次世代医療・iPS細胞治療研究センターでは治験専用病棟として、がんや難治性疾患領域、iPS細胞を用いた再生医療領域の治験をはじめとした、非常に質の高い早期臨床試験が行われています。
次世代の医療創出の場として臨床試験や研究に最適な環境が整備されているこちらのセンターに、NTPクロック導入の経緯についてお話を伺いました。

  • 臨床試験や研究ではデータを正しく記録するため、正確かつ整合性のある時刻が求められる。
  • バイタル測定や採血、投薬の際に電子カルテの時刻は見づらいため、視認性のよい時計が必要。
  • NTPクロックを大学内のNTPサーバーと同期させ、電子カルテと同じ時刻を参照できるようになった。
  • アナログとデジタルの時計を部屋ごとに使い分け、用途に応じて時刻を確認しやすくなった。

1.【導入背景】医療行為に対する身体の反応の経時的な変化、発生する事象およびそれへの対応を正しく記録するためには正確な時刻が不可欠です

- NTPクロックを導入した背景をお聞かせください。

臨床試験では何らかの薬を投与したり、医療行為を行ったりすることにより、身体にどのような変化が現れるかを経時的に調べます。ある時間を切り取ってそこで何が起こっているのかということを観察するので時刻の記録は非常に重要です。また、ある事象が起きたときに、施設内の時計同士が同じ時刻を刻んでいることが、記録を取る上で、また、試験データの信頼性を確保する上で極めて重要です。電波時計の導入を考えましたが、電波時計では設置場所やその時の天候によって受信状態が一定ではないため、思いもよらない差異を生じかねません。そのため、施設内の時計同士を確実に同期させ、かつ、電子カルテの表示時刻と一致させる仕組みの導入が課題でした。

2.【経緯】医療現場から要望があり、電子カルテと同じ時刻を表示でき、かつ、視認性の高い時計の導入を検討しました

— 新たな時計の設置を検討されたきっかけについてお聞かせください。

まず看護師から時計の時刻表示を同期してほしいという要望があがりました。電子カルテに時刻が表示されますが、パソコン上のため、被験者に処置をしながら確認することが非常に難しいということでした。そこで電子カルテと同じ時刻を高い視認性で表示できる時計の導入・設置を検討しました。

— NTPクロックを検討された経緯をお聞かせください。

施設内の時計を同期する手段として電波時計の導入という選択肢もありましたが、どうしても電波を受信しにくい場所があることがわかりました。実は、この病院では電子カルテの時刻のコントロールに京都大学内に設置されているNTPサーバーを利用しています。治験記録の信頼性を確保するためには、このNTPサーバーと同期できる時計を導入することがベストの選択と考え、NTPクロックを採用することにしました。

3.【決め手】電子カルテと同期した正確な時刻を、施設内のどの部屋でも高い視認性で確認できるようになりました

— NTPクロックが優れていた点をお聞かせください。

京都大学内のNTPサーバーからの時刻情報により、閉じたネットワーク内で電子カルテの時刻と施設内の時計を統一することができていますので安心して正確な時刻を参照できるようになりました。また、高い視認性のため時刻が確認しやすくなりました。

 

4.【効果】臨床試験の部屋や病室など用途に応じてアナログかデジタルの時計を設置しています

—  NTPクロックはどのような場所に設置されてるのでしょうか。

今回はデジタル時計を3階のスタッフステーションと2階の検体検査室に、アナログ時計は直径30センチメートルのものを病室や会議室、診療室などに一部屋に一台ずつ設置しました。デジタル時計は、正確な時刻を数値データとして記録することを考慮し、スタッフステーションと検体検査室に導入しました。アナログ時計は視認性に優れており、時刻の見間違いが起こりにくいので病室や各部屋に設置しました。なお、設置に関しては大きなトラブルもなくセンターの開設までに短期間で完了することができました。

京都大学医学部附属病院 次世代医療・iPS細胞治療研究センター内無線LAN対応NTPクロック

5.【今後の期待】拡張予定のフロアにも設置を予定しており、高品質な治験に向け今後の運用も考えていきます

— 今後の期待をお聞かせください。

現在、センターとして稼働しているのは3階までですが、今後4階も稼働予定のため、その分のNTPクロックをすでに購入しています。電子カルテと同期した視認性の高い時計ですので、スタッフが処置を行ったり記録を取ったりするうえで大きなよりどころとなります。現在は導入したばかりなので、特に問題はありませんが、数年後には、電池残量の把握含めて正確に稼働していることを簡便に捕捉できる仕組みが提供されるとありがたいです。また、看護師からは壁掛けだけではなく腕時計に対するニーズも上がっています。手元に電子カルテと同期した時計があれば時刻の確認のために視線をずらす必要がなくなり、手元が疎かになるリスクを減らすことが期待されます。そこで、現在、治験の際に使用する腕時計を配布できるように準備していますが、今のところ任意のタイミングでNTPサーバーに同期でき、手頃で視認性の高い腕時計は見当たりません。そうしたものがあると現場の助けになります。

京都大学医学部附属病院 (写真左)次世代医療・iPS細胞治療研究センター(Ki-CONNECT)特任病院教授高倉 昭治 氏 (写真右)臨床研究戦略課 クリニカルバイオリソース 事業担当室 室長補佐(兼)事業推進掛長 山下 武史 氏

(写真左)
次世代医療・iPS細胞治療研究センター
(Ki-CONNECT)特任病院教授
高倉 昭治 氏
(写真右)
臨床研究戦略課 クリニカルバイオリソース
事業担当室 室長補佐(兼)事業推進掛長
山下 武史 氏

 

                                 本日はお忙しい中、貴重なお話をありがとうございました。

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お客様プロフィール

次世代医療・iPS細胞治療研究センター (Ki-CONNECT)
URL https://www.ki-connect.kuhp.kyoto-u.ac.jp/

※ 取材日 2020年7月