BBIX Philippinesは、日本のBBIXとフィリピンのInfiniVANの2つの会社からなる合弁企業で、インターネット全体に貢献することを目標としています。世界中で信頼され、手頃な価格で高速なインターネットエクスチェンジ(IX)サービスを通じて、BBIX Philippinesはフィリピンのデジタル接続を強化しています。 BBIX PhilippinesのIXサービスは現在、マニラ、カビテ、ラグナの3つの主要地域にある7つのデータセンターで利用可能です。フィリピン国内での多様な展開に加え、国内の地方およびリモートエリアの成功のために、さらなる拡大と進化を続けています。

フィリピン国内では、インターネットからのNTP配信では時刻ズレが発生することがあったため、正確な時刻配信を求められていた。同時に遠方のデータセンター内機器の設定やトラブルシューティングを迅速に行うための手段が必要不可欠だった。

Stratum1のNTPサーバを自前で構築、運用することで正確な時刻配信が可能になり、フィリピン国内におけるユーザーへの提供を実現。またリモート運用を可能にすることで都度の現地作業を行う時間や費用を大幅に削減することができた。

1.SmartCS 導入の背景 リモートでのIX運用の利便性と有益性を考慮

ー SmartCSをフィリピンでも使っていただくことになった経緯や理由を教えてください。

今回導入するにあたって、フィリピンと日本という国をまたいだオペレーションが必要になるので、リモートでのIX運用の利便性と有益性を考慮しました。フィリピン国内は、今日もそうですが、渋滞が慢性的に発生します。そのため、都度現地で作業を行うと時間や費用が膨大に発生してしまいますので。

2.決め手 情報の多さとサポート対応

— もともと日本や他国の拠点でもSmartCSを使っていただいていますが、数あるコンソールサーバーの中でSmartCSに決めたきっかけや理由は何でしょうか?

1点目としてSmartCSは日本のサービスプロバイダー業界で使っているユーザーが非常に多いことで、横のナレッジ共有がされやすい点。2点目はやっぱり日本のメーカーで、JANOGやInteropといったあらゆるネットワーク系のイベントにいらっしゃるので、何かあった時に非常に相談しやすい点。それらはトラブルシュートの工数も減らすことができるということなので、非常に大きなメリットだと思っています。そこは海外メーカーさんと比べると格段に安心できる点ですね。基本的にコンソールサーバーは運用の最後の砦だというところもあるので、やっぱりサポートとか対応が手厚いメーカーにお願いしたい点が決め手になっています。

3.効果 トラブル時の早期原因追及に貢献

— 先ほどラックの中で元気に稼働している機器を見させていただきましたが、ご期待通りの機能・使用感はいかがだったでしょうか?

サポート対応について語る大場氏

そうですね、問題なく使えております。私自身初めて触る機械だったのですが、設定も簡易で、コンソール接続も他社製品だとRS-232Cでコンソール接続したりするのですが、SmartCSはCat5のストレートケーブルで接続できます。ケーブルを新調せずに導入できたため、スケジュール 通りに構築することができました。実際、マネジメントネットワークの障害が発生した際にIPで基幹にアクセスできなくなったのですけれども、SmartCSを経由して早期に原因追及してネットワークの復旧をすることができました。

— 既にそういう非常事態が起きていて、役に立った場面があったということですね。

マネジメントのIPネットワークがよく切れることがあり、NW装置の異常なのか、マネジメント系のNWが異常なのかが分からなかったのですが、SmartCSからアクセスできたことで、BBIX Philippines側の原因ではない、サービスは継続できるという判断が出来ました。また装置によっては、再起動するとNW機器のConfigが飛んでしまうような製品などもあり、そのような事態でもSmartCSがあったおかげで容易に復旧させることができました。リモートでのトラブルシューティングをしなければならない環境において絶大な効果を発揮する製品ということは、他の事業者の方も同感だと思います。

4.今後の期待 サイズを考慮したラインナップの充実

— 製品をご活用頂いているようで大変うれしい限りです。我々に対しての期待や要望などありますでしょうか?

絹川氏とラックの中で稼働しているTimeServer

小型のサイズのコンソールサーバーは欲しいですね。ラックの空いたスペースに入るくらいのサイズで値段も手頃なもの、SmartCSと基本的な機能は同じものがあれば非常に便利で、フィリピン国内のみならずBBIX全体でも適用範囲は広いと思います。

5.TimeServer 導入の背景 フィリピンでも正確な時刻を提供するため

— 次はNTPサーバーについてもお聞かせ頂けますでしょうか。今回NTPサーバーをGNSSアンテナから含めて構築しようとされた経緯や背景などを教えてください。

フィリピン国内でNTPをパブリックから取ろうとすると時間がずれることがあると聞いており、お客様であるケーブル事業者様向けなどから正確な時刻を提供してほしいという要望を頂いていたのがきっかけです。ただやるからには、商用インターネットエクスチェンジという側面のみならず、フィリピンのインターネット業界向けに何が貢献できるかを考え、Stratum1として正確な時刻ソースを構築できればという想いがありました。また、BBIX PhilippinesはフィリピンのIX事業者としては後発なので少しでもブランド価値を高め、付加価値を感じていただければと思っております。

6.決め手 信頼性と実績

— 弊社のNTPサーバーを選定した理由あるいは期待していたこと、また導入後の所感みたいなものをお聞かせ頂けますか?

セイコーソリューションズのNTPサーバーを選定した理由としてはSmartCSを選択した際の理由ともやはり似ていて、信頼性と実績が一番重要ではあったのですが、それに加えてフィリピン国内では日本ブランドの時計=SEIKOで、知名度も高く良いイメージを持たれる、という点もあります。BBIXと共にジャパンブランドという形で日本企業のイメージが良いフィリピンで知名度を高めたいというブランディングに貢献してくれていると思います。導入後の所感としては、フィリピン国内の大型(海底ケーブル)プロジェクトにNTPを提供するという話も進んでおり、早速フィリピンの発展に微力ながら貢献できそうな感触ですので、やはりやって良かったなぁという印象です。

— 今回NTPサーバーをGNSSアンテナと共に構築した際の苦労などありますでしょうか?

特に苦労した点はなくスムーズに導入ができました。アンテナを取り付けたい場所と建物にNTPサーバーの配線構築マニュアルを業者さんに共有したら問題なく取付け、配線が終わってGNSSの信号がラックまできたので非常に簡単だった印象です。

7.今後の期待 機能の拡充

— NTPサーバーへの要望などありますでしょうか?

屋上に設置されたアンテナ

セイコーソリューションズのNTPサーバーを選定した理由としてはSmartCSを選択した際の理由ともやはり似ていて、信頼性と実績が一番重要ではあったのですが、それに加えてフィリピン国内では日本ブランドの時計=SEIKOで、知名度も高く良いイメージを持たれる、という点もあります。BBIXと共にジャパンブランドという形で日本企業のイメージが良いフィリピンで知名度を高めたいというブランディングに貢献してくれていると思います。導入後の所感としては、フィリピン国内の大型(海底ケーブル)プロジェクトにNTPを提供するという話も進んでおり、早速フィリピンの発展に微力ながら貢献できそうな感触ですので、やはりやって良かったなぁという印象です。

— 最後に今後BBIX Philippinesとして抱負などをお聞かせ頂けますか?

単なる商用のインターネットエクスチェンジというだけでなく、最新のトレンドの情報発信であるとか、NTPのように日本では普及しているインターネットインフラとしての機能のようなものを提供したりして、フィリピンのインターネットに貢献していきたいと思っています。BBIXがインターネットに携わればその国のインターネットが良くなると思われるように頑張っていきたいです!

お客様プロフィール

BBIX Philippines Inc.
URL: https://bbix.com.ph/

※ 取材日時 2024年4月