気象庁は、明治8年の発足以来、1世紀以上にわたって、自然を監視・予測し、国民の生命財産を災害から守るため、適切な情報提供を行っています。
台風・豪雨などの自然災害を防ぐ目的で、さまざまな気象情報を作成するためのシステムを数多く開発・運用していますが、全国各地の予報官が気象資料を確認するためのシステム構築において、可用性を高めるためにロードバランサー「Netwiser SX-3945」の導入を担当された、気象庁 予報部 予報課 係長 杉山 善昭氏に、「SX-3945」の導入の経緯と導入後の評価についてお話を伺いました。

  • 予報官が気象資料をいつでもどこでも見ることができるようにするとともに、通信の安全性確保の必要があった。
  • 緊急対応時の負担軽減のために可用性の高いシステム構築が必要だった。
  • NetwiserのSSLアクセラレーター機能を活用して、セキュアなシステムが簡単に構築できた。
  • Netwiser/Webサーバーとも冗長構成にすることで、可用性の高いシステムを実現できた。

1.【導入背景】全国各地でいつでもどこでも気象資料を見られるシステムの構築が必要でした

ー ロードバランサーを導入した背景をお聞かせください。

当庁は現在、防災体制の強化や各地方での対応体制を強化する中で業務手段を変革している最中です。その変革の一つとして、各地の気象状況をとりまとめて判断する予報官がいつでもどこでも気象資料を見ることができるようにする必要が出てきました。さらにシステム検討を進めるうちに、緊急対応時の職員の負担軽減のための可用性確保もシステム要件として重要性が高くなってきました。

2.【経緯】可用性確保にロードバランサーが必要でした

— ロードバランサーの導入を検討された目的をお聞かせください。

気象庁内見学施設
気象庁内見学施設

今回のシステムは可用性を重視する必要があったため、複数のサーバーでの運用を検討していました。当初は、相当シンプルな運用形態も考えていたのですが、もう少し可用性を上げた方がよいのではないかということで、ロードバランサーで負荷分散させる構成を検討することになりました。

— Netwiserを検討された経緯をお聞かせください。

庁内の基幹的なシステムにはWebアプリケーションもあり、ロードバランサーも使っていますが、ロードバランサーはアプリケーションサーバーの可用性を高めるために便利である反面、非常に高価でかつ設定が複雑であるという認識でいました。しかし、検討していくうちに、価格面や設定面で非常に手を出しやすいロードバランサー「Netwiser」を知りました。可用性を高めるためにロードバランサーも冗長構成を取る必要があったため、「Netwiser SX-3945」を導入候補としました。

3.【決め手】簡単な設定とSSL標準搭載

— Netwiserの機能で良かった点をお聞かせください。

気象庁_杉山氏-2
杉山 善昭 氏
ハンズオンセミナーの資料が非常にわかりやすくて、Netwiserの設定に有用でした。

[1] 簡単な設定
導入検討段階で受講したハンズオンセミナーの資料が非常に役に立ち、評価のための検証機での設定も簡単に行うことができました。ハンズオンセミナーで実際に操作したことも大きかったのですが、資料の通りに設定することで必要最低限ではなく、実際に使えるレベルにまでの設定ができました。

[2] SSLアクセラレーターの標準搭載
この価格でSSLアクセラレーター機能が標準搭載されていているのは驚きで、高評価なポイントです。セキュリティ上、SSL 通信は必須だったのですが、Web サーバー側は複雑なSSL 設定をすることなく、シンプルにHTTP 通信するだけなので、セキュリティ管理面でも運用が容易になりました。

4.【導入効果】的確なサポートで無事構築が完了

— Netwiser導入後の評価をお聞かせください。

気象庁_杉山氏-2
問い合わせ時の手厚いサポートと充実の日本語設定画面が設定・運用時に心強いです。

検証時に多少設定に手間取った部分があり、エラーに関するメッセージやマニュアルの内容がもう少し親切だとあまり悩むことなくトラブル対応ができるのではないかとも感じましたが、メールでの的確なサポートを受けることができ、無事に解決できました。こちらの問い合わせに対して、レスポンスよく対応してもらえたのがすごくよかったです。
本番環境の構築は、検証時の設定を本番機にインポートするだけで問題なく動作したので、非常に簡単に終えることができました。また、設定画面が日本語であることと、設定画面上の「?」を押すとヘルプが出てくるので、これから運用をしていくうえで安心感があります。

 

5.【今後の期待】Netwiserを検証できる環境がほしい

— 今後の期待をお聞かせください。

今後の運用の中で、システム構成や設定変更が必要になる場面が出てきた時に、Netwiserを含めた検証のためのラボがあると便利だと思います。または、インターネットから検証環境にアクセスできるようになっていてもよいと思います。Netwiserを実際に触ってみることで機種検討が進むケースもあるのではないでしょうか。
現状は、高度な機能をシンプルな形で使えて、まさに必要充分で満足していますので、これからもサポートをよろしくお願いします。

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本日はお忙しい中、貴重なお話をありがとうございました。

お客様プロフィール

気象庁
URL https://www.jma.go.jp/jma/

※ 取材日時 2019年3月