SmartEMT/SmartENU システム basic1は、従来型のレイヤー3レベルでのネットワーク品質管理を進化させるだけでなく、レイヤー2レベルでの品質測定にも最適化された、ネットワーク監視用のシステムです。
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機能 basic1 (※SmartEMT / SmartENUは販売を終了いたしました)

システム basic1は、レイヤ2/レイヤ3ネットワークのSLAを監視する機能を充実させたアプライアンス製品群です。

搭載しているEthernet OAMを利用して、センター側装置のSmartEMTと、拠点側装置のSmartENUが協調して、レイヤ2レベルでの疎通確認(常時/オンデマンド)や、ビットエラーチェック、遅延測定などの品質測定機能を提供します。

また、Pingサーバ機能も搭載し、レイヤ3での疎通確認を行うこともできます。
いままで難しかった、異なるVPNにおいて、IPアドレスが重複した場合のPing監視も、SmartEMT 1台のみで実施することが可能です。

SmartEMT システムソフトウェアVer1.5では従来のICMPによるレイヤ3ネットワークの監視機能に加えて、TWAMP(RFC5357: Two-Way Active Measurement Protocol)による遅延測定をサポートしました。往復の伝送遅延の測定はもちろん、対向装置の時刻ずれを推測することで片方向遅延を測定する独自機能を実装しています。
※TWAMP機能はSmartEMTのみのサポートです。

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既設網へ最小コストで追加可能

システム basic1が提供する疎通監視・遅延測定などの運用支援機能は、既存のネットワークに対して、網内の機器の入れ替えや、大きな構成変更を行うことなく、センター側にSmartEMT、拠点側にSmartENUを追加するだけで、効率的にネットワークの運用レベル向上を実現することができます。

システム basic1の主な機能

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レイヤ2疎通監視

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SmartEMT/SmartENUは、重要なネットワークの運用を、IEEE/ITU-Tで標準化されているEthernet OAMを利用した常時監視とオンデマンド監視の多彩な機能で支えます。

また、レイヤ2ネットワーク内にEthernet OAMのMIP(Maintenance Intermediate Point)をサポートしている装置があれば、網内のどの装置を経由して転送しているかを調べることができます。

常時監視

SmartEMT/SmartENUは、Ethernet OAMのCC(Continuity Check)フレームを、送受信をすることにより、常時監視を実現します。

もし、受信するはずのCCフレームの未着が発生したり、受信を許す設定に含まれていないCCフレームを受信した場合には、SyslogやSNMP Trapで、異常が発生したことをネットワーク管理者に通知します。

また、通常のCCフレームは、宛先をマルチキャストアドレスとして送信されますが、バックボーンスイッチの負荷を軽減させるため、CCフレームの宛先をユニキャストアドレスで送信する「ユニキャストCC送信機能」を備えています。

オンデマンド疎通確認

SmartEMT/SmartENUは、IP/ICMPを利用して必要なときに疎通確認や監視を行うように、Ethernet OAMのLB(Loop Back)フレームを利用して、レイヤ2での疎通確認を行うことができます。

SmartEMT/SmartENUから、相手側装置のMACアドレスを指定してLBフレームを送信し、その返答の有無や、返答に要した時間を知ることができます。

オンデマンド監視を利用することにより、レイヤ2レベルでのネットワーク障害切り分けを行うことができ、レイヤ3レベルでは難しかった故障区間の特定を行うことが可能です。

経路確認

イーサネット網にEthernet OAMのLT(Link Trace)をサポートしている装置があり、MIP/MEPが設定されていれば、SmartEMTからLTフレームを送信することにより、ターゲットとなる装置まで、どのようにフレーム転送が行われているか、経路の確認を行うことができます。(IPレイヤでのtracerouteに相当する機能です)

遅延測定

SmartEMT/SmartENUでは、DM(Delay Measurement)を利用して、レイヤ2レベルでの伝送遅延時間を、マイクロセカンド単位で測定することができます。

また、DMのプロトコルオプション含めた実装のため、測定対象となるSmartEMT/SmartENUの内部折り返しで発生する遅延も測定することができます。

ビットエラー検知

SmartEMT/SmartENUの組み合わせで、イーサネット中継装置・伝送路で発生するビットエラーを検知することができます。

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SmartEMTは、LBM(Loop Back Message)フレームの中に、特定のビットパターンや、PRBS(Psuedo Random Bit Sequence)を含めて送信し、対向装置から応答されてきたLBR(Loop Back Reply)フレームの内容と比較する機能を備えています。

Ethernet OAMの規格では、LBMフレームに応答する際には、LBMフレームに含まれる内容を、そのまま含めて、LBRフレームとして応答するように定められています。
このことを利用して、LBMフレーム内にPRBSなど、エラーチェック用のビットパターンを埋め込んで送信し、その応答メッセージに含まれているパターンと比較することにより、LBM/LBRフレームが通過する伝送路、および通信機器でのエラーを検知することができます。
また、この機能は、機器自身ではエラーを発しないにもかかわらず、機器を通過するトラフィックが異常となるようなサイレント故障を検知する手段として利用することができます。

また、フレームが通過する機器が、Ethernet OAMに対応していない場合であっても、LBM/LBRフレームは、通常のイーサネットフレームとして転送されます。
その機器がビットエラーを発生させていたとしても、検知が可能です。

SmartEMTの拡張監視機能

SmartEMTは、レイヤ2/レイヤ3ネットワークを監視するための独自機能を搭載しています。

レイヤ2拡張監視 - L2マネージ機能 -

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SmartEMTは、LB(Loop Back)フレームを利用したオンデマンド監視を独自に拡張した「L2マネージ機能」を搭載しています。

「L2マネージ機能」は、SmartEMTから自動的に一定間隔でLBフレームを送信することにより、SmartEMTとSmartENU間の疎通監視を行う機能です。

同様の機能は、CC(Continuity Check)フレームでも監視を行うことができますが、特にマルチポイント接続の場合、障害が発生しても、発生箇所が特定しづらいケースがあります。L2マネージ機能では、Point-To-Pointで監視を行うことにより、障害箇所を特定するまでの時間を短くすることができます。

レイヤ3監視 - Pingサーバ機能 -

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SmartEMTは、ICMPマネージ機能による、定期的なレイヤ3監視機能をサポートしています。

従来、ICMPで複数のネットワークを監視する場合、異なるネットワークで同一のIPアドレスを持つ機器を監視する監視対象のIPアドレスが重なってしまうことがあり、IPアドレスが重複してしまうネットワーク毎に、別の監視サーバを設置しなければ、正常に監視を行うことができませんでした。

SmartEMTは、この問題を解決するために、「仮想IPインタフェース」という機能を搭載しました。
仮想IPインタフェースは、同一の物理インタフェースであっても、異なるVLAN IDを持っていれば、同じIPアドレスを複数設定した上で、それぞれのIPアドレスがあたかも独立で設定されているかのように、区別して処理することができます。
この仮想IPインタフェースを利用すれば、複数の監視対象ネットワークで、監視対象のIPアドレスが重複したとしても、1台のSmartEMTで監視を行うことが可能となります。

また、監視対象ネットワークの構成上、レイヤ2ネットワークに対して多段でVLANタグを付加してPingを送信しなければならない場合でも、SmartEMTからは最大3段のVLANタグを付加すつことが可能です。