【導入背景】美術館とオフィスが融合した先進複合施設に時刻同期を導入
- NTPクロックを設置した京橋ミュージアムタワーについて教えてください。
ミュージアムタワー京橋(以下、MTK)はオフィスと美術館が融合した地上23階・地下2階建ての超高層複合用途ビルです。2019年7月に竣工し、2020年1月には1~6階にアーティゾン美術館が開館しました。上層階(10~23階)はオフィスフロアで、開放感のある執務空間を提供するほか、テナント専用のカフェ(16階)や屋上庭園(23階)が設けられています。NTPクロックは入居者が利用できる3階会議室および16階にある会議室やカフェ等に設置しました。

【経緯】施設内の時刻統一でトラブル防止と利便性向上を両立
— セイコーのNTPクロックを検討されたきっかけについてお聞かせください。
MTKには3階に5つの会議室と16階に大会議室がありテナント向けに時間貸しを行っています。テナントの入居が進むにつれ利用者が増加してきましたが、それに伴って後続の利用者とのトラブルを回避する必要が出てきました。そこで、館内の標準時ともいうべき正確な時刻を表示する時計を、見やすい場所に掲げることにしました。既にカフェや事務所などには普通の掛時計を導入済みでしたが、それらは個体によって時刻ずれが発生することがあるため、会議室に設置する時計は時刻ずれがないことを必要件にしました。
【決め手】Wi-Fi活用と時刻精度の両立で“スマートな選択”を実現
— 無線LANタイプのNTPクロックの導入を決定した経緯をお聞かせください。
新しい時計の導入の検討を開始したときには電波時計も候補に上がっていましたが、建物の構造上、時計の設置場所によっては電波受が不安定になる懸念がありました。その点、ビルには共用部にWi-Fi環境が整備されており、ネットワークを利用して時刻同期するNTPクロックの方が、BIMや再生可能エネルギー、専用スマホアプリ等を導入している当建物にとってよりスマートで、コンセプトにも合っていると考えました。

— 無線LANタイプのNTPクロックが優れていた点をお聞かせください。
会議や商談など、分刻みで進行する業務において、時計の誤差がトラブルの原因になるケースもあります。無線LANタイプのNTPクロックは、ネットワーク経由で常に正確な時刻に自動同期されるため、そうした不安を解消し、時間に対する信頼性を担保してくれます。また、既設環境を利用することで大規模な配線工事等が不要となり、短期間でNTPクロックを設置できることもメリットでした。また、時計設置後は、管理スタッフが設置場所を個別に巡回して行う時刻調整作業がいらないことも利点のひとつです。
【効果】運用に配慮した柔軟かつスムーズな設置を実現
— どのような場所に設置されていますか。
時計は主にタイムマネジメントの精度が求められる場所に設置しています。たとえば、3階の会議室には1室毎に1台、またレイアウト変更により分割利用も可能な16階の大会議室には2台を設置し、どの区画からも見やすく時刻を正確に確認できるよう配慮しています。
そのほか、MTKのビルスタッフが常駐する管理事務所、16階のカフェ、永坂産業のオフィスエリアに1台ずつ設置しました。会議室やカフェなどの共用スペースにも配置することで、スタッフだけでなく来訪者にも正確な時刻情報を提供できる環境を整えています。
時計の設置に関しては、NTPクロックが電池式で既存の無線LAN環境で同期するため、電気配線工事なしに必要に応じて希望の場所に希望の台数を設置できるところが非常に優れていると思います。今回の設置作業は夜間に実施され、NTPクロックと連携するタイムサーバーの導入も含め、すべての作業を一晩で完了しました。営業中の会議室や共用スペースに一切影響を与えずに導入できた点も評価しています。
【今後の期待】建物の美意識と調和するデザインバリエーションを希望
— 今後の期待をお聞かせください。
ミュージアムタワー京橋は、外観・内装ともに非常に洗練されたデザインが特徴の建物であると自負しています。ですので、NTPクロックにも時計を設置する空間にマッチする多様なデザインバリエーションがあると、より空間演出の自由度が増すのではないでしょうか。今後、機能性に加えてデザイン性でも選べるラインナップが充実することを期待しています。

同管理担当マネジャ ー薄倉寛氏
本日はお忙しい中、貴重なお話をありがとうございました。
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