吉野家は、1899年創業の和のファストフードを代表する飲食店チェーンとして、国内に1,212店舗(2019年10月末時点)を擁しています。創業以来常にお客様に満足していただくため、牛丼を主力商品として「うまい、やすい、はやい」の吉野家固有の価値を提供し続けており、2019年度からは、そこに「心地よい」を加えることで「顧客感動満足」の実現を目指しています。
吉野家ではお客様が店内にゆっくりと滞在でき、心地よく過ごしていただくためサービス品質の向上を目指してきました。その一環として、各種電子マネーの導入を進めるにあたって、セイコーソリューションズの電子マネー決済サービス「CREPiCO決済情報処理センター」を導入しました。
導入の経緯と効果について、株式会社吉野家ホールディングス グループ財務経理本部 情報システム システム担当部長 松本浩典様にお話を伺いました。

  • 国内の主要な非接触IC型電子マネーヘの対応を進めたい
  • 消費税の軽減税率制度の導入に伴いスムーズな決済手段をお客様に提供したい
  • お客様の利便性が高まった
  • 安定した運用をキープしている
  • 将来的な決済手段の多様化に対応できる

【導入の背景】お客様の利便性が高まるよう、国内の主要なFeliCa方式電子マネーに対応

ー 電子マネー決済サービス「CREPiCO決済情報処理センター」をセイコーソリューションズから導入した背景をお教えください。

吉野家のホームページ
吉野家のホームページ

吉野家ではお客様の決済手段として、以前は現金を中心に、電子マネーは「WAON」に対応していました。ところが「電子マネーが使えないから、今日のお昼、吉野家はやめておこうか」という声に接することがありました。そこを何とかしたいと考え、お客様の利便性がより高くなるように、国内の主要な非接触IC型電子マネーヘの対応を進めることを決定しました。

また、2019年10月から消費税率の変更に伴って消費税の軽減税率制度が導入されます。店内で牛丼を召し上っていただく場合は消費税は10%、牛丼弁当などを購入してお持ち帰りになる場合は消費税は8%になります。その際に1円・5円という小銭が出て来ます。お客様は小銭を使うことを面倒に思われる傾向もありますので、10月以降の決済の手軽さが重要になると考えました。休日の郊外店ではクルマで来店されて、牛丼弁当や牛皿などを購入して持ち帰るお客様も多く、スムーズな決済手段は必須と考えました。

一方で、国内全店舗のPOS端末の入れ換えも予定されていましたので、POS端末の入れ換えとともにPOS連動型のマルチ決済端末を導入して、国内の主要な~非接触IC型電子マネーに対応すべく、2017年10月よりその準備を進めてきました。

【導入の経緯】POSシステムとの相性を考慮して選択

ー 「CREPiCO決済情報処理センター」はどのようにしてお知りになりましたか。

「POSシステムとの相性を考慮しました」と吉野家ホールディングス・松本浩典様
「POSシステムとの相性を考慮しました」と吉野家ホールディングス・松本浩典様

以前、電子マネーは「WAON」だけでしたので、WAONのアクワイアラとシステムを直接つないで、お客様にサービス提供していました。ただ今度は電子マネーが複数になりますので、決済情報処理センターを通じて、電子マネー各社のいろいろな差を吸収していきたいと考えました。

セイコーソリューションズならびに「CREPiCO決済情報処理センター」については、私たちが直接コンタクトを取ったのではなく、POSメーカーからの共同提案というかたちになります。やはりPOSシステムとの相性もありますから、私たちが独自に探すよりも、POSメーカーからいままでの実績や相性を考慮した上で紹介していただきました。

私たちはリッチクライアント方式のマルチ決済端末を予定していましたので、それに対応できる決済情報処理センターとして実際に比較検討したのは2社ですね。

こちらの要件を満たすことが出来るのかを確認して、POSシステムとの相性も考慮して、セイコーソリューションズに依頼することを決めました。

【導入の決め手】「実績」、「経済性」、「将来性と拡張性」を考慮

ー セイコーソリューションズの「CREPiCO決済情報処理センター」に決定された理由をお聞かせください。

既に対応している電子マネー「WAON」については、クレジットカードとひも付いたオートチャージ機能を提供していましたので、WAONのオートチャージ機能を継続して提供できる決済情報処理センターを選択する必要がありました。セイコーソリューションズの「CREPiCO決済情報処理センター」にはオートチャージ機能の実績があったことも選択理由の1つです。

「実績」、「経済性」、「将来性と拡張性」を考慮して、最終的にはコスト比較を行い、優位性があったセイコーソリューションズの「CREPiCO決済情報処理センター」に決定しました。

「将来性と拡張性」という部分では、吉野家ではまだ導入が決っていませんが、仮にクレジットカード決済などを導入することがあったとしても、電子マネーと同様に対応することが出る、決済手段の多様化に対応できるシステムであることも判断材料になりました。

実際の導入に際しては、「CREPiCO決済情報処理センター」との通信に必要なPOS用のドライバ(OCX)が提供されており、POSのプログラム開発は標準化されていました。
本部システムとの接続も計画通り行われ、運用は安定しています。売上情報提供サービスも利用しており、当社本部システムのデータと突合することにより、障害の発生有無の確認をしています。

【導入の効果】お客様の利便性が高まったことが、一番の導入効果

ー 「CREPiCO決済情報処理センター」の導入効果をお教えください。

実際のところ、運用は安定していますので、「CREPiCO決済情報処理センター」を利用していると、普段から意識することはありません。お客様の利便性が高まったことが、一番の導入効果だと考えています。

インターネット上の書き込みなどでは「吉野家で電子マネーが使えるようになったから行こうかな」といったものも見られるようです。店舗における決済の内訳は現金派の方が多く、電子マネーを利用される方は1割程度ですが、複数の電子マネー決済を導入した効果を分析していく予定です。

システム構成図

【今後の期待】安定した運用状況をキープしてほしい

ー 「CREPiCO決済情報処理センター」、セイコーソリューションズに対してのリクエスト、期待などありましたらお聞かせください。

「CREPiCO決済情報処理センター」の利用を普段意識することがないということは、イコール安定しているということです。私たちからの要望としては、その状態をキープしていただきたいと強く希望します。実際に決済手段が使えなくとなると、店舗ではパニックになると思います。そうしたことがないように、「CREPiCO決済情報処理センター」はあくまでも裏方ではありますが、絶対に止まらないことを強く期待しています。

また、新しいシステムや機器などのご紹介や、店舗にコストをかけなくてもこんなことが出来ますよ、というご提案はいろいろといただいています。継続して様々なご提案をいただけるよう期待しています。

株式会社吉野家様、
本日はお忙しい中、貴重なお話をありがとうございました。

お客様プロフィール

株式会社吉野家
URL:https://www.yoshinoya.com

※ 取材日時 2019年7月