創価学園は1968年に開校し、「健康な英才主義」「人間性豊かな実力主義」を教育方針に掲げ、未来のリーダーの育成に取り組んでいます。創価高等学校では文部科学省のスーパーグローバルハイスクール認定実績を活かした新たな教育プログラムである世界市民探究(GCIS)を軸として、1000人を超える生徒が日々学んでいます。またタイムマネジメント教育にも力をいれ、生徒が時間の見える化で充実した学園生活を送れるようサポートが徹底されています。

  • コンクリートの厚い校舎の教室内では電波時計の時刻がずれるため、授業や行事での生徒の時間管理に支障をきたしていた。
  • 30台の無線LANモデルの時計を、電波時計の掛け替えと同じように手軽に教室に設置、どこでも正確な時刻が確認できるようになり生徒の行動が遅滞なく行えるようになった。

1.【導入背景】校舎の構造上、電波時計では時刻がずれるため、日常の時刻補正は長年の課題でした

- 時計の入れ替えを検討した背景をお聞かせください。

今年設立54周年を迎える創価学園の一部の校舎は開校当時のものなのですが、コンクリートが厚く堅牢な建物のせいか電波時計が電波を受信できない箇所が多数あります。教室内の時計は前面右の高い場所に設置しており、時刻がずれた時計は外して窓際に一晩中置いておくなどの対処をしてはいるもののなかなか正確な時刻に戻らず、時計の運用は長年の課題でした。

- 正確な時計が必要である理由についてお聞かせください。

学校生活は基本的にチャイムによって時間の区切りをつけてはいますが、生徒には自分たちで時間の使い方を学んでもらうためにも、正確な時計が教室内に設置されていることが望ましいです。また、最も正確な時刻が求められるのは試験時です。学内の定期試験では、もし時刻ずれが発生した場合でも各教室で先生方が対応することが可能ですが、入学試験では公平性を保つためにすべての教室で秒単位で正しい時刻を表示しておく必要があります。これまでは試験の前日にすべての時計を一か所に集め、当日の朝に時刻を合せて再度各教室に設置していました。前日中に時刻合わせを行うと翌日に多少のずれが生じている可能性があるのでこの作業は試験日当日に行わざるを得ず、教室数もかなりあるので大変な労力でした。

2.【経緯】NTPクロックに出会い、Wi-Fi環境が整備された校内への導入を検討しました

— NTPクロックを検討された経緯をお聞かせください。

最近の電波時計は強制的に手動で時刻を修正できないものが多く、時刻がずれていることがわかってもすぐに対処できないため、あえて電波で自動調整をしないものも購入してみましたが問題は解決できませんでした。また、1000人以上の生徒を収容しているすべての教室の高い場所に設置している時計を外して補正するのは大変で、複数の時計を一括で管理できるようにしたいとも考えていました。そのような状況で、教育機関向けITソリューションの展示会でセイコーのブースを訪問したところ、電波が届かない場所での時刻合わせのソリューションがいくつか紹介されており、そこでNTPクロックのことも知りました。

普通教室に設置されたNTPクロック

3.【決め手】校内のWi-Fi環境を利用して時刻を統一できることから導入を決めました

— NTPクロックが優れていた点をお聞かせください。

学校のWi-Fi環境が整ったところでNTPクロックのサンプルを2か月ほどお借りして、問題なく使用できることがわかったので導入を決定しました。校内のWi-Fiを利用して、たくさんの教室の時計を一括で正しい時間に合わせられるところが、一番の決定打でした。
また、NTPクロックに時刻を配信するタイムサーバーが必要ですが、サーバールーム内にアンテナを設置して利用できる小型のFMモデルがNTPクロックスターターパックとして用意されていたので導入が容易でした。
事前に初期設定を行ったうえで納品されたので、現場では電波時計と同様に壁にかける作業だけで、非常にスムーズに設置が完了しました。予備日も設定していましたが、すべての時計を1日で設置できました。

4.【効果】柔軟な運用によりいつでも正しい時刻が分かる安心感を得られるようになりました

—  導入後、どのようなメリットがあったかお聞かせください。

今回30台のアナログ型の時計を導入しました。当校は各学年8クラスで構成されているので、合計24の教室に1台ずつ設置したほか、これら普通教室の半分程度のスペースの6つの小教室にも置きました。万一、普通教室の時計に不具合が生じた場合は小教室の時計と交換する運用にすることで、生徒も教職員も常に正しい時刻を確認できます。NTPクロック用のWi-Fiアクセスポイントを統一しているため、このような入れ替え作業や設置場所の変更が生じた場合にも、改めて時計側で設定や補正をすることなく速やかに作業を完了できると考えています。導入して半年たった現在、時刻がずれているという指摘はこれまで出てきておりません。
時計の正確性は、普段は気にすることはありませんが、集団生活の中ではなくてはならない重要な要素の一つです。

5.【今後の期待】運用ノウハウを蓄積し、校内全体で時刻を合わせたい

— 今後の期待をお聞かせください。

佐々木 正道 教頭先生

現在は長年の課題が解決し非常に満足していますが、長期的にNTPクロックを利用していくにあたっては、電池残量が少なくなった場合や不具合が発生する予兆の検知ができるようになるといいなと思います。
また、食堂や職員室など教室以外の場所でも正確な時刻が必要な場所はあるので、こういった場所でも時刻を合わせていくのが望ましいと考えております。特に食堂はスペースが広く、柱もあるので室内のどこからでも時計が見えるようにするには複数台の設置が必要です。さらに、高校のキャンパスから道路を隔てた反対側にある創価学園の小中学校でも、NTPクロックの導入の検討を行っていると聞いています。
最近の生徒たちはスマートフォンを持っているため時間の把握の仕方が昔とは変わってきている印象がありますが、本校では時間の使い方を学ぶため、B6サイズの手帳に学習計画や目標を記入し、実際の行動を記録して振り返る習慣をつけるよう指導しています。自ら時間管理を行うことにより生徒が主体性を持って挑戦をしていけるようになることが狙いであり、その実現のためにNTPクロックが必要なものであると考えています。

 

                                 

本日はお忙しい中、貴重なお話をありがとうございました。

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※ 取材日 2021年10月