1.【導入背景】高精度でリーズナブルな時刻配信システムが必要だった
ー PTPグランドマスタークロックを導入した背景をお聞かせください。
お客様に提供しているコロケーションサービスでマイクロ秒レベルの時刻精度を求められるようになり、2013年には、NTPやGPSに加えて、時刻精度が高くリーズナブルなPTPでの時刻配信の仕組みを構築することになりました。当時のPTPのサービス提供は、海外の主要取引所と比べても早い段階でのスタートでした。
2.【経緯】高次元の時刻精度が必要になりました
— PTPグランドマスタークロックのリプレースを検討された目的をお聞かせください。

2016年にデリバティブ売買システム「J-GATE」を刷新し、稼働を開始しました。その際に、お客様より、さらに高い次元の時刻精度をもつPTPサービスを求められたことと、昨今の金融業界の中で、ネットワークレイテンシーの測定や取引記録の精緻化の要求もあるため、PTPグランドマスタークロックを含むPTPシステムのリプレースに踏み切ることになりました。
— Time Server Pro.を検討された経緯をお聞かせください。
今回のシステムを開発するにあたり、配信時刻のオフセット平均値が99.99%程度の割合で1マイクロ秒未満になる精度を目標にしていました。
また、NTPサーバーはセイコーソリューションズの「Time Serverシリーズ」を採用していたので、PTPグランドマスタークロックの「Time Server Pro. TS-2950」を、複数メーカー製品での事前検証の中で評価させてもらうことになりました。
3.【決め手】時刻精度が非常に高く、システムの中での相性も良かった
— 他社のグランドマスタークロックと比較して、Time Server Pro.が優れていた点をお聞かせください。

[1] 非常に高い時刻精度
事前検証での時刻精度が非常に高かったことが採用の決め手となりました。また、今回の検証ではトランスペアレントクロックの機能を持つスイッチもいろいろと組み合わせて評価をしたのですが、システム全体の中での相性も良かったです。
[2] 手厚いサポート
今回の事前検証は、いろいろと手探りの部分があったのですが、セイコーソリューションズには非常に手厚くサポートしていただき、助かりました。
問い合わせにスムーズに対応してもらったこともあり、導入後のサポートや保守も含めて総合的に検討した結果、「TS-2950」を選定するという判断になりました。
4.【導入効果】100ナノ秒レンジの高い精度で安定稼働をしています
— Time Server Pro. 導入後の評価をお聞かせください。

新システム稼働後は、「時刻精度が良くなった」とお客様からの声がありました。具体的には、従来はオフセット値がマイクロ秒レンジでも大きく振れることがあったのですが、「TS-2950」を導入してからは100ナノ秒の範囲に収まっているので、当初の目標値をクリアしたうえで、非常に安定しています。
5.【今後の期待】さらなる高度な時刻精度の要求には応えていきたいです
— 今後の期待をお聞かせください。
数年前までは、マイクロ秒の時刻精度があれば充分だったのが、現在ではナノ秒の世界に入って来ており、今後さらに高い精度が必要になることも考えられます。そうなった場合にもシステムとしては対応をしていきたいと考えているので、PTPグランドマスタークロックから見たPTP 対応スイッチとの検証レポートがあると導入の検討が非常に楽になります。
また、技術的には難しいと思いますが、L3スイッチでの高精度な時刻同期が実現できればと思っています。
セイコーソリューションズの製品は、今後もコンソールサーバーの導入を検討しているので、引き続き良い製品作りと手厚いサポートの提供をお願いします。
本日はお忙しい中、貴重なお話をありがとうございました。