前橋赤十字病院は、1913年開院の歴史ある病院ながら、時代に合わせて常に変革・進化し続けてきた病院です。2018年には新病院へ移転し、現在は基幹災害拠点病院や高度救命救急センター等数多くの指定を受けるなど、北関東地域の医療において重要な役割を果たしています。
ずれない時計設備の拡充のためにNTPクロックを採用いただいた、事務部用度施設課 板倉氏と情報システム課 浅野氏に、NTPクロック導入の経緯と導入後の評価についてお話を伺いました。

  • 時計増設の要望が多く上がっていたが、時刻のずれない時計を選定する必要があった。
  • 設置にあたり、大規模な工事を伴う方法は避ける必要があった。
  • 時計を院内のNTPサーバーに同期でき、電子カルテと同じ時刻を表示できるようになった。
  • 簡単な設定のみで、壁に掛けるだけで設置を完了できた。

1.【導入背景】医療安全を担保するため、正確な時計が必要でした

- 無線LAN対応NTPクロックを導入した背景をお聞かせください。

医療現場においては、医療安全の観点から時間管理が非常に重要です。医療記録としてカルテに書き込む時刻は正確である必要がありますし、長期入院される患者様の場合は、生活習慣の管理のため常に時間を考慮します。移転前の病院でも、すべての時計の時刻を確認して調整するための日を設けるなど、時間管理には特に注意を払ってきました。そのため新病院の設備においても、時計の時刻が正確に合わせられるという点は最重要要件であり、重視したポイントの一つです。

2.【経緯】正確かつ手軽に設置できる時計を探していました

— 時計増設のきっかけについてお聞かせください。

移転前の病院では電波時計を設置していたものの電波が取れずに時刻ずれが発生していて。でも簡単に修正できるものではなく、あまり直されていませんでした。しかし、間違った時刻をカルテに記載することは避けなくてはいけません。そこで新病院では、建設時に有線の電気時計を敷設し、職員は業務用のiPhoneや電子カルテの時刻を参照するというルールを決めました。ですが実際に運用を開始してみると、現場ではiPhoneや電子カルテの時刻を参照することが難しい場面もあり、見やすい場所に時計を増設してほしいという要望が職員から寄せられるようになりました。また患者様からも同様の声が寄せられたことから、時計の増設を検討し始めました。

— 無線LAN対応NTPクロックを検討された経緯をお聞かせください。

コストをかけず、かつ、しっかりと時刻の正確性を担保できるという部分は外せない条件です。ですが、電気時計の増設は非常に大規模な工事を伴いますし、クオーツ時計や電波時計ではどうしてもズレが発生することを、移転前の経験からわかっていました。選定に悩んでいたところ、セイコーソリューションズの「無線LAN対応NTPクロック」を知りました。電池駆動の無線LANの時計って普通にあると思って探してみると、なかなかないんですね。

(写真左)事務部 用度施設課 課長 板倉孝之氏/(写真右)事務部 情報システム課 課長 浅野太一氏
前橋赤十字病院(写真左)事務部 用度施設課 課長 板倉孝之氏/(写真右)事務部 情報システム課 課長 浅野太一氏

3.【決め手】時刻の正確性を担保でき、設定・設置も手軽でした

— 無線LAN対応NTPクロックが優れていた点をお聞かせください。

[1] 院内のNTPサーバーに同期できる

一般的な時計では時刻がずれてしまうので、ネットワーク型の時計を探しました。ですが院内のNTPサーバーを参照でき、それでいて視認性が実用に足るものはほとんどなかったんです。そんな中で、このNTPクロックは、院内のNTPサーバーと同期できるので電子カルテと同じ時刻を表示させることができ、かつ開けたスペースに置いてもしっかり見れるデザインということで、条件を満たせると考えました。

[2] 手軽に設定・設置できる

NTPクロックは壁に掛けるだけで設置でき、工事が不要なのでコストを抑えられました。Webからの設定作業もすぐに慣れ、抵抗なくできています。また移転の際、PHSに代わってiPhoneを導入するために、院内すべてに無線LANの環境が整備されました。そのため、NTPクロックをどこへ設置しても院内のNTPサーバーに同期できる状態だったというのも導入しやすかった大きな理由の一つです。

4.【導入効果】現場の安心感と業務の効率化に繋がりました

— 従来の時計と比較してどのようなメリットがあるかをお聞かせください。

時刻が合う安心感を現場は持っていると思います。移転前の病院でも時計の時刻を合わせてはいましたが、ずれている可能性を考慮して、電子カルテの時刻を確認する手間がありました。それが今はどの時計を見ても大丈夫という安心感があります。時計を調整する手間がなくなったことはもちろん、パソコンのある場所まで行って時刻を見る、という場面も減り、業務の効率化にも繋がったと思います。

5.【今後の期待】現場の声に応じて増設していきたい

— 今後の期待をお聞かせください。

前橋赤十字病院内無線LAN対応NTPクロック

時刻の正確性を担保できたことから、時計増設のハードルは以前よりもぐっと低くなりました。今後も現場からの要望を受け、必要な箇所へ増設していきたいと考えています。また、実は当初、視認性の面でデジタルタイプの時計も検討していました。今回は見送りましたが、無線アナログNTPクロックのような、取り回しのしやすいデジタルタイプがあれば嬉しいですね。NTPクロックは病院のニーズに非常に合った製品だと思うので、広く普及して価格面でも手に入れやすくなることを期待しています。

本日はお忙しい中、貴重なお話をありがとうございました。

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お客様プロフィール

前橋赤十字病院
URL https://www.maebashi.jrc.or.jp/

※ 取材日 2020年11月