概要
イーサネットで構成されるレイヤ2ネットワークには、レイヤ3ネットワークにおけるIP/ICMPのような管理・確認手段がなく、安定した運用を行うためには大きな労力を要していました。
イーサネットマネージドデバイス「SmartEMT」「SmartENU」は、レイヤ2ネットワークを運用・管理するための国際標準プロトコル「EthernetOAM」を活用して、より確実なレイヤ2ネットワークの運用をご支援します。
役割にあわせた2つのハードウェア・プラットフォーム
SmartEMT/SmartENUには、役割の異なる2つのハードウェア・プラットフォームがあります。
センター側装置 SmartEMT (NS-3710-10) ※SmartEMTは販売を終了いたしました。
SmartEMTは、センター側に配置するハードウェアです。
サービスネットワーク(イーサネットOAMネットワーク)を収容するギガビットイーサネットポート×4ポートを持ち、複数台のSmartENUを管理することができます。
拠点側装置 SmartENU (NS-3200シリーズ) ※SmartENUは販売を終了いたしました。
SmartENUは、拠点側に配置するハードウェアです。
LAN側ポート/WAN側ポートとして、ファースト・イーサネットポート×3ポートを持ちます。
ネットワークSLAの監視・管理が可能に
システム basic1
システム basic1は、レイヤ2/レイヤ3ネットワークのSLAを監視する機能を充実させたアプライアンス製品群です。
搭載しているEthernet OAMを利用して、センター側装置のSmartEMTと、拠点側装置のSmartENUが協調して、レイヤ2レベルでの疎通確認(常時/オンデマンド)や、ビットエラーチェック、遅延測定などの品質測定機能を提供します。
また、Pingサーバ機能も搭載し、レイヤ3での疎通確認を行うこともできます。
いままで難しかった、異なるVPNにおいて、IPアドレスが重複した場合のPing監視も、SmartEMT 1台のみで実施することが可能です。
SmartEMT システムソフトウェアVer1.5では従来のICMPによるレイヤ3ネットワークの監視機能に加えて、TWAMP(RFC5357: Two-Way Active Measurement Protocol)による遅延測定をサポートしました。往復の伝送遅延の測定はもちろん、対向装置の時刻ずれを推測することで片方向遅延を測定する独自機能を実装しています。
※TWAMP機能はSmartEMTのみのサポートです。
オプションライセンスによる機能強化
SmartEMTでは機器に標準搭載されている「標準ライセンス」と、追加導入することで拡張機能が可能になる「オプションライセンス」を用意、用途に応じたライセンスを選択して頂きます。
標準ライセンスではEthernetOAMやICMPを設定された間隔で送信し応答を監視することで、対向装置と一定時間の間に通信が行えるか疎通確認をすることができます。
オプションライセンスを追加導入するとEthernetOAMやICMP, TWAMPによる遅延情報を統計データとして測定・収集し各種統計データを生成しファイルへ出力したり、閾値を超過した場合にトラップを送出する「計測モード」を選択することができます。
ネットワークの遅延特性を自動監視し傾向を把握することで網障害や輻輳の早期対応が可能になります。