幕張メッセイベント会場に構築されるInterop Tokyoのライブネットワーク「ShowNet」での、セイコーソリューションズの取り組みについて、前後編の2回に分けてご紹介いたします。
ShowNetへの道 [2016]ShowNetへの道 [2017]に続き、今年は信太(しだ)がナビゲーターを担当することになりました。
配属1年目でまだまだ勉強中の新参者ですが、どうぞよろしくお願いいたします。

ShowNet会場でSmartCSの設定を行ってきました

ShowNetへの道2021前編では、SmartCS(コンソールサーバ)や社内でのキッティング作業についてご紹介しました。
(是非、まずは前編からお読みください。)
[ShowNetへの道2021前編]
後編ではShownet会場での作業についてお届けします。

HotStage期間の作業内容をご紹介します。

ShowNetでは、会期前の通称「HotStage」と呼ばれる期間にネットワークの構築を行います。
今年は4月1日(木)から9日(金)をHotStage期間に設定、参加する各社のネットワークエンジニアが幕張メッセに集結しました。
何も物がないまっさらな幕張メッセのイベントホールに、たった9日でネットワークが作られてしまうのですから衝撃です。
何もないイベントホールもなかなか見られる機会がないので新鮮でした。
ShowNetへの道2021後編では、SmartCSに関するHotStage期間の作業をメインにご紹介します。

①ラッキング作業
HotStage前半は、ラッキングやケーブリングなど、物理的な作業がメインになります。
まずは、NOCラックやPOD(ShowNetのサービスを会場内に届けるために各所に設置される拠点)へのマウント作業です。
コンソール接続は構築の初期段階から使用されるため、SmartCSはHotStageのDay0(本来は機材搬入日)という、非常に早い段階からラッキングを開始しました。
ShowNetへの道2021前編でも記載したとおり、社内で事前に設定投入を行ったSmartCSを、ほぼすべてのNOCラックやPODに1台1台設置していきます。
愛を込めて育てた息子を見送る親のような気持ちでいつつ、何も問題がないこと、みなさまのお役に立てることを祈りながら設置完了です。

②ケーブリング作業
ケーブリング作業の写真HotStageの日が経つごとに、各ラックやPODに様々なベンダーの機器が設置されていきました。
段々と役者が揃っていく様子は劇場版の特撮ヒーローのようでした。
ネットワーク機器、サーバー機器などのリモート運用を実現するため、SmartCSのシリアルポートと管理対象となる機器のコンソールポートを接続する、ケーブリング作業に移っていきました。

ケーブルが絡まないように注意をしたり、ケーブルが抜けてしまった時に備え、挿してあった機器やシリアルポート番号が分かるようにケーブル1本1本にラベルをつけたりと、もしもの場合に備え常に注意を払いながら、慎重に作業を行っていきました。
現場ならではの緊張感も、社内では味わえない貴重な経験でした。

③Ansibleでの設定投入
HotStage後半では、SmartCS×Ansibleを利用した、設定投入の自動化をメインに実施しました。
出展社収容スイッチという、出展社ブースにインターネット接続性を提供するためのスイッチと、そのスイッチが集約されているルーターに対して、
Ansibleを利用してSmartCS経由で、出展社ごとに割り当てられたVLANやIPアドレスなどの設定を投入します。
2007年からSmartCSはShowNetに参加していますが、Ansibleを用いてマルチベンダーの装置に対し設定投入をするというのは初めての試みでした。
他のベンダーの機器に設定するべき内容をまとめたコンフィグファイルを用意し、
出展社収容スイッチにそれぞれ流し込んでいくのですが、その設定投入の処理をAnsibleで自動化するためPlaybookを作成する必要があります。
まず設定コマンド入力後のプロンプト表示を確認し、実行したい処理をPlaybookに書きこんでいきます。
今回作成したPlaybookでは、投入するコマンド群を前述のコンフィグファイルから読み込んでくるように設定し、Playbook内にすべて転記しなくても実行できるようにしました。また、「設定投入前と後にshow running configを実行し、結果をそれぞれテキストファイルにエクスポートする」「設定投入時のオペレーションログをテキストファイルにエクスポートする」など、バックアップのための操作も追加しました。
Playbook作成に少し手こずったり、設定投入中に予期しないエラーが出たりと困難もありましたが、出展社収容スイッチに対して無事設定投入を行うことに成功しました。
エラーが出て画面が真っ赤に染まった時の焦り、設定投入が成功して緑色の画面を見た時の喜びは、今後忘れることのない貴重な経験になりました。

■まとめ
4月1日(木)から9日(金)に行われた、ShowNetの構築作業は無事終了しました。
今回のShowNetはコロナ禍での開催ということもあり、幕張メッセになかなか来ることができないベンダーの方もいらっしゃいました。その中でSmartCSは、リモートでのコンソールアクセスの提供に貢献することができました。困難な状況下ではありますが、その真価をより発揮できたのではないかと思います。
「Ansibleで設定投入の自動化」も無事成功し、貴重な経験やノウハウを得ることができました。私自身、入社以来一番忙しい9日間でしたが、一番勉強になる、一番楽しい期間でもあり、ラック内で一際輝く青い筐体がかっこよく見えた9日間でした。
まだまだネットワーク知識の浅い私ですが、また来年も参加してみたいと思っています。

ShowNet風景

この連載は、ShowNet運営事務局ナノオプトメディア株式会社の監修の元、掲載しております

著者プロフィール

信太 美来

著者近影:信太 美来氏セイコーソリューションズ株式会社
製品開発部門でソフトウェア開発を担当

■経歴
2020年    入社
2020年11月~ SmartCSなどネットワーク運用管製品を主に担当

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