発を計画した理由は、新たなサービスや試みを計画する際、メーカー製のPOSだと自由に仕様を変更できなかったり余分な機能があったり、いろいろ制約があってうまくいかなかったためです。自社で開発することにより、新たな取り組みへの自由度が増すことと、さらには保守に関わる費用の削減にもつながると考えました。
POSを自社開発するということは、それに関わるすべてを自社で行う必要があるということで、当然クレジット決済システムについても検討課題となりましたが、自社開発の必要性を感じなかったので、実績あるパッケージを導入すべく探していたときに紹介されたのが、セイコーソリューションズの「CAPS P-QVIC」でした。
3. 信頼性の高さでCAPS P-QVICの導入を決定
— CAPS P-QVICの選択において、どの様な要件で選ばれましたか。
比較検討したのはCAPS P-QVICを含め2社のシステムです。ただ、実際の店舗での運用を伴う比較検討はできませんし、システムそのものの機能とコストに関しては、2社とも大きな違いはありませんでしたので、信頼性をキーワードに、いかに信頼できる会社かを重視して比較しました。
信頼性の調査に当たっては、既に導入実績がある企業、ドラッグストアやスーパーマーケットなどに実際にお伺いし、導入にあたってのご苦労や実際に使用されての感想や評判などをお聞かせいただきました。
その結果、評価が高かったのがセイコーソリューションズでしたので、導入を決めました。
— 導入にあたってのステップを教えてください。
初回のご提案が2010年11月で、実際にクレジット決済システム構築プロジェクトは2011年8月にスタートしました。自社開発のPOSの開発と同時進行で行いました。実際にシステムがカットオーバーしたのは2012年3月で、まずは2店舗でメーカー製のPOSを使ってテスト運用を開始しました。ここで課題などの調整を行い、自社開発のPOSを導入してのテストは2012年11月に1店舗、12月にもう1店舗で検証をスタートしました。ここでまた検証と修正などを行い、2013年4月から自社開発POSとともに本格的な導入をスタートさせました。2013年末で約30店舗に導入済みで、2014年度中には全店舗に自社開発POSを導入する計画で、全てのPOSのクレジットカード決済がCAPS P-QVICにて行われる予定です。
4. 管理本部管理部における作業工数が削減された
— CAPS P-QVICの実務面での導入効果について教えてください。
以前は2つの決済システムがありましたので、画面は2つ見なければなりませんでしたし、別々に集計されたものを一つにする必要もありました。
また、以前のシステムはチェックが必要な項目については自動で紙に出力される設定になっており、画面上のチェックで済むものも紙になって出力されますから、改めてそのチェックを行う必要がありました。出力される内容には個人情報も含まれていますので、きちんとファイルした上で鍵がかかる場所に1年以上は保管しておく必要がありました。CAPS P-QVIC に統合されると1つの画面で処理できますし、画面でのチェックのみで済みます。紙での出力保管作業がなくなり大変助かっています。
また、通信異常などでPOSからのクレジット決済がご利用いただけない時に、電話与信と手書き伝票を使用して、カード決済の処理を行い、後日、決済システムに入力作業を行います。CAPS P-QVICの場合、最初から決済金額が入っており、カード番号からカード会社を検索してくれますので、入力作業が軽減されました。以前のシステムはすべての項目を入力する必要があり、仮にカード会社を間違えて記載していた場合などは処理にかなりの時間を要していました。
全体に省力化・効率化につながることが多いので、全店舗への導入が待ち遠しいですね。
5. CAPS P-QVICの評価
— CAPS P-QVICについて評価していただけますか。
導入後、特段のトラブルや不具合なく運用ができていますので、安心しています。月に数回、クレジットカードで買い物をするとポイントが多めについたり、割引になったりする日があり、クレジットカードを利用される組合員さんが増加します。そんなときに不具合があると大変な問題となりますが、今のところそうした心配はありません。全店での展開に期待しています。
また、宅配事業は基本的にクレジットカード決済でオーソリ方式をとっています。店舗のPOSは以前はギャザリング方式でしたが、CAPS P-QVICの導入でオーソリ方式に統一することができ、以前からの課題であったクレジット決済方式の統一ができたことは大きな効果だと思います。
— 今後の取り組み予定などありましたら、お教えください。
いろいろな場面に対応できる決済手段を持つことができましたので、さらにいろいろな展開を考えていきたいし、発展可能なインフラが整備できたことをうれしく思っています。具体的にはこれから計画していきますが、販売チャネルも広げられますし、リアルとバーチャルをうまくつないだ新たな展開に取り組んでいく予定です。
6. 今後の期待
— 今後の期待などありましたらお願いします。
決済システム構築に際しては、ていねいなサポートをいただき感謝しています。
コープさっぽろはスピード重視の組織です。新しい要望に関しても、時間が限られたお願いをするケースがあるかもしれませんが、ご対応をよろしくお願いします。
コープさっぽろ様、本日はお忙しい中、貴重なお話をありがとうございました。