インターネットイニシアティブ(IIJ)は、1992 年の設立以来、日本のインターネット誕生と進化を支えてきました。
大容量バックボーンネットワークやクラウドサービス「IIJ GIO(ジオ)」など、信頼性の高いサービスを提供しています。それらの構築・運用におけるマネジメントネットワークの中でコンソールサーバー「SmartCS」を採用いただいたインターネットイニシアティブのネットワーク技術部 根本 昂氏とシステム技術部 鈴木 哲司氏に、「SmartCS」の導入の経緯と導入後の評価についてお話を伺いました。

1.インターネットイニシアティブについて

ー 御社の概要についてお聞かせください。

本社(東京都千代田区)
本社(東京都千代田区)

インターネットイニシアティブ(IIJ)は、1992 年、日本企業として初めての商用インターネットサービスプロバイダーとして設立されました。

現在では、IIJグループとして8,500 社を超える法人顧客に対して、インターネット接続、アウトソーシングサービス、WAN サービス、クラウドなどの各種ネットワークサービスから、システム構築、運用管理などのシステムインテグレーションまで、総合的なネットワーク・ソリューションを提供しています。

2.SmartCS導入の経緯

— マネジメントネットワークの重要性をお聞かせください。

iij-img-03マネジメントネットワークは、バックボーンネットワークやクラウドサービスを提供する上で必要不可欠なものになります。通常はネットワーク経由で機器の制御を行っていますが、マネジメントネットワークに障害が発生した際には機器が制御不能になってしまい、状態確認やサービス復旧の操作が困難になります。コンソールサーバーはマネジメントネットワークの障害時であっても機器を直接制御することが可能なので、制御の冗長化としてはとても重要な役割を担っています。

— SmartCS を導入された経緯をお聞かせください。

リプレースを検討する際に検証を行い、コンソールサーバーとして価格的な競争力があり、機能的にも必要としているものが装備されていた「SmartCS」の採用に踏み切りました。それまで使用していた機器はケーブリングが煩雑だったのですが、SmartCS 導入後は、イーサネットケーブル1 本で接続できるようになり、構築が非常に楽になりました。バックボーンネットワークでは、2011年頃からSmartCS の導入を開始しました。現在は国内拠点の半分くらいへの展開を完了して、200 台程度の稼働実績になります。クラウドサービス「IIJ GIO」では、少し遅れて2015 年頃から導入を開始して、100 台前後の稼働実績があります。

 

 

3.SmartCS導入後の評価

— バックボーンネットワ ークでのSmartCS の評価をお聞かせください。

バックボーンネットワークで導入しているSmartCS では、これまで故障が発生したことがなく、この状態がいつまで続くか楽しみです(笑)。導入する機器は故障するものだという、それまでの認識が大きく覆されました。 また、SmartCS のポートごとに機器のロケーションを設定する文字種に制限があったのですが、「『スペース』を使いたいのだけど」と営業担当に要望してみたところ、迅速に機能実装を行ってもらえました。作業ボリュームが大きくなりがちな拠点での構築時で、できる限り省力化したいと考えている中でしたので、非常に助かりました。

— クラウドサービス「IIJ GIO」でのSmartCS の評価をお聞かせください。

鈴木氏:ポートセレクト機能が非常に便利です。

「IIJ GIO」で採用する際には、ポートセレクト機能の評判が高かったです。
障害発生時に、ネットワーク機器にアクセスするための情報を探し始めるという運用はあり得ないと考えていますので、SmartCS にアクセスして、表示されるメニューから対象機器を見つけられるのは画期的でした。

 

また、障害が夜間や休日に発生した場合、関係者全員が社内にいないことも考えられます。
その際には、SmartCS のポートミラー機能を使って、社内にいる担当者がRW モードで作業して、社外から別の担当者がRO モードで確認するという運用も可能になります。まだ、そのような状況は経験していませんが、万一のときの運用方法があるのは心強いと感じています。

それから、接続した機器から切断をするためのエスケープキーが個別に設定できる点も好評価です。ポートごとに設定できますので、検証環境では運用担当者によってエスケープキーが異なったりしています(笑)。

 

4.SmartCS 導入後の評価

— 御社の海外拠点におけるSmartCS の展開状況をお聞かせください。

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根本氏:故障もなく、細かい要望に応えてくれるので、助かっています。

海外拠点での構築の場合は、できる限り日本国内で使用している実績のある製品を展開したいと考えていますので、SmartCSも国内から要望を出し、海外拠点への導入を進めています。

一番初めに導入したのは、アメリカ西海岸の2 拠点で、これまでにアメリカ国内3 拠点で導入済みです。

もちろん、海外でも故障なく稼働してくれています。現在も新たな海外拠点での構築の際には要望を出していて、近々ヨーロッパの拠点にも導入する予定です。その他の海外拠点もタイミングを見て導入を検討していきます。

 

 

5.今後の期待

— 今後の要望や期待をお聞かせください。

SmartCS への要望が、ぱっと浮かばないのは製品自体に満足しているのだと思っています。これまでも、当初導入していた「NS-2240」で冗長化対応してほしいと考えていると、次機種の「NS-2250」では電源とイーサネットポートの冗長化(ボンディング)が実装されているなど、こちらが考えていることを実現してもらっています。要望をひとつ挙げるとすると、SFP 対応でしょうか。
棟をまたぐような遠距離のケーブリングが必要な場合に、ファイバーを直収してもらえると便利だと思う場面があります。ただ、それが価格に反映されてしまうのであれば我慢しますが(笑)。SmartCS 以外でも、いろいろなことをやりたいという要望に真摯に取り組んでくれる姿勢は非常にありがたいので、この点も是非継続していってください。

左から株式会社インターネットイニシアティブ ネットワーク技術部 根本 昂 氏、システム技術部 鈴木 哲司 氏、弊社NS営業部 海野 俊
左から株式会社インターネットイニシアティブ ネットワーク技術部 根本 昂 氏、システム技術部 鈴木 哲司 氏、弊社NS営業部 海野 俊

 

本日はお忙しい中、貴重なお話をありがとうございました。

お客様プロフィール

株式会社インターネットイニシアティブ
URL: https://www.iij.ad.jp/

※ 取材日時 2017年5月