LTE/3G対応無線ルーター 「SkyBridge」ファームウエアバージョンアップ(Ver.4.1)および機能追加のお知らせ

LTE/3G対応無線ルーター「SkyBridge」のファームウエアVer.4.1をリリースいたしました。
本バージョンアップにて、追加される機能などについてご案内いたします。

Ver.4.1は、ログの強化と多様なファームウエア更新方法を提供することによるメンテナンス性の強化と、ハートビート機能実装による通信の信頼性向上等の機能拡張を実現しております。

また、安全・確実なファイル転送サービス「HULFT」をご利用できるようになります。
(※有償のサービスになります。なお、利用にはセゾン情報システムズ社とのご契約が必要になります)

SkyBridgeを旧バージョンのファームウエアにてご利用されているお客様におかれましては、OSの脆弱性対応、機能拡張対応、通信の信頼性向上、不具合修正対応等を行った本最新ファームウエアへの更新を実施いただくよう、お願い申し上げます。
また、本最新ファームウエアでは、今まで以上に様々なファームウェア更新方法をご利用いただけます。
従来は現地作業のみでしか更新が行えなかった環境のお客様でも、遠隔での更新や、SkyBridge自体が自律的に定期更新するような方法も追加でご用意いたしました。

なお、既存バージョンをご利用のお客様を考慮し、追加された各拡張機能の設定は初期値では動作しないように設定されております。
本最新ファームウエアの導入/更新にあたり、機能拡張した各種設定値の見直しをぜひともご検討いただくようお願いいたします。

機能拡張一覧

■Ver.4.1にて追加される機能拡張は以下の通りです

機能拡張
大項目
機能拡張小項目 既存FW 本機能拡張版
ログ機能強化 出力ログメッセージ強化 既存ログはそのまま出力 障害解析が容易に行えるように出力するログファイルを追加
過去のログファイル保持 電源のOFF/ONや定期リセットを起因にログファイルを保持することなく初期化していた 電源のOFF/ONや定期リセットを起因に過去約10日分を保持できるように機能拡張
WEB-UI上でのログファイルの保存 ログを参照するのみ ログをファイルとして保存できるように機能拡張
SRMPによるログ取得 サポート無し ログをファイルとして取得できるように機能拡張
ハートビート機能 通信不良時に自動リセットを実施 サポート無し 定期的に設定されたアドレスにPINGを打ち、途絶えた場合に内蔵通信モジュールやルーター本体をリセットする機能
FOTA(FW バージョンアップ) SRMPによる日時指定可能なFOTA実行 即時か次回起動時にのみ実行 SRMPにより事前に日時指定を行い、FOTAを実行可能
定期更新 FWバージョンのチェックのみ FWを強制的に更新する機能
WAN側からWEB-UIで実施 サポート無し オンラインバージョンアップに対応
初期化機能 工場出荷時に戻す機能 デフォルトコンフィグまで戻す 工場出荷時まで戻せるよう拡張
連続GPS測位 連続測位機能 999回で停止 測位結果を回数制限無しに指定されたアドレスに送信
SMSによるSRMP対応 SMSによるSRMPの実行 サポート無し SMSを利用してSRMPを実行できるように拡張
HULFT-IoT ファイル送信サービス サポート無し 安全・確実な転送サービス「HULFT」を搭載
※ライセンス契約(有償)が必要
IPsec IPsecによるVPN対応 サポート無し(パススルーのみ対応) IPsecを用いたインターネット上でも安全に通信が行える機能を搭載(IPsec通信時のスループットは別途営業担当にご相談ください)

※仕様については予告なく変更する場合があります。あらかじめご了承ください。

 

各拡張機能詳細

機能 詳細内容 必要な設定等
ログ機能強化
  • 現行のSYSLOGに加え、各インターフェースの詳細ステータスと、DHCP、SRMP等の詳細なステータスを追加で出力、表示。
  • WEB-UI上に保存ボタンを追加し、ファイルとして保存できるように拡張。
  • 従来のログについてはWEB-UIには表示されず、ファイルとして保存後参照可能。
  • ログ容量を増やし、過去約10日間程度のログを保持できるように拡張。
  • SRMPコマンドによりログファイルを指定したFTPサーバーへアップロードする機能を拡張。
ハートビート機能
  • 事前設定したIPアドレス(またはFQDN)に対して、PINGを設定回数実施し、事前設定回数のリトライを失敗すると、事前設定されたLANモジュール、通信モジュール、ルーター本体を自動的にリセットする機能。
  • デフォルト値はOFFとなっているため、有効にする必要あり。
  • 間隔、回数、リセット対象機器は「追加コンフィグ一覧」を参照。
FOTA
(SRMP)
  • SRMPでFW更新実施日時を指定することが可能。
  • SRMPコマンドに日時指定FOTA機能は「追加SRMPコマンド一覧」を参照。
  • 閉域網内は別途FOTAサーバーが必須。
FOTA
(定期更新)
  • 毎月10日~19日の間でFW更新が自動実行される。
    (IMEI番号の下1桁で日付を分散。実行時間については完全にランダム)
  • 所要時間(回線速度により変動)
    128Kbpsの場合は約75分
    10Mbpsの場合は約6分
  • デフォルト値はOFFとなっているため、有効にする必要あり。
  • 閉域網内は別途FOTAサーバーが必須。
FOTA
(WEB-UI)
  • WAN側からWEB-UIでオンラインバージョンアップが可能。
  • 閉域網内は別途FOTAサーバーが必須。
初期化機能
  • 完全に工場出荷時に戻す機能。
    (従来はキッティングやデフォルトコンフィグをロードされた状態までしか戻せなかった)
  • DIPSWの6番と8番を同時にONして電源を投入する。
連続GPS測位
  • 測位結果を回数制限無しに指定されたIPアドレスに送信する機能。
    (従来は999回で停止し、リセットや再起動で再開していた)
  • 回数を「0」に設定すると無制限となる。
SMSによるSRMP
  • SRMPを使用せず、SMSを使用してSRMPのコマンド送受信が可能。
  • コマンド受けの対象電話番号を無制限にするか、最大3件の事前登録が可能。
  • デフォルト値はOFFとなっているため、有効にする必要あり。
HULFT-IoT
  • セゾン情報システムズが提供しているファイル送受信サービス
  • 通信の暗号化、圧縮、効率的な再送機能を搭載。  
    ※サービス対象はファイル単位となっており、ストリーミングデータ等のファイル以外のものは対象外。
  • HULFT-IoTというIoTに特化したモジュールをSkyBridgeに搭載。
  • 本リリースではLinux環境のファイル送受信のみを対象とし、Windows環境は次バージョンにて対応予定。
  • ご利用にはセゾン情報システムズ社とのライセンス契約(月額制)が必要になります。
    ライセンスをお持ちでない方は弊社までご相談ください。
Ipsec
  • トンネルモードのみ対応。(トランスポートモードは非対応)
  • 両端末が固定のIPアドレスを持つことが望ましいが、片方が固定でも運用が可能。

 

追加コンフィグ一覧

■機能拡張に伴い追加されるコンフィグは以下の通りです。

機能名称 キーワード 意味 値の範囲 デフォルト値
ハートビート HB_WAN_ENABLE WAN側のハートビート機能を有効にする。 TRUE,FALSE FALSE
HB_WAN_ADDRESS WAN側HBのping送信先アドレス IPアドレスまたはFQDN 空白
HB_WAN_INTERVAL WAN側HBのハートビート間隔 1~3600(秒) 180(秒)
HB_WAN_RETRY_INTERVAL WAN側HBのリトライ間隔 1~10(秒) 3(秒)
HB_WAN_RETRY_MAX WAN側HBのリトライ回数 0~5(回)
0の時はリトライなし
3(回)
HB_WAN_RESET_COUNT WAN側HBの失敗で、ルーター本体をリセットするまでの内蔵通信モジュールのリセット回数。 0:ルーター本体リセット無し
1~5:内蔵通信モジュールをリセットするまでの回数
3(回)
HB_LAN_ENABLE LAN側のハートビート機能を有効にする。 TRUE,FALSE FALSE
HB_LAN_ADDRESS LAN側HBのping送信先アドレス IPアドレスまたはFQDN 空白
HB_LAN_INTERVAL LAN側HBのハートビート間隔 1~3600(秒) 180(秒)
HB_LAN_RETRY_INTERVAL LAN側HBのリトライ間隔 1~10(秒) 3(秒)
HB_LAN_RETRY_MAX LAN側HBのリトライ回数 0~5(回)
0の時はリトライなし
3(回)
HB_LAN_RESET_COUNT LAN側HBの失敗で、ルーター本体をリセットするまでのLANモジュールのリセット回数。 0:ルータ本体リセット無し
1~5:LANモジュールをリセットするまでの回数
3(回)
FOTA FOTA_PERIODIC_FRCD_ENABLE 定期的にFWバージョンアップを強制的に実行する機能を有効にする。 TRUE,FALSE FALSE
SMSによるSRMP SRMP_SMS_ENABLE SMSによるSRMPコマンドを有効にする。 TRUE,FALSE,REGISTED
REGISTEDの場合は、SRMP_SMS_CID_xで指定された電話番号からのみコマンドを実行が可能。
FALSE
SRMP_SMS_CID_1 コマンド実行可能な電話番号1 11桁の数字 空白
SRMP_SMS_CID_2 コマンド実行可能な電話番号2 11桁の数字 空白
SRMP_SMS_CID_3 コマンド実行可能な電話番号3 11桁の数字 空白
HULFT-IoT HULIOT_ENABLE HULFT機能を有効にする。 TRUE,FALSE FALSE
HULIOT_SERVER_ADDR HULFTサーバーのアドレス IPアドレスまたはFQDN 空白
HULIOT_SERVER_PORT HULFTサーバーのポート番号 0~65535 空白
HULIOT_ACT_KEY HULFTを有効にするためのキー キャラクタ 空白
HULIOT_AGENT_ID HULFTクライアントのID番号 キャラクタ 空白
HULIOT_MOUNT_ADDR 送受信ファイルマウント先アドレス IPアドレスまたはFQDN 空白
HULIOT_MOUNT_PATH マウント先パス設定 キャラクタ 空白
Ipsec IPSEC_ENABLE IPsec機能を有効にする。 TRUE,FALSE FALSE
IPSEC_REMOTE_ADDR リモートアドレス IPアドレス 空白
IPSEC_REMOTE_NETWORK リモートネットワークアドレス IPアドレス 空白
IPSEC_REMOTE_MASK リモートネットワークのサブネットマスク 0-32 32
IPSEC_SECRETS 秘密鍵 キャラクタ 空白
IPSEC_ALGO_CIPHER 暗号化アルゴリズム 3DES,AES AES
IPSEC_ALGO_HASH ハッシュアルゴリズム MD5,SHA1 SHA1
IPSEC_DHGROUP DHグループ 1024,1536 1536
IPSEC_LIFETIME ライフタイム 1~24 24

 

追加SRMPコマンド一覧

■機能拡張に伴い追加されるSRMPコマンドは以下の通りです。

ログアップロード 機能概要 現在のログと保存済みのログファイルを1つにまとめて、指定のFTPサーバーへアップロードする。
コマンド名 @LOGUPLOAD
コマンド書式 en @LOGUPLOAD=<ipaddr>,<username>,<password>
引数 <ipaddr>:  ファイルをアップロードするFTPサーバーのIPアドレスおよびポート番号
(例: 10.20.30.40 または 10.20.30.40:1021 など)
<username>:  FTPユーザーのユーザー名
<password>:  FTPユーザーのパスワード
応答 OK  コマンド成功時
ERROR  コマンド失敗時
備考 ログファイルはログインした直下のディレクトリにアップロードします。
ファイル名は、“MBA100-<日付>_<時間>.tgz” となります。  <日付>:YYYYMMDD, <時間>:hhmmss
使い方 en @LOGUPLOAD=10.20.30.40,guest,pass
強制FOTAの開始 機能概要 強制FOTAの開始コマンドに、開始予約機能を追加。
コマンド名 @FOTAFRCD
コマンド書式 en @FOTAFRCD=<value1>[,<value2>[,<value3>]]
引数 <value1>:  FOTAの開始タイミング
0 : すぐに開始する。 1 : 次回の再起動時に開始する。 2 : 予約された日時に開始する。←今回追加した値。
<value2>: <= 今回追加した引数
0 : 予約をキャンセルする。<value3>なし 1 : 予約する。<value3>あり
<value3>: <= 今回追加した引数
予約時刻
書式は YYYYMMDDhhmmss
YYYY : 西暦年4桁 (2017~2037)  MM : 月2桁 (01~12)  DD : 日2桁 (01~31)  hh : 時間2桁 (00~23)mm : 分2桁 (00~59)  ss : 秒2桁 (00~59) 省略時は 00 とみなす。
応答 OK  コマンド成功時
ERROR  コマンド失敗時
使い方 en @FOTAFRCD=2,1,20170322010000

 

ファームウエアバージョンアップ方法

■SkyBridgeバージョンアップ手段は以下8種類を用意しています。下記早見表に基づき、手段をお選びいただけます。

対応手段 作業区分 使用TOOL/メディア 作業概要 メリット デメリット
USBメモリ ローカル USBメモリ ①本体DIPSWを変更
②FWが入ったUSBメモリを挿し、更新実施
  • 手順が簡単
  • 通信量が不要
  • 現地作業が必須
  • USBメモリが必要
WEB-UI
(LAN側より実施)
WEB-UI
(ブラウザ)
PC等
①PC等よりWEB-UIにアクセス
②WEB-UIにてPC上のFWを選択して更新
  • 手順が簡単
  • 通信量が不要
  • 現地作業が必須
  • PC等が必要
DIPSW強制FOTA FOTAサーバー ①本体DIPSWを変更
②更新がある場合に実施
  • 手順が簡単
  • 特に事前準備が不要
  • 通信量が掛かる
  • 現地作業が必須
SRMP強制FOTA
(LAN側より実施)
SRMPサーバー
FOTAサーバー
PC等
①SRMPサーバーより強制FOTAコマンドを実行
②自動的にFOTAサーバーにアクセスし、更新がある場合に実施
  • 事前またはオンタイムに設定
  • 更新ができる
  • 通信量が掛かる
  • 何らかのスクリプトが必要
定期強制FOTA FOTAサーバ ①事前に定期強制FOTAを設定
②自動的にFOTAサーバーにアクセスし、更新がある場合に実施
  • 事前に設定ができる
  • 一度設定すれば以降自動
  • 通信量が掛かる
WEB-UI
(WAN側より実施)
リモート WEB-UI
(ブラウザ)
FOTAサーバー
サーバーPC等
①サーバー等よりWEB-UIにアクセス
②WEB-UIにてオンラインバージョンアップを選択して更新
  • 手順が簡単
  • リモート作業が可能
  • 通信量が掛かる
SRMP強制FOTA
(WAN側より実施)
SRMPサーバー
サーバーPC等
①SRMPサーバーより強制FOTAコマンドを実行
②更新がある場合に実施
  • 事前又はオンタイムに設定
  • 更新ができる
  • リモート作業が可能
  • 通信量が掛かる
  • 何らかのスクリプトが必要
SMS強制FOTA
(WAN側より実施)
SMS発信ができる携帯電話等 ①携帯電話等より強制FOTAコマンドを実行
②更新がある場合に実施
  • 事前またはオンタイムに設定・更新ができる
  • リモート作業が可能
  • 通信量が掛かる
  • 事前に携帯電話番号等の登録が必要

SkyBridge バージョンアップ手段早見表

回線種別 作業区分 WAN側より
SkyBridgeのIPアドレスの取得可否
WEB-UI、SRMP、SMSのWAN側アクセス設定
(デフォルトは全て不可)
FOTAサーバーの有無
(詳細は本表下部の注意事項を参照)
FW Ver. バージョンアップ手段
閉域網
(VPN網)
リモート IPアドレス取得可能 WAN側アクセス可能 あり VER4以前
VER4以降 ⑤、⑥、⑦、⑧
無し - 不可
WAN側アクセス不可 あり VER4以前 不可
VER4以降
無し - 不可
IPアドレス取得不可 - あり VER4以前 不可
VER4以降
無し - 不可
ローカル - -

あり

VER4以前 ①、②、③、④
VER4以降 ①、②、③、④、⑤
無し - ①、②
インターネット リモート IPアドレス取得可能 WAN側アクセス可能

あり
(SSOLが運用するFOTAサーバーを利用)

VER4以前
VER4以降 ⑤、⑥、⑦、⑧
WAN側アクセス不可 VER4以前 不可
VER4以降
IPアドレス取得不可 - VER4以前 不可
VER4以降
ローカル - - VER4以前 ①、②、③、④
VER4以降 ①、②、③、④、⑤

FOTAサーバーについて:

  • FOTAサーバーとは最新のFWが格納されているHTTPサーバーとなります。
  • 弊社が運用するFOTAサーバは、お客様の円滑なバージョンアップを支援するためインターネット網上に設置し公開しております。SkyBridgeをご利用の方はどなたでも自由にご利用いただけます。
  • 閉域網(VPN網)の契約のSIMを使用してSkyBridgeをご利用の方は、弊社が運用しているFOTAサーバーにはアクセスできません。
  • 閉域網内でFOTAをご利用する場合は、同一網内にFOTAサーバーを構築する必要があります。構築方法については別途弊社営業までご相談ください。